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雇用保険の求職者給付の受給資格

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雇用保険の求職者給付の内容

今回も前回の続きですが、今回は基本手当の受給資格と手続き等についてです。

 

基本手当には受給資格があるので、受給するためには要件を満たすことが必要です。

 

一般被保険者の受給資格

基本手当を受給するためには、規定されている要件を満たす必要があります。

基本手当は、被保険者が失業した場合において、原則として、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12箇月以上ないと支給されません。

ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者(※1)については、離職の日以前1年間に被保険者期間(※2)が通算して6箇月以上であれば受給資格要件を満たすことができます。

 

※1.特定受給資格者と特定理由離職者について

特定受給資格者とは、倒産や解雇等により、再就職の準備をする時間的余裕がなく離職した人をいいます。

特定理由離職者とは、特定受給資格者以外で契約期間が更新されなかったこと等、やむを得ない理由で離職した人をいいます。

 

 

※2.被保険者期間について

離職の日からさかのぼって1か月ごとに区切り、その1か月に賃金支払基礎日数が11日以上あれば被保険者期間1箇月として計算します。

賃金支払基礎日数は、有給休暇も1日として計算し、半日も1日となります。

賃金支払基礎日数は、日曜、休日を除いた月給制であればその期間の日数となり、日給制であれば働いた日数となります。

 

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基本手当を受けるための手続き

基本手当を受給する場合は、公共職業安定所に出頭して求職の申し込みをします。

受給資格の要件を満たす場合は、受給資格の決定がされ、失業の認定日も定められます。

失業の認定日は4週間に1回行われ、「離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日」について失業の認定がされます。

 

失業の認定日に、失業している日について認定を受ければ基本手当が支給されます。

また、失業は、ただの離職と違い、労働の意思と能力があるにもかかわらず、仕事に就けない状態をいいます。

そのため、失業の認定には、その期間に就職活動をしたかが求められます。求人に応募するだけでなく、資格の受験なども認められます。

 

待期期間と給付制限

事務作業

基本手当を受給するためには、離職した後に公共職業安定所で求職の申し込みが必要ですが、申し込みをしたらすぐに手当ての対象となるわけではありません。

支給の開始には、失業している日が通算して7日間が必要とされ、この7日は待期期間といわれます。

求職の申し込みをしても、待期が満了しなければ基本手当は支給されず、待期は手当の対象となりません。

 

また、自己都合の場合は、3か月の給付制限があります。

つまり、自己都合の人は、7日間の待期と3か月の給付制限が経過して初めて支給の開始となります。

 

賃金日額と基本手当日額

雇用保険では、基本手当の1日分は、賃金日額をもとに計算されます。

賃金日額は、算定対象期間に被保険者期間として計算された最後の6箇月間の賃金総額を180で割って計算します。

賃金日額 = 最後の6か月間の賃金総額 ÷ 180

 

また、賃金日額には、年齢による下限と上限が設定されています。

離職時の年齢 賃金日額の上限
29歳以下 13,630円
30~44歳 15,140円
45~59歳 16,670円
60~64歳 15,890円

 

賃金日額の下限は、2,500円

 

 

基本手当の額は、59歳以下は賃金日額の50~80%、60歳から64歳は45%~80%になります。

基本手当日額の上限

離職時の年齢 基本手当日額の上限
29歳以下 6,815円
30~44歳 7,570円
45~59歳 8,335円
60~64歳 7,150円

 

基本手当日額の下限は、2,000円

 

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所定給付日数

所定給付日数は、一般の被保険者、特定受給資格者・特定理由離職者、就職困難者かどうかでそれぞれ日数が異なります。

また、雇用保険の被保険者であった期間や年齢によっても違います。

 

ここでは、一般の被保険者の所定給付日数について紹介します。

被保険者であった期間が、1年以上10年未満であれば90日、10年以上20年未満であれば120日、20年以上であれば150日となります。

ここでいう被保険者であった期間とは、離職の日まで同一の事業主に雇用されていた期間をいい、その前の期間でも資格を喪失してから1年以内であれば通算できる場合があります。

 

被保険者であった期間 1年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
所定給付日数 90日 120日 150日

 

受給期間

受給資格者が基本手当の支給を受けることができる期間を受給期間といいます。

受給期間は、原則1年間となっています。

ただし、一定の人は申し出ることによって一定の期間加算されることがあります。

 

 

受給期間の延長ができる人

定年退職した人や妊娠等している人は、受給期間を延長できることがあります。

60歳以上の定年に達した人は、離職した日の翌日から2箇月以内に申出ることによって1年を限度に延長されます。

妊娠、出産、育児等の理由によって引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、職業に就くことができなくなった日の翌日から1箇月以内に申し出ることにより、4年を限度に当初の受給期間にその職業に就くことができない日数を加算した期間が受給期間となります。

 

 

延長給付

就職状況によっては就職が困難であったり、受給資格者の中には保護する必要のある人もいます。

こういった場合に一定の要件を満たせば、基本手当の支給期間が延長される措置が取られることがあります。

延長には、訓練延長給付、広域延長給付、全国延長給付、個別延長給付といったものがあり、一定の要件を満たした場合に対象となります。

 

 

給付制限期間

基本手当は、失業状態である場合に支給されますが、自己都合によって退職した場合は給付制限が行われます。

自己都合による場合は、待期期間が満了した後、3箇月以内の期間が不支給になります。

 

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基本手当以外

一般被保険者には、基本手当以外にも求職者給付はあります。

技能習得手当

技能習得手当には、受講手当と通所手当とがあります。

 

受講手当

受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受け、基本手当の支給の対象となる日を対象として40日分を限度として支給されます。

受講手当の支給額は、1日500円です。

 

通所手当

通所手当は、受給資格者が公共職業訓練等を行う施設へ通うための交通費をいいます。

通所手当は、片道2km以上の場合に支給されます。

支給額は、交通機関の利用者であれば42,500円を限度とする運賃相当額とされています。

自動車等の利用者は、地域及び距離に応じて3,690円、5,850円、8,010円のいずれかが月額として支給されます。

 

寄宿手当

寄宿手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、その人によって生計を維持されている同居の親族と別居する場合に支給されます。

支給額は月額10,700円ですが、親族と別居して寄宿していない日があればその分が減額されます。

また、公共職業訓練等を受ける前の期間及び終了した後の期間については寄宿しても支給されません。

 

傷病手当

基本手当は、失業している場合が対象となります。

失業は、労働の意思及び能力を有しているにもかかわらず、職業に就くことができない状態をいうので、傷病によって労働の能力を欠いている場合は基本手当が支給されないことになります。

こういった場合には、基本手当ではなく傷病手当が支給されることになります。

ただ、傷病手当の支給は、疾病又は負傷が求職の申し込みをした後のものである必要があります。

 

傷病手当の支給対象日

傷病手当は、受給資格者が基本手当の受給期間内に、疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができない場合に支給されます。

ただし、次の日は対象にならず除外されます。

  • 待期期間の日
  • 給付制限期間の日
  • 健康保険法の傷病手当、労働基準法の休業補償、労災保険法の休業補償給付又は休業給付を受けることができる日

 

傷病手当は、傷病の認定を受けた日分を、当該職業に就くことができない理由がやんだ後最初に基本手当を支給すべき日に支給されます。

傷病の認定を受けようとする人は、職業に就くことができない理由がやんだ後の最初の支給日までに、傷病手当支給申請書に受給資格者証を添えて提出します。

支給額は、基本手当の日額と同じ額となります。

 

まとめ

雇用保険は、失業した場合に頼りになる社会保障ですが、誤解されていることも多いです。

基本手当を受けられる場合であっても期間内に申出をしなければ受け取れませんので、注意が必要です。

 

いろいろと複雑なので、実際に申し出をする際は、公共職業安定所や専門家に相談したり、問い合わせてみてください。




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