現金預金はインフレやデフレで価値が変化します。
日本の失われた30年では、ずっとデフレが続きましたが、これから予測されてるように日本がインフレになれば、資産運用もそれに合わせなければいけません。
これから訪れるインフレ時代に、失われた30年と同じような運用のやり方では、お金の価値がどんどん失われていくからです。
1万円札は今も5年後も同じ1万円に見えますが、実際はお金の価値が下がるので、今1万円で買えたものが5年後にはさらに5百円、千円を足さないと買えなくなってるかもしれないのです。
失われた30年では現金預金で保有してもあまり影響はありませんでしたが、インフレ時代で一番怖いのは現金預金で保有することで失う資産の目減りです。
お金の価値を維持するためにも、それぞれの特徴と対策を知っておく必要があります。
インフレとデフレで変わる資産価値
ニュースでもよく取り上げられてるので、インフレとデフレという言葉はご存じだと思います。
お金の価値は一見すると変わらないように見えますが、これを商品に目を向けると常に変化してることが分かります。
この記事を現在、牛丼屋さんで持ち帰りした定食を食べながらまとめてるので、牛丼を例にしてインフレとデフレを説明します。
デフレの時代の牛丼は一皿400円からどんどん値下げしていった結果、牛丼一杯290円という時代がありました。これはデフレの影響で物が売れなかったため、値段が下がったからです。相対的にお金の価値は保有してるだけで上がっていきました。
一方、インフレの時代は牛丼価格はどんどん上がり、数年前に350円だった牛丼は気づいたら500円になってます。これはインフレの影響でお金の価値が下がり、350円では牛丼を買えなくなったからです。
コロナ後は特に様々な商品がどんどん値上がりしてる印象です。
インフレ時代に預貯金はリスクしかない
預貯金の金利は0.1%もありませんので、これは無視できる数値です。
しかし、2%のインフレが続くとなると、これは無視できません。3%ならもっと大きな影響です。
もし仮に2%のインフレが続けば、10年で20%の価値が失われます。現在10万円で買えてた商品が、12万円以上出さないと買えなくなってしまいます。
これが20年後は3分の1が失われるので、今の10万円は20年後に実質6万8千円になったのと同じです。
さらに30年後は半分近く(44%)が失われ、今の10万円は5万6千円と同じ価値です。
2%でこうなのですから、3%は言わずもがなです。
3%のインフレ
10万円→10年後の価値 7万4千円→20年後の価値 5万5千円 →30年後の価値 4万千円
このようにインフレ時代にタンス預金ではリスクしかありません。
デフレ時代の運用方針
デフレ時代はお金を保有してるだけで価値が上がるので、あえてリスクを取って株式や不動産で運用する必要がありません。
安定資産の生命保険や債券といったものでも十分といえます。
デフレの時代は金利が下落し、株価も下落するので、日本は対ドルで円高に進みます。
住宅ローンを組んだ人は、デフレだと相対的に借金の負担も増すことになります。
また、不動産の価値も下がるので無理して住宅ローンを組んでまで買う必要性もありませんでした。
インフレ時代の運用方針
インフレ時代はデフレと逆なので、お金を保有してるだけでは価値が失われていきます。株式や不動産である程度のリスクを取らないとお金の価値が目減りしていきます。
安定資産の生命保険や債券ではインフレに負ける可能性があるため、お金を株式や不動産、コモディティなどで分散投資する必要があります。
インフレの時代は金利が上昇し、株価も上昇するので、日本は対ドルで円安に進みます。
住宅ローンを組んだ人は、インフレで相対的に借金の負担が減ることになります。
無理をしてまで住宅ローンを組む必要はありませんが、不動産の価値も上がるので住宅ローンを組むには有利な状況です。下手したら金利が上昇して機会を失うかもしれません。
インフレに負けない運用が大事
インフレが2%であれば、2%を超える運用をすればいいことになります。ただし、利益や商品には税金がかかるのでその分も考慮しなければいけません(日本は税金が高い)。
投資信託の中には平均リターンが9%というものもありますが、資産のすべてをその商品に一括して投資するとリスクが高くなります。
全ての資産を同じ商品で運用せず、投資先を分散してリスクに備えることが大切です。
期待リターンは資産の収益率の平均で表せられます。
例えば、1000万円の3分の1をそれぞれ期待リターン9%、期待リターン1%、期待リターン3%で保有してれば以下のようになります。
投資収益率=(9+1+3)÷3=4.3…の約4.3%です。
500万円を9%、250万円を1%、250万円を3%なら、利益は45万+2.5万+7.5万=55万円となり、5.5%の利回りです。
5.5%の利回りで運用できれば、お金の価値を維持するには十分です。
まとめ
・インフレ時代とデフレ時代とでは運用方針を変える必要がある
・インフレはお金の価値が下がり、デフレはお金の価値が上がる
・インフレ時代ではお金の価値が目減りしていく
・金利や株価もインフレで上昇し、デフレで下がる
・インフレ下では、インフレ率を超える運用利回りを目指す必要がる
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