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労災保険(労働者災害補償保険)でよくある間違いや思い込み

投稿日:2018年5月6日 更新日:

労災保険(労働者災害補償保険)は、労働者が職場でケガや病気をした場合や、通勤途中に事故にあった場合に備える保険です。

労災保険は、政府管掌の保険であり、労働者が1人でもいる事業場は原則強制加入が義務付けられています。

しかし、実際には労災保険に詳しい人は少なく、間違いった思い込みも多いのが労災保険です。

労災保険は、アルバイトやパートにも適用されます

 先日、アルバイトで働いている人と話をする機会があったのですが、その人はアルバイトだと仕事中にケガをしても労災保険が適用されないからちゃんと就職したいと言っていました。

 

ときどき、こういった誤解をされている人を見かけるのですが、仕事中に起こったケガについては、アルバイトとや正社員と関係なく労災保険は適用されます

というより、そもそも労災保険に被保険者という概念がありません

 

労災保険法は、雇用保険法や健康保険法のように被保険者といった概念がなく、事業所単位で労災保険法の適用となりますので、その事業所で起きた労働災害については、労働者全員が労災保険の対象です。

また、外国の人であっても事業所が労災保険法の適用事業所であれば当然に労災保険の対象となります。

 

「アルバイトで働く人が上司にアルバイトは労災保険の対象外と言われた」といった話をよく聞きますが、勘違いなのか保険料を節約するためなのかは分かりませんが、こういった場合は未加入問題になり、保険関係成立前の業務災害について費用徴収や延滞金の対象となることもあります。

事業主や上司の人は注意しましょう。

 

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労災保険(労働者災害補償保険法)とはどんな法律か

労働者災害補償保険法(以下労災保険)は、労働者の業務中の災害について、事業主の責任をかわりに補償するための法律として制定されました。

現在は、業務上の事故だけでなく、通勤や一人親方などにも適用されることがあるよ

 

もとになった法律が「労働基準法」という法律ですが、労働基準法では立場の弱い労働者を守るために労働条件の最低基準を設けています。

労働基準法では、業務中にケガや死亡した場合には使用者は労働者に対して補償することも決められています。

 

しかし、実際に労働者がケガや死亡した場合に、会社にお金がなければ補償されない可能性があります。

そのため、労災保険法では、使用者から保険料を徴収しておいて、保険事故があった人に保険給付しています。

分かりやすくするために細かい部分を省略しています。実際はもっと細かいかも

 

建設現場では労災保険の扱いが違いますので注意

一般的な事業所であれば、事業所ごとに会社が保険料を支払います。

ところが、これが建設現場になると少しやり方が違います。

建設現場の労災保険は、元請け業者は保険料を支払いますが、下請け業者は保険料を支払いません

下請け業者は、労災保険料を負担しませんが、現場で事故が起きれば労災保険の適用対象となります。

下請けが起こした事故で元請けのイメージが損なわれたり、面倒な手続きが起こったり、労働基準監督官の調査が入ることから、元請けからの仕事がなくなることを恐れて下請け業者が「労災隠し」を行ってしまう例もあります。

ちなみに、労災隠しは違法だよ

 

労災保険の適用とならない人もいます

現場で働く人であっても、労災保険の対象外の人もいます。

 

例えば、労働者を雇っていない一人親方がそうです。一人親方は、労働基準法の労働者にはあたらないため、事故が起きても労災の対象となりません

一人親方でも、労災保険の「特別加入」制度に加入していれば、通勤を除いて労災保険の給付が受けられます。

 

その他、建設現場に出入りする人も対象とならないことがあります。

例えば、資材搬入のために出入りする業者は、元請けから見れば下請けにはあたりませんので、出入り業者の従業員は、自分の会社の労災保険から適用を受けることになります。

ガードマンも現場で仕事をしていますが、下請けの仕事ではないのでガードマンが事故にあった場合は、所属する会社の労災保険が適用になります。

 

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労災保険の知識がないと損することもあるかも

業務上の災害を補償するだけだった労災保険ですが、次第に内容が拡充されていき、通勤災害や二次健康診断などについても労災保険で補償することになりました。

通勤災害でも労災保険の対象になるんだ
そうなんです。若干の違いはありますが、業務災害と同水準の内容です。

あとは、労災保険は申請しないと受け取れません。また、労災保険には時効がありますので、期限を過ぎると受けられなくなることもあります。

 

労災保険の請求をめぐって事業主と労働者側の意見が異なって争いになるケースもあるので、不明な点は専門家をうまく使うのがいいと思います。

 

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