マンション修繕積立金が上がる理由とは?将来に備えるための基礎知識

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「修繕積立金がまた上がる」「いくらになったら値上げは終わる?」

 

区分所有マンションにを保有してる限り欠くことができないのが修繕積立金の問題です。

最近は修繕積立金の合意形成がうまくいかず、修繕積立金不足に陥っているマンションも増えています。

修繕積立金不足になれば、マンションの修繕にも影響しかねません。将来必要な建替えにも影響します。

 

また、新築時は5千円だったのに、気が付いたら2万円を超える修繕積立金になっていたなんて話は別に珍しい話ではありません。

なぜこういったことが起きるのかを知っておくと備えることができます。

新築マンションでは修繕積立金が低めに設定されている

新築マンションでは、修繕積立金が高いと売れにくくなるので、販売を優先させるために低めに設定されます。

これは別に違法ではなく認められた方式ですが、設定した金額が低いままだと実際に修繕が必要になったときに修繕積立金不足になってしまいます。

必要な時に積立金が不足すれば、借入金に頼ることになってしまうので、修繕積立金の増額は本来必要な金額への適正化といえます。

 

国土交通省が公表しているマンション総合調査によれば、計画上の修繕積立金の積立額と実際の修繕積立金の積立額の差について、実際の積立額が計画に比べて不足しているマンションは36.6%となっています。さらに不足しているマンションの11.7%が不足割合が20%を超しています。

修繕積立金が計画通り積み上がってるのは4割です。

 

修繕積立金の積立方式には「均等積立方式」「段階増額積立方式」の2つある

マンションの積立金の積立方式は、大きく「均等積立方式」と「段階増額積立方式」の2つがあります。

 

1.均等積立方式

均等積立方式は、将来必要な修繕積立金の額を均等に積み立てる方式です。最初から同じ金額を積み立てるので計画が立てやすく、組合員の同意を得やすいです。

均等積立方式は、国土交通省のガイドラインでも望ましい方式とされています。

ただ、均等積立方式を採用していても、材料費の高騰が起きれば修繕積立金の値上げはありえます。

 

2.段階増額積立方式

一定年数ごとに修繕積立金を引き上げる必要があるのが段階増額積立方式です。

段階増額積立方式では、販売しやすいよう新築時は低めの積立額に設定します。

そのため本来必要な積立額に不足するので、数年ごとに増額が必要です。

マンションの修繕は資産価値にも影響するので、積立金の値上げは避けて通れない問題です。

 

修繕積立金不足が問題になってることから、販売会社によっては最初に一時金を徴収することもあります。

最初に一時金を徴収すれば、最初に低い積立額でも将来の増額が緩和できます。

 

区分所有建物の全体でみると、均等積立方式が40.5%、段階増額積立方式が47.1%となっています。

完成年次の新しいマンションほど段階増額積立方式を導入しています。

特に2015年以降に建築されたマンションでは、81.2%が段階増額積立方式を採用しています。

 

段階増額積立方式を採用してるマンションのほうが修繕積立金の増額リスクが高いことは覚えておくとよいでしょう。

 

材料費や人件費の上昇による増額

建設資材や人件費の上昇も修繕積立金の増額要因になります。

特に最近は材料費の高騰が続いており、結果として修繕工事費も値上がりしています。

修繕工事費の値上げに対応するために修繕積立金の引き上げが行われます。

 

ちなみに人件費や材料費、水道光熱費の高騰は管理費の値上がり要因にもなります。

 

特に建設資材は10年前から値上がり傾向にあり、コロナ後から急高騰しました。

材料の急激な高騰は、マンションの販売価格も高騰させました。

 

修繕積立金・管理費の滞納が発生してるマンションは多い?

ちなみに修繕積立金の滞納を続けると共同の利益に反する行為として、裁判を起こされる可能性があります。

ひどい場合は競売によって自宅を失う可能性もあります。

 

滞納者がいるマンションは増加しており、滞納が発生しているマンションは3割に上ります。

・滞納がない管理組合 62.1%

・滞納が10%以下の管理組合 29.2%

・滞納が10%超の管理組合 0.5%

 

また、マンションの完成年月日が古いマンションほど滞納が起きています。

・2015年以降のマンションのうち、滞納がない割合72.5%、滞納がある割合15.6%

・2005~2014年のマンションのうち、滞納がない割合64.4%、滞納がある割合25.2%

・1995~2004年のマンションのうち、滞納がない割合65.5%、滞納がある割合28.8%

・1985~1994年のマンションのうち、滞納がない割合59.9%、滞納がある割合34.3%

 

修繕計画の見直し

ガイドラインでは5年ごとの修繕計画の見直しを推奨しています。

区分所有マンションでは、管理組合が修繕計画を見直し、修繕工事を実施します。

地震対策のための工事やエレベーター工事を追加で行えば、追加で費用が必要になり、修繕積立金の増額も考えられます。

 

区分所有マンションでは、所有者が組合員として参加する管理組合によって運営されます。

総会も管理組合員が参加して決議されます。

管理費・修繕積立金の増額は総会で決議され、一度決まった増額を拒否すると共同の利益に反する行為になります。

区分所有マンションを手放したとしても、滞納した修繕積立金の支払い義務は消えず、また、滞納者から購入した人も支払い義務を承継します。

 

まとめ

区分所有マンションの修繕積立金が上がる理由

・建物の老朽化や材料費・人件費の高騰

・段階増額積立方式を採用しているマンションがほとんどだから

・段階増額積立方式は修繕積立金の額が低く設定されている

・修繕積立金が新築時から4倍に達するマンションもある

 

将来の値上がり込みでライフプランを立てるとよいでしょう。

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