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金利上昇が心配……どうする?住宅ローン利用者への現実的アドバイス

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金利上昇のニュースを見て、特に不安を感じたのは変動金利の住宅ローンを借りている人かもしれません。

住宅ローンの金利はたった0.1%の上昇でも、総額100万円以上の負担増も珍しくありません。ましてや金利の上昇が続けば総額で300万、500万円増える可能性だってあります。

 

住宅ローンは一般的に借入額が高額なので、家計全般に与える影響は大きいです。

だからといって今すぐ固定金利に借り換えるのが正解かというと、必ずしもそうとはいいきれません。

将来的な金利動向は誰にも正確は読めませんし、もし、今後上昇するとしても、どこまで上昇するか不明だからです。

また、変動金利と固定金利の金利の仕組みが違うことも、住宅ローンがわかりにくいと感じられる一因になっています。

各金利の決まり方と金利上昇がもたらす影響

変動金利と固定金利では、一般的に変動金利の方がリスクがあるので金利が低く設定されています。

 

変動金利は、半年に一度金利の見直しが行われ、金利の変動に応じて返済額が増減します。

また、変動金利には5年ルール、1.25倍以内ルールというものがあります。

 

変動金利の特徴

  • 5年ルール → 5年ごとに返済金額が見直される(その間も金利は増減する)
  • 1.25倍ルール → 金利が上昇しても返済額は1.25倍までに抑えられる(大幅な金利上昇で未払リスク)
  • 金利 → 変動幅に上限なし→上昇すると元金(借金)が減りにくくなる

 

一方、固定金利は金利が固定されるので、市場金利の増減に関わらず返済額が変わりません。

 

固定金利の特徴

  • 金利が高い → 総返済額が多くなる
  • 返済額が固定 → 借入れ期間中の金利変動の影響なし 
  • 家計の管理・ライフプランが立てやすい

 

一定期間だけ金利が固定する固定期間選択型もあります。

 

固定期間選択型の特徴

  • 一定期間の金利が固定される→固定期間中は金利が変わらない
  • 固定期間が長いほど金利が高い
  • 一定期間が終わる→再び金利を選択or自動的に変動金利

 

 

変動金利は、短期プライムレートと連動します。

短期プライムレートとは、金融機関が信用力や格付けの高い企業に1年以下の貸し出しをする際の基準となる金利です。

一方、固定金利は新発10年物国債の利回りが指標とされます。

 

過去30年の日本はデフレ経済だったので、変動金利が有利でした。

しかし、金利上昇が続けば、最も不安を感じるのは変動金利で住宅ローンを借りている人に違いないでしょう。

 

金利上昇がもたらす影響

  • 変動金利の上昇→住宅ローン返済額の増加
  • 借り入れコストの上昇 → 固定金利の新規借入時の金利も増加
  • 返済額が増える → 他の家計にも影響→趣味・旅行・食費の削減

 

金利上昇が大幅に上がる不安がある場合の対処法

今後、変動金利が大幅に上昇すると予想する人におすすめな方法

→金利上昇リスクを減らすこと

 

●固定金利型に借り換え

予想よりも早く固定金利は上昇するといわれているので、遅くなると借り換えのチャンスを逃すなんてことも考えられます。

借り換えには諸費用もかかりますが、将来の大幅な金利上昇リスクに備えられます。

固定金利への借り換えは適用金利が上がるので、返済額が増加することになります。

  • 金利が上昇し続けることに不安を感じる→固定金利への借り換え

 

●固定金利で借りたと仮定して差額を積み立てて備える

フラット35で借りたと仮定して、差額を積立投資することで金利上昇をカバーする方法もあります。

  • 今のフラット35の金利(固定)で借り換えた場合→毎月165,000円
  • 今の金利(変動)による返済額→135,000円
  • 差額の30,000円を積立投資に回して様子を見る
  • 金利が上昇→ローンに充てる
  • 金利が横ばい・下落→老後資金に充てるなどできる

 

●繰り上げ返済

繰上げ返済というのは、毎月の住宅ローンとは別の余った資金をローンの返済に充てることで、その分の利息をなくすことです。

100万円を繰り上げ返済→100万円について将来発生するはずだった利息が発生しない→総返済額を抑えられる

デメリット→余裕資金が必要

 

変動金利から固定金利に借り換える前には確認が必須

金利上昇のニュースで固定金利に興味を持つ人が増えました。

もし、今後も金利が上昇し続けると思うのであれば、固定金利への借り換えも選択肢に入ります。

しかし、変動金利と固定金利とでは金利の基準が異なるので、必ずしも変動金利が上昇していないことがあります。

まずは、現在の固定金利と変動金利について再確認することが大事です。

 

変動金利が上昇し続けたとしても、今の固定金利ほど上昇しないことも可能性としてあります。

少なくとも今借り換えた場合の住宅ローン返済額がいくらになるか等、いくつかシミュレーションして比較検討することが大切です。

 

また、住宅ローン利用者の条件も再確認しておきます。

住宅ローンを借り入れる際の適用金利は店頭金利と異なるため、個別具体的な適用金利をもとにシミュレーションする必要があるからです。

 

5,000万円の残債が残り31年ある人の例

●変動金利から固定金利2%にした場合

  • 毎月の住宅ローン返済額→180,462円
  • 総返済額→6,730万円

 

●このまま変動金利0.8%のままの場合

シミュレーション:5年後に1.8%→5年後に2.8%

現在0.8%(5年間)→1.8%に上昇(5年間)→2.8%に上昇(残り21年間)

毎月の返済額→151,808円→171,673円→189,126円

総返済額→6,707万円

 

変動金利の方が有利

 

今すぐできる家計の見直しとリスクの把握

・固定費を洗い出す(保険料、スマホ代など)

・金利上昇分を資産形成・運用で備える

・預金だけだとインフレに対応できない

・毎月の返済額が上昇した場合のシミュレーションをする

・借り換え・繰り上げ返済の検討

 

まとめ

・金利上昇は恐れるだけでなく、きっかけとして捉える

・金利が上昇しても必ずしも固定金利が有利とは限らない

・今の金利と固定金利の返済額を比較する

・今の条件を確認して比較検討する

・固定金利への借り換えは金利が高くなる

・積立投資を活用してリスクに備える

・今後の金利の先行きについて考えを持つことが大事

・繰り上げ返済は金利が低いと効果が少ない

・金利が上昇して変動金利の金利が固定金利を上回っても、タイミングによっては変動金利が有利なことがある

 




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横浜市にある不動産会社ライフプランです。

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