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ローンの返済をせず滞納するとどうなるの?

投稿日:2019年1月12日 更新日:

不動産取引も専門用語が多いですが、住宅ローンの契約でも聞きなれない専門用語が出てきます。

住宅の購入では、ほとんどの人が住宅ローンを利用してますが、疑問や不安を残したまま何となく契約してる人は多いです。

最初から余裕のないローンを組んでしまえば、無事に完済するのは難しくなります。

無理のない範囲で住宅ローンを組むことが大切ですが、万が一ローンを滞納したらどうなるかも知っておくと、いざという時に対処できるかもしれません。

金銭消費貸借契約

金銭消費貸借契約というのは、聞きなれないかもしれませんが、お金の貸し借りの契約(住宅ローンなど)をいいます。

金銭消費貸借契約は、お金を借りて消費した後、同額のお金を返還するという契約です。

借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還できます。

 

住宅ローンの事前審査から実際に借りるまでの流れとしては、まずは事前審査を行います。

事前審査は、その人が借りたい希望額を金融機関から借りられるかどうかを知るために行います。

 

事前審査の結果が出たら、次は本審査の申込みをします。

この本審査が本当の住宅ローンの申込みになります。

事前審査をせずに最初から本審査ということもあるので実際はケースバイケースです。

事前審査が問題なければ、不動産の物件調査や契約書の作成に取り掛かります。

 

本審査の結果も大丈夫なら、金銭消費貸借契約に進みます。

ちなみに審査では、本人の収入や勤務形態、債務状況、資産状況、年齢などが見られます。

 

期限の利益

金銭消費貸借の契約書で必ず出てくる専門用語が期限の利益です。

期限の利益は、期限到来までの間であれば、借りたものを返還しなくてよいという権利(利益)をいいます。

 

お金を借りた場合の返済がまだ到来していなければ、返済期日まで返さなくてよいということです。

これは借りている人にとっての利益なので、期限の利益といいます。

住宅ローンであれば、毎月ちゃんと返済期日までに返済していれば、残りの借金について返済する必要はなく、これまで通り毎月決まった金額を返していけば大丈夫です。

 

期限の利益を喪失すると

金銭消費貸借契約書には、必ずといっていいほど期限の利益の喪失についての記載もあります。

これにより債権者(金融機関)は、借り手が債務不履行(約束通りにお金を返さなかった)の場合に、抵当権を実行して債権(貸したお金)を回収します。

 

抵当権とは、お金を借りるかわりに不動産を担保にすることです。

担保にしても不動産は引き続き使用できるのが抵当権の特徴です。

抵当権を設定することで、金融機関(実際は保証会社)は債務不履行があった場合に、抵当権を実行して競売の手続きを経て債権を回収します。

競売の手段によって債権を回収した際、お金が余った場合は債務者(借り手)に返します。

 

どのような場合に期限の利益喪失があるのか例を挙げてみます。

・借主が返済を延滞し、金融機関が書面で督促しても次の返済日までに返済しなかった場合。

・借主が住所を変更し、借主が金融機関に届け出をしない等、借主が原因で金融機関が借主の住所を把握できない場合。

・借主が他の債務について期限の利益を喪失した場合。

・借主が支払いをしない場合。

・借主が手形交換所の取引停止になった場合。

・抵当権の対象について、差し押さえや競売手続きが開始された場合。

・申込内容に虚偽の記載があった場合。

・借主の信用状態に著しい変化が生じるなど、元利金の返済ができなくなる事由が生じた場合。

 

返済が滞った場合のその後

住宅ローンの返済が滞った場合は、最初のうちは金融機関が電話や書面で督促してきます。

それでも返済がない場合は、保証会社が金融機関に損害を肩代わりしますので、債権が保証会社に移り、残った債務について一括返済を請求されます。

債権者は、競売の手続きを申し込み、やがて配当要求が広告されますが、ここから不動産業者からの問い合わせが増えます。

直接自宅まで押し寄せてくる業者もいます。私の同僚も直接自宅に押し寄せて警察を呼ばれたそうです。

 

その後は、競売の手続きを経て、買受人(落札した人)が代金を納付したら、所有権が買受人に移転します。

 

期限の利益と喪失のまとめ

・期限の利益は、お金を返せと言われても、期限が来てなければ返さなくていい権利のこと。

・期限の利益は放棄することもできる。

・債務の履行がされない場合は、不動産を競売にかけて債権を回収する。

・期限の利益を喪失した場合は、債権者は残りの債務について一括して返済を求めてくる。

・返済期日が遅れたからといって、いきなり競売になるわけではない。

 

不動産や金銭消費貸借の契約では、聞きなれない専門用語が多いため、不明な点はその都度聞くことも大事です。

なんとなく分かった気になって話を進めてしまい、後で取り返しがつかなくなることもあります。

  • この記事を書いた人

侍従川

横浜で不動産仲介業とァイナンシャルプランナーをしています。

住宅ローンが老後に与える影響は大きいです。

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不動産だけでなく、ライフプランの相談にも対応してます。

担当:不動産、ライフスタイル、投資、雑用

追加:写真、資格、名所めぐり

資格:宅建士、管業、簿記1級、1級FP技能士、貸金、社労士、高所作業車

有酸素運動で脳を活性化させて予備試験に挑戦してます。

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