不動産業界に関連する資格としてトリプルクラウン(三冠資格)というものがあります。
トリプルクラウンは不動産業界で活躍できるとされる資格をいい、宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士の3つを指します。
いずれの資格も国家資格であり、合格率も低く設定されています(10~20%)。特にマンション管理士にいたっては難関といわれるCFPよりも難しいです(合格に関しては)。
宅地建物取引士以外の知名度はいまいちですが、どの資格も不動産業界に就職するなら効果を発揮します。
不動産取引で必須の宅地建物取引士
宅地建物取引士は不動産の取引では必須の資格です。
知名度が高く、不動産業界以外からも毎年多くの人が受験する人気の国家資格です。
不動産業界において非常に重要な資格であり、この資格がないと仕事にならないレベルなので、不動産業界への就職、転職を考えてる人は早いうちに取得することをおすすめします。
宅地建物取引士の主な業務には以下のものがあります。
- 重要事項の説明
- 重要事項説明の記名
- 37条書面(契約書)の記名
上記の業務は宅地建物取引士だけの独占業務なので、宅地建物取引士の資格がないと重要事項説明の時に別の人に業務を頼むことになります。
また、事務所ごとに5人に1人の宅地建物取引士がいなければいけないという設置義務があるので、不動産業界では非常に需要の高い資格といえます。
宅地建物取引士は法律も学習するので、他の法律系資格のステップアップにもなります。また、自分が不動産を購入する時にも役立ちます。
宅地建物取引士の資格は知名度が高いので、不動産業界以外の転職でも威力を発揮します。
不動産の取引では、重要事項説明の時だけ事務員さんに代わったり、上司に代わったりするのはよく見る光景ですが、お客さんから「誰なんだよ」と不審に思われてるかもしれません。そうならないためにも、また、自信をもって業務にあたるためにも早めに宅地建物取引士の資格を取得しましょう。
社会人にはすき間時間で学習できる講座がおすすめです。
マンション管理に必須の管理業務主任者
管理業務主任者はマンションを管理するための資格なので、ただの不動産業者だと管理業務主任者の資格はいまいち活用の場がありません。
しかし、マンション管理業者では力を発揮します。
マンションは不特定多数の所有者が一つの建物を所有しますが、マンションの管理・運営は素人なので、一般的に管理業者に管理を任せます。
管理業者には、30組合に1人以上の管理業務主任者が必要とされてるので、マンション管理業界では一定の需要があります。
また、管理業務主任者には宅地建物取引士のように独占業務があります。
- 重要事項説明
- 重要事項説明の記名
- 管理受託契約書の記名
管理業務主任者は独立向きの資格ではありませんが、マンション管理の業界では需要の高い資格です。
不動産会社でもマンションを扱うので、マンションの運営管理について知識がある管理業務主任者は重宝されます。
マンションの管理運営についてアドバイスできるマンション管理士
マンションは不特定多数の人で共同して住むのでトラブルが多いとされますが、マンションのトラブルを解決へと導くコンサルタントがマンション管理士です。
管理業務主任者とマンション管理士は、どちらもマンションに関する資格なので似てますが、管理業務主任者が管理組合の運営事務を行うのに対して、マンション管理士は専門的な知識をもとに管理組合にアドバイスします。
知識において管理業務主任者の上位資格にあたるのがマンション管理士です。
宅地建物取引士と管理業務主任者には独占業務がありましたが、マンション管理士には独占業務がありません。
しかし、マンション管理士には、以下のような知識が備わっています。
- マンション管理に関する法律および法令
- 管理組合の運営に関する全般の知識
- マンションの建物や設備に関する基本的な知識
- 管理業務の実務に関する知識
不動産会社とは直接関わることは少ないかもしれませんが、マンション管理士であれば、お客さんからマンションについて相談された時に適切な回答ができます。
マンションに関する知識がないためにトラブルに発展する営業を見てきたので、不動産会社の社員にも大いに役立つ資格だと思います。
管理業務主任者とマンション管理士はどちらもマンションに関する資格なので、まとめて取得することをおすすめします。
資格の難易度比較
トリプルクラウンの資格の難易度について一般的には以下のように言われてます。
宅地建物取引士 | 管理業務主任者 | マンション管理士 | |
合格率 | 15~18% | 18~24% | 8~13% |
難易度 | 普通 | 普通 | 難しい |
勉強時間 | 300時間 | 250時間 | 500時間 |
ちなみに私は宅地建物取引士は2ヶ月の間、過去問をひたすら繰り返したら合格できました。
管理業務主任者は、宅地建物取引士の知識があったので150時間で合格しました。
マンション管理士は、1年目と2年目は1点足りず不合格、3年目は1ヶ月咳が止まらず断念、4年目にようやく合格したので、1000時間くらい勉強しました。
おわりに
・宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士の3つをトリプルクラウン(三冠資格)という
・トリプルクラウンは、いずれも国家資格
・宅地建物取引士は不動産取引において必須の資格
・管理業務主任者はマンション管理業務において必須の資格
・マンション管理士はマンションの管理運営についてアドバイスする資格
・合格率は10~20%と比較的難易度が高い