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令和元年の宅建業者講習に参加

投稿日:2019年6月27日 更新日:

宅建業者講習に参加してきました。

宅建業者講習は毎年開催されていて、不動産業者は講習の受講が必須になってます。

 

宅建業者講習では、不動産業の実務にかかわりのある事項について取り上げられます。

例えば、不動産業者に関係の深い法律についての改正や注意点などです。

今年なら民法の改正や建築基準法43条第2項について等、不動産業者にとっても興味深い内容の講習内容が多いです。

判例を取り上げて実務で注意した方がいい点の解説なども聞けますので、責任者と一緒に新人社員の人が参加してるのも見かけます。

不動産業者は宅建業者講習の受講が義務付けられている

不動産業者には、定期的に開催される宅建業者講習への参加が義務付けられています。

宅地建物取引業法第六十四条の六

宅地建物取引業保証協会は、一定の課程を定め、宅地建物取引士の職務に関し必要な知識及び能力についての研修その他宅地建物取引業の業務に従事し、又は従事しようとする者に対する宅地建物取引業に関する研修を実施しなければならない。

 

初めて宅建業者講習に参加すると受講証が発行され、2回目以降に講習に参加した時には最初に発行してもらった受講証に押印してもらいます。

宅地建物取引業の免許は5年ごとに更新されますが、更新の際に宅建業者講習に参加したことの証拠となるのが受講証です。

 

宅建業者講習は2時間以上拘束されるので面倒ですが、講習の内容は不動産業者にとって重要なものが多いです。

法律の改正は、毎年のように行われているので、勉強嫌いの人は講習に参加するだけでもだいぶ違います。

普段から講習や勉強会に参加しない不動産業者は多いそうですが、契約書の内容が法改正前の内容だったこともあるようです。

そうならないためにも講習や勉強会にはできるだけ参加しようと思います。

 

今回の講習で気になったもの

今回の講習に参加して気になった内容は、「よくある相談事例」と「建築基準法第43条の改正」についてです。

 

今回の講習では軽く触れただけでしたが、契約時期と適用税率についても興味あります。

こちらについては増税前になったら講習が盛んに開かれるはずなので、その時に参加しようと思ってます。

 

よくある相談事例では、前1年間に実際にあった相談・紛争事例を挙げ、不動産業者がどうすべきであったか説明してました。

本来であれば重要事項説明書に記載すべきところを説明しなかった、契約済みの物件を何ヶ月も広告をした(おとり広告)、法定上限を超えて報酬を請求した等、だいたいのものは、過去に何度も聞いたような事例でした。

 

建築確認取得前の売買契約はしてはならない

以下、今回の宅建業者講習で使用した資料からの抜粋です。

平成30年1月、アパート経営を計画していた相談者は、媒介業者Aの媒介により売主業者Bとの間で第三者が所有する土地について売買契約を締結するとともに(宅建業法第33条の2第1号前段該当の他人物売買)、Bとアパートの建設工事請負契約を締結した。

また同日付で、相談者とBは上記の契約について、建築確認が下り次第、原契約を土地付建物売買契約に差し替え、Aの媒介手数料を差し替え後の売買代金を基に算出する旨の契約変更の覚書を締結した。

その後、相談者が融資を否認されたことから、契約解除をめぐってトラブルとなった。

 

必要があるときは、国土交通大臣及び都道府県知事は宅建業法72条に基づく調査ができます。

宅地建物取引業法第七十二条

国土交通大臣は、宅地建物取引業を営むすべての者に対して、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その業務について必要な報告を求め、又はその職員に事務所その他その業務を行なう場所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。

 

以下、宅建業法第72条の調査により判明した事項になります。

A及びBは、ローンの事前審査で土地先行決済では承認が難しいとされていたが、相談者(買主)が土地だけでも先に抑えたいと強く要望したため、このようなイレギュラーな契約をしてしまったが、契約解除になったため契約の一本化は行っておらず、媒介報酬も請求していない旨釈明した。

本事案のように土地付き建物を売買の目的としているにもかかわらず、建築確認取得前に土地売買及び建設工事請負としてそれぞれ契約し、建築確認取得後にそれら契約を土地付き建物売買契約に一本化して差し替えることは宅建業法第36条の規制を潜脱するものとして第65条第1項第2号に該当し、また、差替え後の土地付き建物売買契約書の代金の額を取引に係る代金の額として媒介報酬を請求することは第46条第2項に違反するものとして行政処分の対象となる恐れがある。

 

宅建業法第36条というのは、宅地造成の許可や建物の建築確認がないと契約をしてはいけないという条文です。

宅地の場合は許可が必要であり、建物の場合は建築確認がなければ契約を締結してはいけないことになってます。

 

建築基準法第43条の認定制度と許可制度

平成30年9月25日から施行されている「建築基準法第43条第2項」がやはり取り上げられました。

建物を建てる際は、接道義務といって道路に土地が接道していなければいけないのですが、行政庁が交通上、安全上、衛生上支障がないと認めたり、許可すれば例外として建物を建ててもよいというのが43条の条文です。

 

「改正前の建築基準法第43条第1項ただし書き」に該当していたものは、法改正によって第43条2項第2号の許可制度になりました。

また、改正後は、建築基準法の接道規制に係る認定制度(第43条第2項第1号)が創設されています。

 

建築基準法第四十三条

建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの

二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

一が認定制度、二が許可制度の条文です。

 

建築基準法施行規則第十条の三には、国土交通省令で定める道の基準について規定されています。

 

今回のまとめ

・不動産業者には、定期的に開かれる宅建業者講習への参加が義務付けられている。

・宅建業者講習に参加して受講証に押印してもらったものを免許更新の時に提出する。

・今回の宅建業者講習では、不動産業者に対する相談や紛争事例を取り上げられた。

・不動産業者に関係のある法改正も取り上げて解説している。

・途中退出すると受講証に押印してもらえない(最後にもらえる)。

・一般の人は参加できない。

  • この記事を書いた人

侍従川

横浜で不動産仲介業ファイナンシャルプランナーをしています。

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不動産だけでなく、ライフプランの相談にも対応してます。

担当:不動産、ライフスタイル、投資、雑用

追加:写真、資格、名所めぐり

資格:宅建士、管業、簿記1級、1級FP技能士、貸金、社労士、高所作業車

有酸素運動で脳を活性化させて予備試験に挑戦してます。

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