制度が複雑なせいか、いろいろと誤解も多い公的年金制度ですが、特に若い世代に誤解されていることが多いようです。
国の年金制度には、国民年金と厚生年金があります。
日本は国民皆年金なので、必ず年金制度に加入するわけですが、その必ず加入する年金が国民年金になります。
厚生年金や共済組合といった制度の方は、国民年金の上乗せ制度として会社員や公務員が対象になります。
国民年金の部分については全ての人が対象になので、基本的なことくらいは知っておいた方がいいでしょう。
この記事から分かること
- 「厚生年金だから国民年金は関係ない」が誤解である理由
- 第1号・第2号・第3号被保険者、それぞれの対象と保険料の仕組み
- 任意加入被保険者という選択肢
- 被保険者区分によって異なる、老後資金対策(iDeCo・NISA)の選び方
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国民年金はすべての国民に共通する基礎年金

ネットやニュースの書き込みを見ると、「私は厚生年金に入ってるから国民年金は関係ない」とか「専業主婦だから年金がない」といった声を聞きます。
しかし、実際は厚生年金の被保険者も専業主婦も国民年金の被保険者です。
国民皆年金で全員が20〜60歳は加入対象
昭和61年4月から基礎年金制を導入してるので、この時から国民は一部を除いて原則として国民年金の被保険者になります。
厚生年金が年金制度の二階部分といわれるのは、厚生年金が国民年金に上乗せして支給されるからです。
国民年金は全ての人が対象で、厚生年金は会社員が対象となるので、会社員だと国民年金と厚生年金の2つ(老齢年金・老齢厚生年金)を受け取れることになります。
- 国民年金の期間→国民年金に反映される
- 会社員の期間→国民年金・厚生年金に反映される
老齢・障害・死亡に備える国の最低保障
国民年金の目的に「国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基づき、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする(国民年金法第1条)。」というものがあります。
上記目的を達成するために、国民年金制度には老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金といった年金があります。
老後に受け取る老齢基礎年金は、多くの方がご存じだと思います。
国民年金は政府が保険者ですが、多くの事務が年金事務所に委託されてるので、年金についての相談や質問は年金事務所(市町村)に聞くと教えてくれます。
国民年金の被保険者は大きく3種類

国民年金の被保険者には、原則として第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類があります。
他にも任意加入被保険者といったものもあります。なお、国民年金の被保険者には国籍は問われません。
自営業者や無職は第1号被保険者
第1号被保険者は、主に自営業者や無職、20歳以上の学生が対象です。
日本に住所がある20歳以上60歳未満の人で、第2号被保険者や第3号被保険者のどちらにも該当しない人です。
◎第1号被保険者の要件
会社員は第2号被保険者
第2号被保険者は、厚生年金の適用事業所で働く会社員、公務員などが対象です。
ただし、65歳以上の被保険者又は組合員等で、老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金などの受給権を有している人はなりません。
専業主婦・主夫は第3号被保険者
第3号被保険者は、第2号被保険者の配偶者であって、主として第2号被保険者の収入によって生計を維持されている20歳以上60歳未満の人です。
なお、第1号被保険者と異なり、第3号被保険者は日本国内に住所があるかどうかは問われません(外国に住んでる人も対象)。
注意点
配偶者が第1号被保険者(自営業者等)の場合、専業主婦・主夫であっても第3号にはなれません。この場合は自身も第1号被保険者として保険料を納める必要があります(国民年金には「扶養」という概念がないためです)。
任意加入被保険者
国民年金では任意に加入することによって、年金の受給権を有しない人が受給権を取得したり、年金額の増額を目指せます。
次の人は申出ることで被保険者となれる
- 日本国内に住所が有る20歳以上60歳未満の者で、被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者
- 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者
- 日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者
任意加入被保険者の特例 昭和40年4月1日以前に生まれた人のうち、一定の要件を満たすものは特例任意加入被保険者となれます。
国民年金保険料と免除制度

国民年金の保険料は、前年の保険料に保険料改定率を掛けて算出します。
法定免除・申請免除のしくみ
●国民年金保険料の免除
国民年金は原則強制加入なので、第1号被保険者の人の中には収入が少なくて保険料が支払えない人もいます。
そのような場合は保険料免除といった制度が利用できるかもしれません。
保険料免除制度には、法律によって定められた法定免除と、申請することで免除される申請免除とがあります。
学生納付特例
学生であっても20歳以上であれば国民年金の被保険者になりますが、免除制度を利用することで受給資格期間として扱われます。
受給資格期間として扱われますが、年金額には反映されません。
収入が一定未満の人であれば、申請することで保険料が免除される可能性があります。
ただし、将来の年金額にも影響するので、その点を理解したうえで利用を検討するのがよいでしょう。
被保険者区分によって、老後資金対策も変わる

被保険者区分の違いは、単なる分類ではなく、老後資金の対策の考え方にも直結します。
自営業者(第1号被保険者)の場合
国民年金しか反映されないため、会社員と比べて老後の年金額が少なくなりやすい構造です。
老後資金の不足分を補う手段として、iDeCoが検討されることが多いです。
掛金全額が所得控除の対象になり、運用益も非課税、受け取り時も公的年金等控除の対象になるというメリットがあります。
ただし、原則60歳まで引き出せない点、手数料がかかる点はデメリットです。
専業主婦・主夫(第3号被保険者)の場合
そもそも所得税を納めていないことが多いため、iDeCoの所得控除メリットを十分に活かせないケースがあります。
掛金の途中変更や60歳まで引き出せない制約も考えると、資金の自由度を保ちながら運用できるNISAの方が向いているケースも多いです。
会社員(第2号被保険者)の場合
厚生年金があるため、自営業者ほど老後資金の不足感は大きくありませんが、勤務先の企業年金の有無等によって、iDeCoの活用余地が変わります。
いずれの場合も、iDeCoとNISAは併用が可能です。
自分がどの被保険者区分に属し、老後にどの制度からいくら受け取れる見込みかを確認したうえで、不足分をどう補うかを考えるのが基本的な進め方になります。
関連記事
iDeCo(イデコ)とは?NISAとの違いと3つの節税メリットを解説
まとめ
- 厚生年金の被保険者も専業主婦も、全員が国民年金の被保険者である
- 被保険者は第1号(自営業等)・第2号(会社員等)・第3号(専業主婦等)の3種類に分かれ、それぞれ保険料の負担方法が異なる
- 配偶者が第1号被保険者の場合、専業主婦・主夫であっても第3号にはなれない点に注意
- 被保険者区分によって老後の年金額の構造が異なるため、iDeCo・NISAの向き不向きも変わる
- 給付の詳細・金額は関連記事を参照
国民年金は、老後設計の中心的な収入の柱です。
仕組みを押さえておくことで、老後資金の準備、働き方の選択、家計設計が始められます。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の年金額・受給資格を保証するものではありません。正確な内容はねんきんネットまたは年金事務所にご確認ください。

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