高額な医療費を支払った月は高額療養費制度が利用できる?高額療養費制度とは?

社会保険

健康保険に加入してる人が病院で治療を受けると窓口での負担が一部で済みます。

これは健康保険に加入してるので病院での自己負担が一定額に抑えられるからです。

このように健康保険の被保険者は、病気になった時に備えて健康保険に加入しています。日本は国民皆保険制なので、国内に住む人は何らかの医療保険(健康保険、後期高齢者医療、国民健康保険など)に強制加入していることになります。

 

健康保険では、一つの月に被保険者や被扶養者が払った一部負担金(治療費等)の自己負担が高額になった時は、負担軽減が受けられることがあります。

いわゆる高額療養費制度といわれるものです。

この高額医療費制度を知っておくと無駄な保険に加入しなくて済むことになり、むしろ知らないと損することになります。

高額療養費制度とは

上述したように健康保険では、同一の月に被保険者や被扶養者の払った治療費等の自己負担額が高額(健康保険法では著しく高額という)になると、一定の自己負担限度額を超えた部分が支給(払い戻される)されます。

自己負担限度額は収入によって決まっており、その額を超えた場合に対象になります。

 

自己負担の上限を超えた場合に申請をして高額療養費として払い戻されるので、一時的に被保険者が負担することになります。

事前に高額になることが分かっているのであれば、限度額適用認定証を利用することで窓口での負担を減らせます。

高額療養費の支給要件

法律では療養給付、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、介護療養費、家族訪問看護療養費といった専門用語が並んでますが、病院で支払う医療費のことです。

高額療養費は、被保険者だけでなく、被扶養者(その人に養われてる家族)も対象です。

重要なのは医療費は同じ月で自己負担を見るということ(月単位)です。1年を合算するとかではありません。

また、自己負担の上限は被保険者の収入によって異なります。

現役並み所得者

年収の目安 上限額
約1,160万円~ 25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%(多数回該当14万100円)
約770万円~1160万円 16万7,400円+(医療費-55万8,000円)×1%(多数回該当9万3,000円)
約370万円~770万円 8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%(多数回該当4万4,400円)

上記の医療費は一部負担の額ではなく、10割の額をいいます。例えば、窓口で3割負担で3万円なら医療費は10万円といったようにです。

したがって年収が400万円の人なら、上の表からその月の医療費はだいたい9万円以下で済みます。

多数回該当とは、療養を受けた月までの1年間で高額療養費の支給を4回以上受けた場合です。400万円の人なら、その月の医療費は4万4,400円が上限となります。

一般

一般の人とは、年収が約156万円~370万円の人をいいます。

年収の目安 70歳未満 70歳以上(外来・個人ごと) 70歳以上(世帯全員)
約156万円~370万円 5万7,600円(多数回該当4万4,400円) 1万8,000円(年間上限14万4,000円) 5万7,600円(多数回該当4万4,400円)

低所得者(住民税非課税世帯)

低所得者とは住民税が非課税の世帯をいいます。

年収の目安 70歳未満 70歳以上(外来・個人ごと) 70歳以上(世帯全員)
住民税非課税世帯・年金収入80万円以下 3万5,400円(多数回該当2万4,600円) 8,000円 住民税非課税世帯2万4,600円
年金収入80万円以下1万5,000円

健康保険は強制加入が原則

健康保険は適用要件に該当したら強制加入が原則です。

それゆえ、これは生命保険を考える際の土台となる制度といえます。つまり、健康保険が強制加入であること及び高額療養費制度があることから、何かあった時の保障を全て健康保険で賄わなくてよいことになります。

健康保険制度が強制加入であること及び高額療養費制度があることを知らなければ、無駄な生命保険に加入することになります。

加えて健康保険だけでなく社会保険は原則として申請しなければ給付を受け取れないことを知っておくとよいでしょう。

同じ収入の人が、同じ治療を受けて同じ額の医療費がかかったのに、ある人は数万円の払い戻しが受けられて、別の人は1円も受け取れない、そう考えると恐ろしいですね。

おわりに

・健康保険は強制加入が原則

・会社員は健康保険組合または健康保険協会、自営業者は国民健康保険に加入する

・健康保険に加入してるから窓口での負担が一定額に抑えられている

・1か月の医療費が高額になった場合は高額療養費で払い戻しされる

・高額療養費は月単位で計算する

・1か月の医療費の上限は収入によって違う

・限度額適用認定証があれば窓口での負担を限度額までで済ませられる

・多数回該当だと上限額が引き下げられる

 

参考

厚生労働省 高額療養費を利用されるみなさまへ

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました