「修繕積立金がまた上がる」「いくらになったら値上げは終わる?」
区分所有マンションを保有してる限り欠くことができないのが修繕積立金の問題です。
最近は修繕積立金の合意形成がうまくいかず、修繕積立金不足に陥っているマンションも増えています。
修繕積立金不足になれば、マンションの修繕にも影響しかねません。将来必要な建替えにも影響します。
また、新築時は5千円だったのに、気が付いたら2万円を超える修繕積立金になっていたなんて話は別に珍しい話ではありません。
令和5年度の国土交通省マンション総合調査では、修繕積立金の平均額は月13,054円となっており、25年間で約1.8倍に増加しています。
この記事では、修繕積立金が値上がりする理由と仕組みを解説します。
この記事で分かること
- 新築マンションで修繕積立金が低く設定される理由
- 均等積立方式と段階増額積立方式の違い
- 材料費・人件費の高騰による影響
- 修繕積立金滞納のリスク
- 修繕計画の見直しと値上がりの仕組み
新築マンションでは修繕積立金が低めに設定されている

新築マンションでは、修繕積立金が高いと売れにくくなるので、販売を優先させるために低めに設定されます。
これは別に違法ではなく認められた方式ですが、設定した金額が低いままだと実際に修繕が必要になったときに修繕積立金不足します。
必要な時に積立金が不足すれば、借入金に頼ることになってしまうので、修繕積立金の増額は本来必要な金額への適正化といえます。
令和5年度調査のデータ
国土交通省が公表しているマンション総合調査によれば、計画上の修繕積立金の積立額と実際の修繕積立金の積立額の差について、実際の積立額が計画に比べて不足しているマンションは36.6%となっています。さらに不足しているマンションの11.7%が不足割合が20%を超しています。

つまり、修繕積立金が計画通り積み上がっているマンションは約4割にとどまるのが現状です。
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」(2024年6月公表)
修繕積立金の積立方式は2種類|均等積立方式と段階増額積立方式

マンションの積立金の積立方式は、大きく「均等積立方式」と「段階増額積立方式」の2つがあります。
1.均等積立方式
均等積立方式は、将来必要な修繕積立金の額を均等に積み立てる方式です。最初から同じ金額を積み立てるので計画が立てやすく、組合員の同意を得やすいです。
均等積立方式は、国土交通省のガイドラインでも望ましい方式とされています。
ただ、均等積立方式を採用していても、材料費の高騰が起きれば修繕積立金の値上げはありえます。
2.段階増額積立方式
一定年数ごとに修繕積立金を引き上げる必要があるのが段階増額積立方式です。
段階増額積立方式では、販売しやすいよう新築時は低めの積立額に設定します。
そのため本来必要な積立額に不足するので、数年ごとに増額が必要です。
マンションの修繕は資産価値にも影響するので、積立金の値上げは避けて通れない問題です。
積立方式の採用状況
区分所有建物の全体でみると、均等積立方式が40.5%、段階増額積立方式が47.1%となっています。
完成年次の新しいマンションほど段階増額積立方式を導入しています。

特に2015年以降に建築されたマンションでは、81.2%が段階増額積立方式を採用しています。
段階増額積立方式を採用してるマンションのほうが修繕積立金の増額リスクが高いことは覚えておくとよいでしょう。
修繕積立金不足が問題になってることから、販売会社によっては最初に一時金を徴収することもあります。最初に一時金を徴収すれば、最初に低い積立額でも将来の増額が緩和できます。
材料費や人件費の上昇による増額

建設資材や人件費の上昇も修繕積立金の増額要因になります。
特に最近は材料費の高騰が続いており、結果として修繕工事費も値上がりしています。
修繕工事費の値上げに対応するために修繕積立金の引き上げが行われます。
ちなみに人件費や材料費、水道光熱費の高騰は管理費の値上がり要因にもなります。
特に建設資材は10年前から値上がり傾向にあり、コロナ後から急高騰しました。
材料の急激な高騰は、マンションの販売価格も高騰させました。
修繕積立金・管理費の滞納リスク

ちなみに修繕積立金の滞納を続けると共同の利益に反する行為として、裁判を起こされる可能性があります。
ひどい場合は競売によって自宅を失う可能性もあります。
滞納の発生状況
令和5年度マンション総合調査では滞納の発生状況について以下のようなデータが示されています。
- 滞納がない管理組合:62.1%
- 滞納が10%以下の管理組合:29.2%
- 滞納が10%超の管理組合:0.5%

古いマンションほど滞納が起きている傾向があり、完成年次が1985〜1994年のマンションでは滞納がある割合が34.3%に上ります。

- 2015年以降のマンションのうち、滞納がない割合72.5%、滞納がある割合15.6%
- 2005~2014年のマンションのうち、滞納がない割合64.4%、滞納がある割合25.2%
- 1995~2004年のマンションのうち、滞納がない割合65.5%、滞納がある割合28.8%
- 1985~1994年のマンションのうち、滞納がない割合59.9%、滞納がある割合34.3%
滞納に関する重要な注意点
- マンションを手放しても、滞納した修繕積立金の支払い義務は消えない
- 滞納者からマンションを購入した場合も、前所有者の滞納分の支払い義務を承継する
中古マンションを購入する際は、管理費・修繕積立金の滞納がないかを事前に確認することが重要です。
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」
修繕計画の見直し

ガイドラインでは5年ごとの修繕計画の見直しを推奨しています。
区分所有マンションでは、管理組合が修繕計画を見直し、修繕工事を実施します。
地震対策のための工事やエレベーター工事を追加で行えば、追加で費用が必要になり、修繕積立金の増額も考えられます。
区分所有マンションでは、所有者が組合員として参加する管理組合によって運営されます。
総会も管理組合員が参加して決議されます。
管理費・修繕積立金の増額は総会で決議され、一度決まった増額を拒否すると共同の利益に反する行為になります。
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まとめ
修繕積立金が上がる主な理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 段階増額積立方式 | 新築時に低く設定されており、定期的な増額が必要 |
| 材料費・人件費の高騰 | 修繕工事費が値上がりし、積立金の引き上げが必要に |
| 修繕計画の見直し | 5年ごとの見直しで追加工事が判明することも |
| 積立金の不足 | 計画に対して不足しているマンションが36.6% |
購入前・購入後に確認したいこと
- マンションの積立方式(均等積立方式か段階増額積立方式か)
- 長期修繕計画の内容と積立金の過不足状況
- 管理費・修繕積立金の滞納状況
将来の値上がりを見越した上でライフプランを立てることが効果的です。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の物件・管理会社の推奨ではありません。記載のデータは国土交通省「令和5年度マンション総合調査」(2024年6月公表)に基づきます。本記事執筆時点(2026年4月)の情報です。

