住宅金融支援機構では、フラット35の利用者に対して、利用者の属性、建設または購入した住宅の概要、所要資金の調達内訳といった集計をとって公表しています。
住宅金融支援機構のホームページで、2018年度の「フラット35利用者調査報告」の集計結果が公表されています。
今回の調査で分かったこと
1.住宅面積が縮小する一方、所要資金は上昇
全ての融資区分において、住宅面積が縮小する一方、所要資金(新築および中古住宅の購入価額)が上昇している。
2.年収倍率は、土地付注文住宅以外で緩やかに上昇
土地付注文住宅を除き、年収倍率は、横這い又は緩やかな上昇が続いている。
3.中古住宅の平均築年数は長期化
中古住宅の平均築年数は、中古戸建、中古マンションともに長期化し、中古戸建は 19.3 年、中古マンションは 23.7 年となった。
「2018年度 フラット35利用者調査報告」
マンションも一戸建ても上昇は継続
マンション、土地付注文住宅、建売住宅、注文住宅、中古マンション、中古戸建の全ての区分で所要資金が上昇する結果となりました。
所要資金は、ローンの申込時点における予定建設費と土地取得費の合計です。
注文住宅の全国平均は、所要資金は3395万円と5年連続で上昇しました。
土地付き注文住宅の全国平均は、所要資金4113万円と6年連続の上昇です。
建売住宅の全国平均は、所要資金3442万円となり、上昇に転じました。
首都圏に限っては、所要資金3834万円と前年に続いて上昇しました。ちなみに神奈川県の所要資金は、3937万円でした。
新築マンションの全国の所要資金は4437万円で、2013年度から6年連続の上昇となりました。
首都圏の平均では、4941万円となりました。神奈川県の所要資金は4879万円でした。
中古戸建の全国平均所要資金は2473万円となり、4年連続で上昇しました。
神奈川県の所要資金は、3000万円でした。
中古マンションの全国平均所要資金は2983万円と7年連続の上昇でした。
神奈川県では、2774万円でした。
また、「不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向ー2018年のまとめー」では、神奈川県の2018年・新築マンションの平均価格は5457万円と上昇に転じましたが、2014年の4384万円から比べると4年で大幅の上昇となっています。
フラット35の総返済負担率が上昇
フラット35の総返済負担率(平均値)は、 前年度から0.6%ポイント上昇して21.8%となりました。
総返済負担率=1ヶ月当たり予定返済額÷世帯月収
総返済負担率25%以上の割合が上昇し、全ての融資区分で平均値が前年度より上昇しています。
低金利で借りやすくなったことにより、住宅ローンの需要が増加しています。
総返済負担率が30%以上の割合が10%を超えているのは、新築マンション(13.5)、土地付注文住宅(14.6)、建売住宅(10.4)の購入者でした。
世帯年収の何倍の所要資金を借りているかを表す年収倍率は、注文住宅で6.5倍、土地付注文住宅で7.2倍、建売住宅で6.7倍、新築マンションで6.9倍、中古戸建で5.3倍、中古マンションで5.7倍、となりました。
参照元 「2018年度 フラット35利用者調査報告」
おわりに
注文住宅、新築マンション、建売住宅、中古マンション、中古戸建の全ての分野で所要資金が上昇しました。
特に新築マンションの価額がずば抜けています。
材料費の高騰と職人の人手不足は現在も続いています。
低金利だと不動産価格は上昇し、金利が上がると不動産価格は下落するのが原則です。
もしも、金利が上昇したら、同じ金額を借りているのにかなりの差が生じます。
借入額5000万 返済額
金利0.5% 129,792円
金利1.0% 141,142円
金利1.5% 153,092円
金利2.0% 165,631円
金利3.0% 192,425円
オリンピックまでは不動産価格は上昇して、その後は下落していくといわれています。
全体で見たら確かにそうかもしれませんが、主に下落していくのは地方ではないでしょうか。
都心では不動産の需要が高まってますが、地方ではタダでも引き取り手がない不動産があるくらいです。