不動産を購入する際、物件選びと同様に重要なのが住宅ローンの知識です。
住宅ローンは何十年にもわたる長期の返済であり、返済方法の選択が総返済額や毎月の家計に大きく影響します。
この記事では、住宅ローンの2つの返済方法(元利均等返済・元金均等返済)の仕組みと違い・どちらが向いているかの考え方を、具体的な数字を交えて解説します。
この記事で分かること
- 元利均等返済と元金均等返済の仕組みの違い
- 毎月の返済額・総返済額の比較(具体的な数字)
- 繰上返済との組み合わせ方
- どちらの方法が向いているか
住宅ローンの返済方法には元利均等返済と元金均等返済がある

住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。
まず言葉の意味を整理します。
- 元金(がんきん):住宅ローンの借入部分
- 利息(りそく):借入に対してかかる金利分
この2つをどう組み合わせて返済するかが、返済方法の違いです。
元利均等返済とは

元利均等返済は、元金と利息を合わせた毎月の返済額が一定になる返済方法です。
日本の住宅ローンで最も一般的に利用されている方法です。
仕組み
毎月の返済額は同じでも、内訳(元金部分と利息部分の割合)は返済が進むにつれて変化します。
- 返済初期:利息部分が多く、元金部分が少ない
- 返済後半:利息部分が減り、元金部分が増える
最初は元金が多く残っているため利息が多くかかります。
返済が進むにつれて元金が減り、利息も少なくなっていきます。
具体例(3,000万円・金利1.5%・35年返済)
月々の返済額 → 約91,855円(全期間固定)
| 回数 | 元金部分 | 利息部分 | 合計 |
| 1回目 | 約54,355円 | 約37,500円 | 約91,855円 |
| 120回目 | 約63,001円 | 約28,854円 | 約91,855円 |
| 200回目 | 約70,528円 | 約21,327円 | 約91,855円 |
| 300回目 | 約81,648円 | 約10,207円 | 約91,855円 |
(注)元利均等返済・金利1.5%・35年のシミュレーション。実際の返済額は借入条件により異なります。
元利均等返済のメリットとデメリット
メリット
- 毎月の返済額が一定で家計管理がしやすい
- 返済計画が立てやすい
デメリット
- 返済初期は利息部分が多く、元金がなかなか減らない
- 元金均等返済と比べて総返済額が多くなる
繰上返済との関係
元利均等返済では、返済初期ほど利息部分が多いという特徴があります。
そのため、繰上返済は早ければ早いほど効果が大きくなります。
繰上返済によって元金を早めに減らすことで、その後の利息負担を大きく抑えることができます。
元金均等返済とは

元金均等返済は、毎月返済する元金の額を一定にする返済方法です。
仕組み
元金を毎月均等に返済するため、返済初期は利息が多くかかり月々の返済額が大きくなります。
返済が進むにつれて元金が減り、利息も減るため、毎月の返済額は徐々に少なくなっていきます。
具体例(3,000万円・金利1.5%・35年返済)
元金の月額 → 3,000万円 ÷ 420回 = 約71,428円(固定)
| 回数 | 元金部分 | 利息部分 | 合計 |
| 1回目 | 約71,428円 | 約37,500円 | 約108,928円 |
| 120回目 | 約71,428円 | 約27,143円 | 約98,571円 |
| 200回目 | 約71,428円 | 約19,643円 | 約91,071円 |
| 300回目 | 約71,428円 | 約10,714円 | 約82,142円 |
(注)元金均等返済・金利1.5%・35年のシミュレーション。実際の返済額は借入条件により異なります。
元金均等返済のメリットとデメリット
メリット
- 元利均等返済より総返済額が少ない
- 元金が早く減るため、残債が少なくなりやすい
デメリット
- 返済初期の月々の負担が大きい
- 取り扱っていない金融機関もある
- 借入可能額が元利均等返済より少なくなる場合がある
向いている人
- 子どもが小さい早い段階から元金を早く減らしたい方
- 収入に余裕があり、初期の返済額が多くても問題ない方
2つの返済方法の比較
それぞれの返済方法を比較します。
| 項目 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
| 毎月の返済額 | 一定 | 初期が多く、徐々に減少 |
| 初回返済額(3,000万円・1.5%・35年) | 約91,855円 | 約108,928円 |
| 総返済額 | 多い | 少ない |
| 元金の減り方 | 初期は遅い | 初期から一定 |
| 計画の立てやすさ | 立てやすい | やや難しい |
| 金融機関での取扱 | ほぼ全て | 一部のみ |
返済方法の選び方と繰上返済の活用

元利均等返済+繰上返済という選択
元金均等返済は金融機関によって取り扱いがない場合があります。
そのような場合や、月々の負担を抑えたい場合は、元利均等返済を選択した上で繰上返済を活用することで、総返済額を元金均等返済に近づけることができます。
また、元利均等返済で返済期間を35年から30年に短縮した場合、月々の返済額は増えますが総返済額を抑えることができます。
(3,000万円・金利1.5%・30年返済の場合:月々約103,536円)
返済期間の選択も重要
返済期間が長いほど月々の返済額は少なくなりますが、総返済額は多くなります。
収入・家計全体のバランスを見た上で、返済期間と繰上返済のタイミングを計画することが重要です。
ライフプランとのバランス
住宅ローンの返済方法を選ぶ際には、子どもの教育費・老後資金などライフプラン全体とのバランスを考えることが大切です。
現在の返済額だけでなく、将来の収入変化・支出の増減を見据えた計画が重要です。
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元利均等返済と元金均等返済のまとめ
元利均等返済と元金均等返済の違い
- 元利均等返済:毎月の返済額が一定・計画が立てやすい・総返済額は多め
- 元金均等返済:初期の負担が大きい・総返済額が少ない・取り扱いのない金融機関もある
選び方のポイント
- 月々の返済額を安定させたい → 元利均等返済
- 元金を早く減らしたい・収入に余裕がある → 元金均等返済
- 元金均等返済が選べない場合や月々の負担を抑えたい場合 → 元利均等返済+繰上返済の組み合わせ
現在の日本は、雇用の不安定、少子高齢化、税金の増税、経済のグローバル化によって大きく社会環境が変わり将来が不透明なので、住宅ローンの返済方法は、ライフプラン全体を踏まえた上で選択することが重要です。
迷う場合は専門家に相談されることも一つの方法です。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融機関・住宅ローン商品の利用を推奨・勧誘するものではありません。
返済額はシミュレーションであり、実際の返済額は借入条件・金利によって異なります。金利は本記事執筆時点(2026年4月)のものです。

