賃貸併用住宅とは?家賃収入でローン負担を軽減する仕組みとメリット・デメリット

ファイナンシャルプランナー

マイホームを購入するとき、住宅ローンの返済負担に不安を感じる人は多いのではないでしょうか。

その不安を軽減する選択肢の一つが「賃貸併用住宅」です。自宅の一部を賃貸に出し、そこから得られる家賃収入をローンの返済に充てるという仕組みです。

この記事では、賃貸併用住宅の仕組みとメリット・デメリット、向いている人について解説します。

 

この記事から分かること

  • 賃貸併用住宅とは何か、一戸建て型と二世帯住宅型の違い
  • 家賃収入でローン負担を軽減できる仕組みと、住宅ローンを使うための条件
  • プライバシーや空室リスクなど、始める前に知っておきたい注意点

 

賃貸併用住宅とは?

賃貸併用住宅とは、1棟の建物の中に、自分たちが住む「自宅部分」と、他人に貸し出す「賃貸部分」を併せ持つ住宅のことです。

 

代表的なパターンには、次のようなものがあります。

  • 一戸建て型……1階を賃貸部分、2〜3階を自宅部分にするなど、フロアで分けるタイプ
  • 二世帯住宅型……もともと二世帯住宅として設計した建物のうち、片方の世帯部分を賃貸に出すタイプ

 

二世帯住宅は「親世帯・子世帯が同居する」ことを前提に設計されるのに対し、賃貸併用住宅は最初から「他人に貸す」ことを前提に間取りや設備、玄関の分け方などを設計する点が異なります。

二世帯住宅を賃貸併用住宅として運用するケースもありますが、その場合は防音性能や独立した水回り・玄関の有無など、賃貸として貸し出すのに適した仕様になっているかを確認する必要があります。

 

賃貸併用住宅のメリット

家賃収入でローン負担を軽減できる

賃貸部分から得られる家賃収入を住宅ローンの返済に充てられるのが最大のメリットです。

家賃収入の分だけ、実質的な自己負担を抑えながら家を持てる可能性があります。

 

住宅ローンを使える可能性がある

賃貸併用住宅は、通常の賃貸アパートを建てる場合に使う「アパートローン(不動産投資ローン)」よりも金利が低く、返済期間も長く設定できる「住宅ローン」を利用できる可能性があります。

ただし後述するとおり、一定の条件を満たす必要があります。

 

将来的な資産活用がしやすい

子どもの独立や親との同居の終了など、ライフステージが変化したときに、賃貸部分を自宅として使ったり、逆に自宅部分を賃貸に回したりと、建物の使い方を柔軟に変えられる点も魅力です。

 

不動産所得として経費計上できる部分がある

賃貸部分から得た家賃収入は不動産所得として、建物の減価償却費やローン利息、修繕費、管理費などのうち賃貸部分に対応する分を必要経費として計上できます。

確定申告が必要になりますが、税務上のメリットが生まれる可能性があります。

 

賃貸併用住宅のデメリット・注意点

プライバシーの問題

自宅と賃貸部分が同じ建物にあるため、入居者との生活音や生活時間帯の違いがストレスになることがあります。

大家の目線や生活動線と被ることで、「常に行動を見られている気がする」「友人や恋人を呼びづらい」と感じる入居者は多く、避けられる傾向にあります。

玄関や水回りを分けるなど、設計段階での配慮が重要です。

 

空室リスク・収益の不安定さ

賃貸部分が空室になれば、想定していた家賃収入が入らず、ローンの返済を自己資金でカバーする必要が出てきます。

立地選びや賃貸需要の見極めが重要です。

 

住宅ローンを使うには条件がある

住宅ローンを利用するには、建物の延べ床面積のうち自宅部分が50%以上であることが、多くの金融機関で共通する条件です。

この条件を満たさない場合は、住宅ローンではなくアパートローンなどの事業用ローンを検討する必要があります。

 

また、フラット35は賃貸併用住宅全体には利用できません。

自宅部分のみフラット35を利用し、残りの賃貸部分は別のローン(アパートローン等)を組む必要があり、借入を分けることで金利負担が結果的に高くなることもあります。

フラット35以外の民間住宅ローン(メガバンクや地方銀行、信用金庫等)であれば、条件を満たせば賃貸併用住宅全体を1本のローンでまかなえる場合があります。

 

住宅ローン控除を利用する場合も、「床面積の2分の1以上が自己の居住用であること」という要件があるため、自宅部分が50%以上という条件と合わせて確認しておく必要があります。

 

賃貸併用住宅に向いている人・ライフスタイル

  • 将来的に賃貸経営も視野に入れている人(賃貸併用住宅は不動産投資の入り口としても活用できます)
  • 家族と暮らしながら副収入を得たい人
  • 親世帯・子世帯のどちらかが将来的に建物を出ていく可能性があり、その部分を賃貸に転用したいと考えている人
  • 立地に賃貸需要が見込め、空室リスクをある程度許容できる人

 

まとめ

賃貸併用住宅は、自宅の一部を賃貸に出すことで、家賃収入をローン返済に充てられる住まい方です。

うまく活用できれば、実質的な住居費を抑えながらマイホームを持つことができます。

 

一方で、住宅ローンを使うには自宅部分の床面積が50%以上である必要があり、フラット35は建物全体には使えないなど、通常の住宅購入とは異なる制約もあります。

プライバシーや空室リスクといった賃貸経営特有の課題もあるため、間取りの工夫や立地の見極めが重要になります。

 

住宅ローンの条件や資金計画は個別性が高いため、検討する際は金融機関やファイナンシャルプランナーに事前に相談することをおすすめします。

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