同じ夢のマイホームはどう変化したか|2019年と2026年の住宅ローンを取り巻く環境の変化をFP×宅建士が解説

不動産売買 ファイナンシャルプランナー

「7年前の当たり前の価値観で住宅ローンを組もうとしている人に向けて」

 

マイホームを買いたいといった気持ちは変わらなくても、住宅ローンを取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わりました。

同じ年収・同じ希望を持っていても、2019年頃に住宅ローンを組んだ人と、2026年の今から組む人とでは、直面する数字が大きく変わっています。

不動産価格の上昇・金利の変化・年収倍率の拡大……これらの変化をデータで整理してみました。

 

この記事では、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」の2018年度データと2024年度データを比較しながら、現在の住宅購入を取り巻く状況を解説します。

 

この記事で分かること

  • 新築マンション・建売・注文住宅の所要資金の変化(2018→2024年度)
  • 年収倍率の変化(年収の何倍借りているか)
  • 変動金利・固定金利の変化
  • 2026年に住宅ローンを組む際に確認しておきたいポイント

 

住宅価格はどれだけ上がったか|2018年度→2024年度の比較

ここでは、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」の全国データを利用して6年間の変化を確認します。

出典:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」2018年度・2024年度

 

所要資金の比較(全国平均)

融資区分 2018年度 2024年度 差額
新築マンション 4,437万円 5,592万円 +1,155万円
土地付注文住宅 4,113万円 5,007万円 +894万円
建売住宅 3,442万円 3,826万円 +384万円
中古マンション 2,983万円 3,033万円 +50万円
中古戸建 2,473万円 2,573万円 +100万円

新築マンションは6年間で約1,155万円、土地付注文住宅は約894万円上昇しています。

一方、中古住宅は相対的に価格上昇が穏やかな傾向が見られます。

 

神奈川県のデータ(2018年度)

当時のフラット35利用者調査では、神奈川県の建売住宅は3,937万円、新築マンションは4,879万円でした。

全国平均より高い水準が2018年時点から続いており、現在はさらに上昇しています。

 

年収倍率の変化|収入より先に価格が上がった

物件価格÷世帯年収で表す年収倍率から、住宅がどれだけ割高になっているかを比較できます。

 

年収倍率の比較

融資区分 2018年度 2024年度
土地付注文住宅 7.2倍 7.5倍
新築マンション 6.9倍 7.0倍
建売住宅 6.7倍 6.7倍
中古マンション 5.7倍 5.5倍

出典:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」2018年度・2024年度

 

2024年度の利用者の平均世帯年収は669万円(前年度比+8万円)でした。

年収も上昇していますが、特に新築マンション・土地付注文住宅では価格の上昇が年収の伸びを上回り、年収倍率は高い水準が続いています。

年収倍率が7倍を超えるということは、年収700万円の世帯で4,900万円以上の住宅ローンを組んでいることを意味します。これは家計にとって相当な負担です。

 

返済負担率にも注意

「月々の返済額÷世帯月収」で表す返済負担率は、2018年度時点で21.8%(前年度比+0.6%)でした。

2024年度はさらに金利上昇の影響が加わります。

FPの実務では、返済負担率25%以内を目安とすることが多いですが、新築マンション・土地付注文住宅の購入者では、これを超えるケースが増えています。

 

金利環境が変化している|「低金利の恩恵」が薄れてきた

2019年頃と2026年では、金利環境が大きく変わりました。

 

変動金利の変化

2019年頃、変動金利(引き下げ後の適用金利)は0.4〜0.5%前後の水準が続いていました。

2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、その後3回の利上げにより政策金利は2026年時点で約0.75%となっています。

 

この影響を受け、変動金利の基準金利は各金融機関で引き上げられており、適用金利(引き下げ後)は0.6%前後が多い水準となっています。

2019年頃と比べると小幅な上昇ですが、上昇トレンドに転じたという点が大きな変化といえます。

 

フラット35(固定金利)の変化

フラット35の金利は2019年頃、1.3%前後の水準でした。

2026年4月時点では2.49%まで上昇しています。長期固定金利を選ぶコストが大きくなっています。

 

「低金利の恩恵」が変わりつつある

2019年頃は「低金利だから多く借りても返済しやすい」という状況が続いていました。

2026年の現在は、不動産価格が高くなった上に金利も上がり始めているという、以前より厳しい条件で住宅を購入する必要があります。

 

返済額のシミュレーション|2019年と2026年の違い

実際に数字で比較してみます。

 

モデルケース:建売住宅を購入する場合

条件 2019年頃 2026年現在
所要資金(全国平均) 約3,400万円 約3,826万円
変動金利(目安) 約0.5% 約0.6%
返済期間 35年 35年

所要資金=必要な資金総額

 

2019年頃の試算(借入3,400万円・金利0.5%・35年)

  • 月々の返済額 → 約88,000円

 

2026年現在の試算(借入3,826万円・金利0.6%・35年)

  • 月々の返済額 → 約101,000円

 

月々の差額は約13,000円、年間で見ると約156,000円の差になります。

 

さらに金利が上昇した場合

借入額3,826万円で、金利が異なると月々の返済額は以下のように変わります。

金利 月々の返済額(目安)
0.5% 約95,600円
0.6% 約101,000円
1.0% 約107,900円
1.5% 約116,800円
2.0% 約126,000円

※元利均等返済・35年・借入額3,826万円のシミュレーション。保証料・団信保険料等は含まない。

 

変動金利を選んだ場合、将来の金利上昇によって返済額が増加するリスクがあります。

一方、固定金利は現在の水準がすでに上昇してしまったため、どちらを選ぶかは家計全体のバランスとリスク許容度で判断する必要があります。

 

2026年に住宅ローンを組む際のポイント

データから見えてくる「今の住宅購入の現実」を踏まえ、確認しておきたいポイントをまとめました。

 

① 可処分所得を基準に返済額を考える

住宅ローンの借入可能額は「年収の何倍まで」という基準で示されることがありますが、年収の全額が使えるわけではありません。

税金・社会保険料を差し引いた可処分所得(手取り)を基準に、返済負担率を確認することが重要です。

目安として、可処分所得に対する返済負担率が25%以内に収まることを確認することが、無理のない返済の第一歩だと思います。

 

② 変動金利を選ぶ場合は金利上昇シナリオを確認する

現在の変動金利は低水準ですが、今後の金利動向は誰にも確実には分かりません。

仮に金利が1%・2%上昇した場合に、返済額がどう変わるかをシミュレーションしておくことが大切です。

 

③ 中古住宅も選択肢に

フラット35の利用状況を見ると、2024年度は中古住宅の利用割合が34.8%(前年度比+7.4%ポイント増)と増加しています。

新築の価格上昇を背景に、中古住宅を選ぶ方が増えている傾向があります。

リノベーションを前提にした中古住宅の購入も、一つの選択肢として検討に値します。

 

④ キャッシュフロー表で将来を見える化する

住宅ローンは購入時だけでなく、子どもの進学・老後まで影響が続きます。

住宅ローンの返済を含めたキャッシュフロー表を作成し、将来の家計全体を見える化することで、無理のない判断につながります。

 

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今回のまとめ

2018年度→2024年度の変化(フラット35利用者調査)

  • 新築マンション:4,437万円 → 5,592万円(+1,155万円)
  • 土地付注文住宅:4,113万円 → 5,007万円(+894万円)
  • 建売住宅:3,442万円 → 3,826万円(+384万円)

 

金利の変化

  • 変動金利(適用金利目安):約0.4〜0.5% → 約0.6%(上昇局面)
  • フラット35:約1.3% → 2.49%(2026年4月)

 

2026年の住宅購入を取り巻く状況

不動産価格の上昇・金利の上昇局面という二つの変化が重なっています。

2019年頃に比べると、同じ住宅を買うにも、より多くの資金が必要になり、かつ金利の先行きも見通しにくくなっています。

「今すぐ買う」「もう少し待つ」という判断の正解は、誰にも言えません。

ただ、データを正確に把握した上で、自分のライフプラン全体で判断することが、後悔の少ない住宅購入につながります。

 

ご相談のご案内

株式会社ライフプランでは、住宅購入とライフプランに関するご相談を承っています。

  • 住宅ローンの返済シミュレーション
  • 変動金利・固定金利の選択の考え方
  • キャッシュフロー表での将来確認
  • 横浜・神奈川エリアでの住宅購入の相談

 

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融機関・住宅ローン商品の利用を推奨・勧誘するものではありません。

資金のデータは住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」2018年度・2024年度を参照しています。

返済額はシミュレーションであり、実際の返済額は借入条件・金利によって異なります。

金利は本記事執筆時点(2026年4月)のものです。将来の金利を予測するものではありません。

 

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