今回のは住宅ローンの基礎知識として住宅ローンの返済方法についてまとめてみました。
不動産の購入では、不動産のことばかりに目がいきますが、住宅ローンについても学んでおいた方が良いと思います。
なぜなら住宅ローンが原因で破産する人は多く、住宅ローンの知識が破産に対する予防となることがあるからです。
契約をしてしまえば不動産会社とはそれまでですが、住宅ローンとの付き合いは契約から始まります。
何十年にもわたる住宅ローンのことについて、業者任せでは危うい橋を渡ることにもなりかねません。
同じ出来事でも事前に知ってる場合と全く知らない場合とではショックの大きさも違います。
今後は住宅ローンの基本的なことについて触れていく予定です。
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済がある
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2つの方法があります。
元金とは、住宅ローンの借入部分のことをいい、元利の利は利息のことをいいます。
つまり、元金均等返済とは借入部分を均等に返済する方法をいい、元利均等返済とは元金と利息を合わせた金額が均等になるような返済方法をいいます。
元利均等返済
元利均等返済は、元本と利息を合わせての毎月返済額が一定額となる返済方法です。
例えば、3000万円の住宅ローンを2%の金利で35年の返済期間で借りれば月々の返済額は9万9379円になります。
そして、毎月の返済額は利息部分と元金部分に分けることができます。
最初の返済額は利息部分5万円と元金部分4万9379円が内訳の9万9379円です。
これが300回目の返済額の内訳だと利息が1万8136円、元金8万1242円となります。このように返済額は同じでも内訳は全然違います。
これは、最初のうちは元金が多いため利息が多くかかるからです。そのため最初のうちは住宅ローンの借入額は遅く減っていき、後になれば利息が少ないので元金の減り方も早くなります。
最初は利息部分が多いというのは繰り上げ返済にも影響します。つまり繰り上げ返済が早いほど効果が大きいということです。
一方で金利が契約金を通して変わらなければ、毎月の返済額は変わらないため、計画が立てやすいのはメリットです。
元利均等返済の返済内訳(3,000万円 金利2%)
回数 | 元金部分 | 利息部分 |
1回目 | 49,379円 | 50,000円 |
120回目 | 60,202円 | 39,177円 |
200回目 | 68,780円 | 30,599円 |
300回目 | 81,242円 | 18,136円 |
元金均等返済
元金均等返済は、元金を均等に返済するので、元金の多い最初のうちは返済額が大きくなります。
また、借り入れできる金額も一般的には元利均等返済より少ないといわれています。
元金均等返済であれば、最初から元金をそれなりに減らせるので、元利均等返済より総返済額は少なくなります。
3000万円、金利2%、35年の返済計画では、最初の返済額は元金7万1428円と利息5万円の計12万1428円になります。
そして、300回目では元金7万1428円と利息1万4405円の計8万5833円になります。
元金均等返済は、まだ子供が小さいうちに住宅ローンを減らしたい人や最初の返済額でも返していける収入に余裕がある人には向いています。
ただし、最初の負担が大きく、実施してない金融機関もあることから、元金均等返済方法を利用する人は少ないです。
元金均等返済の返済内訳(3,000万円 金利2%)
回数 | 元金部分 | 利息部分 |
1回目 | 71,428円 | 50,000円 |
120回目 | 71,428円 | 35,833円 |
200回目 | 71,428円 | 26,309円 |
300回目 | 71,428円 | 14,405円 |
元利均等返済と元金均等返済のまとめ
元利均等返済を選択しても、元金均等返済との差額分を繰り上げ返済を利用することによって、総返済額をかなり元金均等返済に近づけることができます。
また、3000万円、金利2%の場合に元利均等返済の返済期間を30年にすれば毎月の返済額は11万885円となり、総返済額では元金均等返済(3000万円、金利2%、返済期間35年)より60万円少なくなります。
元金均等返済だと金融機関によっては扱っていないことも多いです。
柔軟に元利均等返済を選択したうえで、返済期間を換えたり、繰り上げ返済をすることによって総返済額を抑えるのも一つの方法です。
住宅ローンの返済は長期にわたるので、見直しには様々な選択肢があります。
現在の日本は、雇用の不安定、少子高齢化、税金の増税、経済のグローバル化によって大きく社会環境が変わり将来が不透明ですから、住宅ローンの返済方法を考えるときは、ライフプランも合わせて考えるとよいでしょう。