社会保険

アルバイトやパートにも適用される労災保険

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アルバイトやパートといった正社員以外の労働者には、労災保険(労働者災害補償保険)の適用はないのでしょうか?

労災保険は、雇用形態に関係なく就業中に起こった事故を社会保険で補償するという制度です。

 

意外と誤解が多いですが、アルバイトやパートといった雇用形態であっても、業務中に起きたケガは労災保険の対象になります。

また、就業中に起こるケガは非正規と正規社員と関係ないので、保険の適用要件も補償内容も正規かそうでないかで差はありません。

 

働いている人の中にも、アルバイトやパートは被保険者ではないから労災で保障されない……と勘違いしている人は少なくありません。

しかし、労災保険には雇用保険や厚生年金のような被保険者というものがなく、アルバイトやパートだけでなく、外国人であっても当然に労災保険の対象になります。

原則として働く人は労災保険(労働者災害補償保険)の対象

労災保険では、労働者災害補償保険法という法律に基づいて、業務中と通勤中に起きた災害について、労働者や遺族に保険給付を行います。

労災保険には雇用保険や健康保険といった被保険者がなく、加入は事業所単位で行われます。

事業所単位で保険に加入するので、そこで働く労働者であれば労災保険の対象になります。

もし仮にその日に入社した労働者が、働き始めて10分後にケガをしたとしても、業務が原因のケガや病気であれば労災の対象になります。

 

ちなみに業務中の事故が原因のケガは労災保険で保障されることから、健康保険の対象にならないとされています。

つまり、労災保険の対象にならない病気やケガが健康保険で扱われるということです。

 

業務・通勤が原因のケガ・病気 → 労災保険
業務・通勤以外が原因のケガ・病気 → 健康保険

 

また、業務中の事故は、労働基準監督署に報告するルールとなっており、報告をしない場合は、いわゆる「労災隠し」といわれる会社の犯罪になります。

労災隠しは、手続きが面倒とか、親会社に迷惑をかけたくないとか、労災保険に未加入といった理由で行われているようです。

 

私も学生時代に建設現場で働いた経験がありますが、同い年の同僚がケガをして、同僚と一緒に会社に呼び出されて他言しないよう説得されました。労災隠しを目の前で見たわけです。

 

労災保険の概要について

先日、フリーターとして働いている人と話す機会があったのですが、その人はアルバイトだから、仕事中にケガをしても労災保険が適用されないと不満を言ってました。

業務の遂行途中に起こったケガについては、アルバイトやパートといった雇用形態に関係なく保障されるというのが労災保険です。

こういった誤解をしてると、実際にケガをしたときに泣き寝入りしてしまうかもしれませんから、働く人は誰でも労災の対象になる(不法就労者も除外されてない)と覚えておきましょう。

 

法律なんて面白いものではないので、興味をもてないでしょうが、法律を知ってると自分の身が守られることもあります。

 

ここで労災保険(労働者災害補償保険法)の概要についてまとめておきましょう。

 

労災保険の歴史は、労働者の業務中に起こるケガや病気について、事業主の責任を担保することを目的として制定されたといわれています。

建設現場のようにケガがつきものの職種は多いですが、労働者がケガをしたり死亡してしまうと収入がなくなり、労働者や遺族は生活をしていけなくなります。

そのため業務中の事故については、事業者は労働者の収入を補償しなければならないと労働基準法に規定されています。

 

労働基準法というのは、労働条件の最低限の基準を定めた法律になります。

一般的に労働者は使用者と比べると立場が弱いので、労働基準法により労働条件に最低基準を設けて労働者を保護しています。

 

とはいえ、法律で使用者は労働者に補償しなければならないと決められていても、使用者にお金がなければ補償されないかもしれません。

そいういった理由で、労災保険では保険の原理を利用して使用者から保険料を徴収し、保険事故があった人に給付しています。

ちなみに使用者の責任(災害補償責任)では、業務中に起きた事故については無過失責任をとっています。

無過失責任とは、会社に故意(わざと)・過失(うっかり)がなくても賠償責任を負うというものです。

本人(労働者)に過失があっても、広く労災で補償することで労働者は守られるというわけです。

 

労災保険の給付内容を詳しく説明するとかなりの量になるので詳細は触れませんが、障害補償や療養補償といったものがあり、給付は災害の程度に応じて一時金や年金で支給されます。

労災保険で保険給付が認められると、病院の治療が受けられたり、程度によっては年金が支給されたり、障害が残る場合は本人に年金や一時金が、死亡の場合は遺族に年金や一時金が支給されます。

 

おわりに

フリーターの人から聞いたのですが、その人がケガをして会社の上司に相談すると、アルバイトはダメと言われたそうです。

知識不足によるものなのか、労災隠しを目的とするのか不明ですが、労災保険は原則すべての労働者が対象ということを知っていればだまされることはありません。

 

業務中のケガや病気が労災保険の対象となることを知っている人は多いですが、通勤中の災害が労災の対象になることを知らない人は結構多いです。

今でこそ通勤災害も労災保険で保障されてますが、最初の頃は通勤災害はなかったそうです。

1947年の労災保険法の制定から何度か法律が改正され、業務災害だけでなく、通勤災害、二次健康診断、社会復帰の促進も図られるようになりました。

 

労災保険法は、労働者にとって最も身近な法律の一つですが、内容については知られていません。

詳しい給付内容や法律について知る必要はありませんが、最低限のことを知っておくと役立つことも多いです。

  • この記事を書いた人

たくあん(ネトゲ)

横浜で不動産仲介業ファイナンシャルプランナーをしています。

 

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