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「住宅ローンシミュレーション」住宅ローンの借入可能額の目安

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住宅ローン借入可能額

住宅ローンについてファイナンシャルプランナーに相談すると、必ずといっていいほど「借入可能額」と「返済可能額」を分けて考えるように言われるはずです。

 

返済可能額については何度か紹介してるので、今回は借入可能額についてまとめてみようと思います。

注意:この記事は2019年11月に書いたものを修正したので、金利が現在と違います。

住宅ローンの借入可能額とは

住宅ローンの借入可能額とは、金融機関がその人に対して、いくらまでなら住宅ローンを貸してくれるかという目安をいいます。

 

実際にいくら貸してくれるかは、審査を通してみなければ分かりません。

また、仮審査がOKだったのに、本審査でだめだったということもあります。

審査基準自体が開示されてないので、あくまでも過去の例をもとに判断するしかありません。

借入審査から本審査までの間に車を購入したり、転職するなど、その人の状況が変わった場合に落ちやすいようです。

 

借入可能額を知る方法

住宅ローンは、年収によって返済負担率の上限が決まっています。

返済負担率とは、その人の年収に対する年間の住宅ローン総額のことをいいます。

返済負担率の例

例 年収600万円 年間のローン返済額・月15万円×12月=180万円

180万円÷600万円=30%

 

ほとんどの金融機関では、400万円を境に返済負担率が決まっていますが、金融機関により違うこともあります。

ある金融機関の返済負担率の上限

400万円以上 35%
300万円以上400万円未満 30%
300万円未満 25%

 

借入可能額を計算するときは、現在の金利とは別の審査金利を用いて計算するのが一般的です。

現在の住宅ローンの店頭金利は、都市銀行で2.475%というのが多いようですが、審査金利ではもっと高い金利を使います。

 

ある都市銀行の審査金利

4%

 

金利が上昇した場合に備えて少し高めの金利を用いているようです。

 

フラット35の場合は適用金利が審査金利になります。

2019年11月 1.43%

 

都市銀行とフラット35では、審査金利が違うため、同じ年収の人でも借入可能額が違うことはあります。

 

以上のことを条件にして借入可能額の計算をしています。

 

住宅ローンの借入可能額の目安一覧

都市銀行 審査金利4%の場合

年収額 400万円 500万円 600万円 700万円 800万円 900万円
借入可能額 2635万円 3294万円 3952万円 4610万円 5270万円 5925万円

 

フラット35 審査金利1.43%の場合

年収額 400万円 500万円 600万円 700万円 800万円 900万円
借入可能額 3850万円 4810万円 5780万円 6740万円 7700万円 8000万円

フラット35の場合は、借入額の上限が8000万円までとなっています。

 

全て電卓を用いて手入力で計算しましたが、あくまでも概算です。

 

借入可能額を増やすには

借入可能額を増やす方法に、収入合算というものがあります。

収入合算というのは、夫婦二人が働いて収入がある場合に、合算した収入をもって借入額の計算の基礎とするものです。

 

一人だけでは400万円でも、二人合わせたら800万円になるのであれば、借入可能額を倍に増やすことが可能です。

ただし、金融機関によって評価の対象が半分になったり、1/3になるなど、基準が違うことがあるので確認が必要です。

 

 

それと、住宅ローン以外に借り入れがある人は、その借り入れ額が考慮されるので、一般的には満額を借り入れるのは難しくなります。

また、消費者金融などに借り入れがある場合は、マイナスの評価となる可能性が高く、先に返すよういわれることもあります。

 

借入可能額が返済していける額とは限らない

冒頭でも言いましたが、借入可能額はあくまでも借りられる金額であって、返済していける金額とは違います。

 

借入可能額を求める方法には、ライフプランを立てる、返済負担率の一定額までにおさえる(20%とか25%)、年収の何倍までにおさえる(5倍とか6倍)といった方法があります。

ただ、その場合であっても、住宅ローンに充てることができる金額は各家庭で違います。

ライフプランに影響する項目

1.住宅ローンおよび不動産の購入に関すること

2.子供の数や進学

3.車の保有の有無

4.親の介護

5.保険の加入状況

6.年金の履歴と加入状況

など、これらはあくまでも一例です。

 

借入可能額の計算では、あくまでも年収を基にして審査金利で算出するだけなので、家庭の状況は一切考慮されていません。

 

また、年収からは社会保険料や税金が控除されるので、全ての金額を使えるわけではありません。

 

借入可能額を住宅ローンの適正額と勘違いしてしまうと、状況が一変すれば住宅ローンが重荷になる可能性があります。

住宅ローンの返済が負担となり、学資保険を解約してローンに充てたという例もあります。

 

不動産業者は、借入可能額で計算した額をもとに物件を紹介してくるかもしれませんが、「借入可能額は返済可能額とは違う」ということを知っていれば対処できます。

 

住宅ローンの借入可能額についてのまとめ

まとめ

・借入可能額は、年収と負担率をもとに、審査金利を用いて求められる

・審査金利では、高めの金利が用いられている。

・借入可能額は、あくまでも金融機関が貸してくれる金額。

・住宅ローンの借入は、返せる金額で借りるようにする。

 

住宅ローンの借入可能額は年収をもとにして計算しますが、年収からは社会保険料や税金が徴収されるので、手取り金額は年収と違った数値になります。

 

年収600万円の人であれば、所得税および住民税、社会保険料がかかりますので、大体450万円くらいが手取りとなるのではないでしょうか。

 

例えば、年収600万円の人がフラット35の借入可能額で借りたとします。

年収600万円の人の借入可能額は、審査金利1.43%で5780万円でした。

5780万円を金利1.43%で35年のあいだ借りたとすると、月々のローン返済額は17万5千円になります。

1年では210万円を返済してることになり、これを手取り額で割ると約47%になります。

 

47%ということは、自由に使える金額の約半分は住宅ローンで使っていることになります。

手取り額からは、食費や子供の教育費、老後資金の積立といったものもかかるので、かなりの負担といえるのではないでしょうか。

 

ローンや金利について勉強した人であれば、フラット35の審査金利で満額を借り入れるのは現実的でないと思うかもしれません。

ところが実際には起こっていることです。

  • この記事を書いた人

廃人からニート

横浜で不動産仲介業ファイナンシャルプランナーをしています。 住宅ローンが老後に与える影響は大きいです。 資産があるのにお金がないとは? いくらのローンなら返済していける? 年金について知らずに家を購入するのは無謀? 不動産だけでなく、ライフプランの相談にも対応してます。 担当ジャンル:雑記、不動産、ライフスタイル 資格:宅建士、管業、簿記1級、1級FP、社労士、1種証券、住宅ローンアドバイザー 有酸素運動と予備試験始めました

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