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住宅ローンの金利、変動金利と固定金利のどちらがいいか?

投稿日:2018年5月7日 更新日:

 住宅ローンを選択する際に悩むのが「変動金利」にするか、「固定金利」にするかではないでしょうか。

「総返済額で損をしたくない」、「返済額が多少多くても無理がない返済をしたい」と返済額を重視する人がいれば、「ローンの審査が通ればいい」という人まで様々です。

そこで、今回は住宅ローンの金利を選択するうえでのポイントを話します。

住宅ローンの変動金利と固定金利のそれぞれの特徴

住宅ローンの金利のタイプには、「変動金利」、「全期間固定金利」、「固定期間選択」の3タイプがあります。

変動金利は、その名の通り金利が変動する金利です。

全期間固定金利と固定期間選択型の対象期間については、金利が固定されるので毎月のローン返済額は変わりません

ここではそれぞれのタイプの特徴をまとめてみました。

変動金利は金利が低いがリスクがある

変動金利は、4月と10月に金利水準が見直されるため、今後の経済状況によっては急激な金利上昇もあり得ます。

変動金利には金利の変動するリスクがありますが、同時期なら3つの金利の中で一番低い金利になります。

 

また、金利が上昇した場合も、返済額の見直しについては5年間変わらないのが一般的で、5年毎の変更の際も1.25倍までといった上限もあります。

ただ、金利上昇が起きる場合には注意が必要です。

金利が上昇した場合でもローン返済額は5年の間変わりませんが、その間も上昇した金利が適用されているので、下手をすると利息ばかり支払って借金が減らないこともありえます。

特に急激な金利上昇が起きた場合に、利息の支払い額が毎月の返済額を上回ってしまうと、お金を支払ってるはずなのに借金がどんどん増えるといった現象が起こります(未払い利息の問題)。

 

全期間固定金利は最後まで返済額が変わりません

全期間固定金利は、主に住宅金融支援機構で扱っています。

全期間固定金利といった場合に、多くの人が想像するのが「フラット35」だとおもいますが、金融機関独自の全期間固定金利の商品もあります。

全期間固定金利は、同時期なら3つの中で一番高い金利です。

しかし、全期間固定金利なので、ローンの返済額が変動するリスクがなくなります

また、毎月のローン返済額が一定になるので、ライフプランを立てやすくなります

金利が上昇する前に全期間固定金利で借りれば、変動金利を下回る金利が適用されることもあります。

 

変動金利と全期間固定金利の中間タイプが固定期間選択

固定期間選択を選んだ場合は、金利が一定期間だけ固定されます。

固定期間については、2年、3年、5年、10年、20年と様々です。

固定期間3年であれば、3年間の金利が固定されます。

固定期間経過後は、再び固定期間選択にするか変動金利にするかを選択します。そのときの適用金利は、再び選択したときの金利水準によります。

固定期間選択は、変動金利と全期間固定金利の中間タイプです。

金利の見直しが長めの変動金利といったところでしょうか。

金利の低下により、変動金利から全期間固定、固定期間選択に選択する人が増加している

フラット35の金利低下を受けて、住宅ローンのタイプを変動金利から固定金利へ乗り換えてる人が増加傾向にあります。

事前に固定金利にしておけば、将来的に金利が上昇した場合でも低金利を享受できるので有利です。

5年程前は、フラット35の金利は2%の水準でした。変動金利は実質金利が0.8%程度だったので、固定金利と変動金利の差は1.2%です。

4,000万円を2%で借りた場合は、月々のローン返済額は132,505円です。

0.8%だとローン返済額は109,224円なので、2万3千円の差です。

 

では、現在の金利はどうでしょう。

フラット35の金利は、現在1.35%の水準まで低下しています。変動金利も低下していますが元々低金利だったので大手金融機関でも0.6%といったところです。

上記と同様に4,000万円を借りた場合は、1.35%だと119,555円です。0.6%の場合は105,611なので、差は1万4千円に縮まりました。

だいぶ差が縮まったので、この金利差をもって有利と判断した人が固定金利を選択しているのかもしれません。

フラット35の方が融資がつきやすかったという人もいるかも

変動金利と固定金利のどちらがいいかは支払いが終わらないと分からない

では、変動金利と全期間固定と固定期間選択のどの金利タイプがいいのでしょうか。

結論からいうと、終わってみないと分かりません

事前にどのタイプの金利が有利か分かれば、他の金利タイプが存在する意味がありません。

将来の金利が誰にも分からないので複数の金利タイプがあるのです。

 

ちなみに、それぞれの金利タイプについて、誰がリスクを負っているのかですが、変動金利については借りた人がリスクを負っています

そして、全期間固定の場合は、金利が上昇してもローンの返済額が固定されるわけですから、金融機関がリスクを負っていることになります。

 

住宅ローンで重要なのは、「無理なく返せること」と「その後の見直し」

住宅ローンを利用するとなると、毎月の返済額や、毎月のローンを節約することに目が行きますが、重要なのは「無理なく返していけること」と「ローンの定期的な見直し」です

例え気に入った物件を購入出来たとしても、住宅ローンの返済が生活を圧迫していては元も子もありません。

住宅ローンは35年の長期にわたるため、この無理なく返済していけるという考えは思っている以上に重要です。

無理なく返済していける金額にを知るためにも、ライフプランを立ててみることをおすすめします

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住宅ローンを借りたら、その後は見直ししなくても大丈夫と思ってませんでしょうか?

住宅ローンの金利は、融資実行時の金利が適用されるので、適用金利されている金利と現在の金利水準に差が出ることがあります。

 

例えば、住宅ローンでよく利用されるある大手金融機関の現在の店頭金利は、2.475%となっています。

実際に適用される金利は、この店頭金利から借入する人に応じた優遇幅を引いた金利が適用されています。

仮に優遇幅が1.5%の人だとすると、その人に適用される金利は、2.475%(店頭金利)-1.5%(優遇)=0.975%(実質金利)となります。

店頭金利については、15年間ほとんど変わってませんが、優遇幅については増加傾向です。

15年前であれば、優遇幅が1%あれば大きかったですが、現在は最大で1.9%優遇なんて金融機関もあります。

つまり、優遇幅が時代で異なるので、同じ変動金利でも住宅ローンの見直しを行うか行わないかが大きな差につながるということです。

もし仮に4,000万円を10年前に実質金利1.475%(2.475-1)で借りた人が、現在の実質金利0.575%(2.475-1.9)に借り換えれば、総額385万円の節約になります(実際は諸費用がかかります)。

このように住宅ローンは借りた後も見直しをするかしないかで大きな差になります

中には、固定金利なのでという理由で見直しをしない人がいますが、金利のタイプと見直しは別問題です。

固定金利から固定金利への借り換えでも、借入時の金利と現在の金利に差があれば、大きな節約効果が見込めます

 

住宅ローンは金額が大きいので、たいした金利差でないと思っていても、実際は何百万円もの差を生じることがあります。

思い当たる節がある人は、一度専門家に相談してみるのがいいと思います。

  • この記事を書いた人

たくあん(ネトゲ)

横浜で不動産仲介業ファイナンシャルプランナーをしています。 住宅ローンが老後に与える影響は大きいです。 資産があるのにお金がないとは? いくらのローンなら返済していける? 年金について知らずに家を購入するのは無謀? 不動産だけでなく、ライフプランの相談にも対応してます。 担当ジャンル:雑記、不動産、ライフスタイル 資格:宅建士、管業、簿記1級、1級FP、社労士、1種証券、住宅ローンアドバイザー

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