【1級FP×宅建士】マイホーム購入の流れ|横浜で家を買う前に知っておきたい9ステップと諸費用

不動産売買 不動産

マイホームの購入は、多くの方にとって一生に何度もない大きな買い物です。

物件価格だけで数千万円、住宅ローンを含めると数十年にわたる家計への影響があります。

 

  • 「何から始めればいいのか分からない」
  • 「どのくらいの期間がかかるのか」
  • 「物件価格以外にいくら必要なのか」

といった疑問は、はじめて家を買う人が共通して持っています。

 

この記事では、横浜で不動産業・FP・マンション管理士として活動する立場から、マイホーム購入の流れを9つのステップに分けて解説します。

各ステップの期間の目安、諸費用の内訳、住宅ローンで見落としがちなポイントまで、購入前に知っておきたい情報をまとめました。

 

この記事で分かること

  • マイホーム購入の全体の流れ(9ステップ)と各段階の期間の目安
  • 資金計画を最初に行うことのメリット
  • 新築・中古別の諸費用の内訳と相場
  • 住宅ローンの店頭金利と実質金利の違い
  • 横浜で家を買う場合に知っておきたいポイント

 

マイホーム購入にかかる期間の全体像

マイホーム購入にかかる期間は、物件の種類によって変わります。

一般的な目安は以下のとおりです。

物件の種類 物件探し〜引き渡しまでの期間の目安
新築分譲マンション(完成済み) 1〜3か月
新築分譲マンション(未完成) 数か月〜1年以上(完成待ち)
新築建売戸建 1〜3か月
中古マンション・中古戸建 2〜4か月
注文住宅(土地購入+建築) 8か月〜1年半

 

ただし、これはあくまで一般的な目安です。希望条件が明確で物件がすぐ見つかる方もいれば、1年以上物件探しを続ける方もいらっしゃいます。

「いつまでに引っ越したい」というご希望がある場合は、逆算して早めに資金計画から着手されることをおすすめします。

 

住宅取得の9ステップ

住宅の購入は、何回も経験するものではありませんから、流れだけでも知っておくと不安が軽くなります。

最初から物件ありきで動き出す方も多いですが、ここでは宅建士×ファイナンシャルプランナーの立場から、資金計画を最初に行う流れをご紹介します。

 

ステップ1:資金計画とライフプランの検討

期間の目安:1〜2週間

 

資金計画を先に行うメリットは、無理のない予算の上限が見えてくることです。

物件を先に決めてしまうと、その物件に合わせて資金計画を組むことになり、「気に入ったから少し背伸びして」という判断になりがちです。

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」などでも、物件を決めてから資金計画を考える方が多数派であることが示されています。

 

資金計画では、以下のような項目を検討します。

  • 頭金として準備できる金額
  • 毎月無理なく返済できる金額
  • 教育費・老後資金とのバランス
  • 金利が上昇した場合の返済額の変化
  • 団体信用生命保険の保障範囲
  • 万が一の収入減への備え

 

ご自身でシミュレーションされる方もいらっしゃいますし、ファイナンシャルプランナーなど第三者の視点を取り入れる方もいらっしゃいます。

どちらが正解ということはありませんが、住宅ローンは数十年にわたる負債となるため、慎重な検討が望まれます。

 

資金計画が固まったら、住宅の希望条件を具体化します。

  • 一戸建か、マンションか
  • 新築か、中古か
  • 希望エリア(通勤・通学・実家との距離など)
  • 広さ・間取り
  • 優先順位(譲れる条件・譲れない条件)

 

 

ステップ2:物件情報の収集と内見

期間の目安:1〜3か月(人によって異なります)

 

条件が決まったら、実際に物件情報を集めて内見に出向きます。

情報収集の手段は、不動産ポータルサイト、不動産会社の店頭、モデルルーム、新聞の折込チラシなど様々です。

同じ物件が複数のサイトに掲載されていることも多いので、気になる物件が見つかったら複数の情報源で比較されるといいかもしれません。

いくつか物件を見学すると、そのエリアの相場感が分かってきます。

最初は条件を狭く設定していても、実際に見学を重ねるうちに「ここは譲れる」「ここは譲れない」という優先順位が整理されていきます。場合によっては、当初の条件を見直すことも必要になるでしょう。

 

内見時のチェックポイント(一例)

  • 日当たり・風通し
  • 周辺環境(騒音・交通量・嫌悪施設の有無)
  • 駅やスーパーなど生活利便施設までの実際の距離と所要時間
  • マンションの場合は管理状態・修繕積立金の額と積立状況
  • 中古戸建の場合は建物の劣化状況・シロアリ・雨漏りの有無
  • ハザードマップでの水害・土砂災害リスク

 

特にマンションの場合、マンション管理士の視点では、管理組合の運営状態と修繕積立金の積立状況は資産価値に直結する重要な要素です。販売資料の重要事項調査報告書で確認できます。

 

ステップ3:購入申し込み

期間の目安:気に入った物件が見つかってから数日〜1週間

 

気に入った物件が見つかれば、周辺環境や資金計画を再確認した上で、購入の申し込みを行います。

新築マンションでは、申し込み時に「申込証拠金」として数万円〜10万円程度を預けることがあります。

契約に至らなかった場合は返金されるのが普通です。

この時点で住宅ローンの事前審査を行っておくと、その後の手続きがスムーズです。事前審査は、年収・勤務先・他の借入状況などから、おおよその融資可能額を金融機関が判断する手続きで、通常は数日〜1週間程度で結果が出ます。

 

ステップ4:重要事項説明

期間の目安:契約当日または契約前

 

契約の前に必ず行われるのが、重要事項説明です。

重要事項説明は、宅地建物取引業法で定められた手続きで、宅地建物取引士が書面(重要事項説明書)を交付して説明することが義務付けられています。

 

記載内容は多岐にわたりますが、主なものは以下のとおりです。

  • 登記された権利関係(抵当権の有無など)
  • 法令上の制限(用途地域・建蔽率・容積率など)
  • 飲用水・電気・ガスの供給状況
  • 物件の状況(建物の構造・設備)
  • 代金・手付金・その他の金銭の内容
  • 契約の解除に関する事項
  • 損害賠償額の予定または違約金
  • 手付金等の保全措置
  • 支払金・預り金の保全措置
  • ローン特約(融資が下りなかった場合の扱い)
  • 瑕疵(かし)担保責任・契約不適合責任の内容
  • マンションの場合は管理に関する事項(管理費・修繕積立金・管理規約など)

疑問点は契約前に必ず確認されることをおすすめします。

 

ステップ5:不動産売買契約の締結

期間の目安:契約当日

 

重要事項説明が終わったら、売買契約を締結します。

契約時には手付金を支払います。手付金の額は物件価格の5〜10%程度が一般的な相場ですが、売主との交渉で増減することがあります。新築分譲などでは、手付金が少額に設定されているケースもあります。

手付金は、売買代金の一部に充当されます。買主の都合で契約を解除する場合は手付金を放棄すること、売主の都合で解除する場合は手付金の倍額を返還することで解除できる「手付解除」の定めが一般的です(期限あり)。

 

ステップ6:住宅ローンの本審査・金銭消費貸借契約

期間の目安:本審査2週間〜1か月、契約は融資実行の前

 

売買契約の締結後、住宅ローンの本審査を申し込みます。事前審査が通っていても、本審査で否決されることもあります。

事前審査と本審査の間で転職した、他のローンを組んだ、クレジットカードの支払いが遅れた、といった状況の変化は影響する可能性があります。

 

本審査が通ると、金融機関と「金銭消費貸借契約(きんしょう)」を締結します。これが正式な住宅ローン契約です。金利タイプ・返済期間・団体信用生命保険の特約なども、この時点で確定します。

 

ステップ7:内覧会

期間の目安:引き渡しの1〜数週間前

 

新築物件では、完成後に内覧会が行われます。施工不良や設備の不具合がないかを確認する大切な機会です。

中古物件では、売主が引っ越しを終えた後に室内を確認することが一般的です。

チェック漏れがないよう、チェックリストを持参されることをおすすめします。

 

ステップ8:残代金決済と引き渡し

期間の目安:決済当日(1〜2時間)

 

住宅ローンの実行により、残代金を売主に支払います。同時に、所有権の移転登記・抵当権の設定登記を司法書士が行います。

決済の場には、買主・売主・不動産会社・金融機関・司法書士が集まることが一般的です。鍵の引き渡しと各種書類の受け渡しをもって、正式にマイホームのオーナーとなります。

 

ステップ9:引っ越しと入居後の手続き

引っ越しを行い、実際の生活が始まります。入居後も以下のような手続きが残っています。

  • 住所変更の手続き(運転免許証・銀行・保険など)
  • 住宅ローン控除を受けるための確定申告(初年度のみ)
  • 火災保険の開始
  • マンションの場合は管理組合への挨拶・理事会への関わり

 

住宅ローンの店頭金利と実質金利の違い

住宅ローンを検討する際に、見落とされがちなのが店頭金利と実質金利の違いです。

 

店頭金利とは

メガバンクや地方銀行では、住宅ローンの基準となる金利を「店頭金利」として公表しています。

ただし、実際の借入時にこの金利がそのまま適用されることはほとんどありません。

2026年4月時点での代表的な金融機関の変動金利型の店頭金利は、2.875%前後が主流です。

 

優遇幅を控除した金利が実質金利

店頭金利から、借入者ごとの「優遇幅」を差し引いた金利が、実際に適用される金利です。

  • 店頭金利 − 優遇幅 = 実質金利(適用金利)

 

優遇幅は、借入者の年収・勤務先・頭金の額・他の取引状況などによって金融機関が個別に判断します。現在では優遇幅が2%を超えるものもあり、長期的に見ると拡大傾向にあります。

例えば、店頭金利が2.875%で優遇幅が2%であれば、実質金利は0.875%となります。

 

金利上昇局面での考え方

長く低金利が続いてきましたが、2024年3月の日銀によるマイナス金利政策の解除、2024年7月の追加利上げ、2025年1月・2025年12月の利上げを経て、金利は緩やかな上昇局面に入っています。

変動金利型で借りる場合、将来金利が上昇した場合に返済額が増えることを想定しておく必要があります。

固定金利型は当初の金利が変動型より高くなる傾向がありますが、返済額が一定で計画が立てやすいという特徴があります。

どちらが合うかは、借入額・返済期間・家計の余力・金利観によって変わります。ご自身の状況に照らしてご検討ください。

 

不動産購入でかかる諸費用

不動産購入では、物件価格以外にも様々な費用がかかります。

見落としがあると、手元の資金が想定より少なくなり、計画に支障が出ることもあります。

 

諸費用の総額の目安

物件の種類 諸費用の目安
新築マンション・新築戸建 物件価格の3〜6%
中古マンション・中古戸建 物件価格の7〜10%

中古物件の諸費用が高くなるのは、主に仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)が発生するためです。

さらに中古の場合は、入居前のリフォーム費用も別途見込んでおく必要があります。

 

住宅本体にかかる諸費用

  • 仲介手数料:中古物件で不動産会社を介した場合
  • 印紙税:売買契約書に貼付
  • 登録免許税・司法書士報酬:所有権移転登記・保存登記
  • 不動産取得税:取得から半年〜1年後に課税
  • 固定資産税・都市計画税の日割り精算:売主との精算分
  • 管理費・修繕積立金の日割り精算:マンションの場合
  • 水道加入金(水道施設負担金):新築戸建の場合
  • 外構費用:新築戸建の場合
  • 引っ越し費用

 

住宅ローンにかかる諸費用

  • 融資事務手数料:定額型(数万円)と定率型(融資額の2.2%程度)がある
  • 保証料:保証会社を利用する場合(金利上乗せ型と一括前払い型)
  • 団体信用生命保険料:金利に含まれることが多い
  • 印紙税:金銭消費貸借契約書に貼付
  • 適合証明書発行費用:フラット35を利用する場合
  • 抵当権設定登記費用:登録免許税+司法書士報酬

 

融資事務手数料は、4000万円を借りる場合、定率型2.2%だと88万円、定額型だと数万円と大きな差が出ます。

ただし、事務手数料が安い代わりに金利がやや高い、保証料が別途必要、というケースもあります。

 

 

横浜で家を買う場合に知っておきたいこと

横浜は、東京都心への通勤圏でありながら、港町・住宅地・郊外・農村部まで多様な顔を持つ都市です。

エリアによって物件の性格が大きく異なります。

 

エリアごとの特性

  • 中区・西区(みなとみらい・関内周辺):タワーマンションや再開発エリア、利便性重視
  • 港北区・都筑区(港北ニュータウン):子育て世代に人気、大規模マンションと戸建のバランス
  • 青葉区・緑区:東急田園都市線沿線、教育環境を重視する層に人気
  • 金沢区・磯子区:海側のエリア、比較的価格が落ち着いている
  • 栄区・戸塚区・泉区:郊外住宅地、通勤と住環境のバランス

 

同じ「横浜市内」でも、駅距離・ハザードリスク・学区・再開発計画などで相場は大きく変わります。

希望エリアを決める前に、複数のエリアを実際に歩いて比較されることをおすすめします。

 

横浜市の住宅関連の支援制度

横浜市では、子育て世帯や若年世帯向けに住宅取得の支援制度が用意されていることがあります。制度は年度ごとに変わり、予算の上限もあるため、最新情報は横浜市の公式サイトでご確認ください。

また、国の制度として「住宅ローン減税」「こどもエコすまい支援事業」の後継事業、「フラット35子育てプラス」(2026年3月からは借り換えでも利用可能)などもあります。

 

マンション管理士の視点から

横浜市内には多くの分譲マンションがあり、中古マンションの選択肢も豊富です。ただし、国土交通省の調査では、管理費・修繕積立金の滞納が発生しているマンションは全体の約4棟に1棟(24.6%)という状況が報告されています。

中古マンションを検討される際は、重要事項調査報告書で管理費・修繕積立金の滞納状況、修繕積立金の積立残高、長期修繕計画の有無を確認されることをおすすめします。マンションは「建物」だけでなく「管理」も買うもの、とよく言われます。

 

よくあるご質問(FAQ)

不動産広告の疑問

手付金はいくら用意すればいいか?

物件価格の5〜10%が一般的な相場ですが、新築分譲などでは少額に設定されていることもあります。事前に手付金の額と支払方法を確認しておきましょう。

 

諸費用もローンで借りられますか?

諸費用ローンを取り扱っている金融機関もありますが、物件ローンより金利が高めに設定されるのが一般的です。

また、諸費用まで借入で賄うと、総借入額が増えるため、毎月の返済負担も重くなります。可能であれば、諸費用分は自己資金で準備されることが望ましいでしょう。

 

住宅ローン控除とは何ですか?

住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末のローン残高の一定割合が所得税(および一部住民税)から控除される制度です。

初年度は確定申告が必要で、2年目以降は会社員の方は年末調整で手続きできます。

対象となる物件要件・借入要件・所得要件があるため、詳細は国税庁のサイトでご確認ください。

 

新築と中古、どちらがいいですか?

一概にどちらが良いとは言えません。

新築は建物の劣化がなく設備が最新である反面、価格は高めです。中古は価格が落ち着いている反面、建物の状態や修繕費用を見込む必要があります。

ライフスタイル・予算・重視する条件によって、合う選択肢は変わります。

 

 

購入を決めてから引き渡しまで、どのくらいの期間がかかりますか?

物件の種類によりますが、完成済みの新築・中古であれば1〜3か月、未完成の新築は完成待ち、注文住宅は8か月〜1年半程度が一般的な目安です。

転勤や子どもの進学など、時期を合わせたい事情がある場合は、早めに動き出されることをおすすめします。

 

まとめ

マイホーム購入の流れを改めて整理します。

  1. 資金計画とライフプランの検討(1〜2週間)
  2. 物件情報の収集と内見(1〜3か月)
  3. 購入申し込みと事前審査(数日〜1週間)
  4. 重要事項説明(契約前日または当日)
  5. 売買契約の締結・手付金支払い(契約当日)
  6. 住宅ローン本審査・金銭消費貸借契約(2週間〜1か月)
  7. 内覧会(引き渡しの1〜数週間前)
  8. 残代金決済・所有権移転・引き渡し(決済当日)
  9. 引っ越し・入居後の手続き

 

不動産購入は、物件選びだけでなく、資金計画・契約・ローン・諸費用・アフターまで、多くの要素が絡み合います。はじめての方にとっては分からないことも多いですが、全体の流れを把握しておくだけで、各段階での判断が落ち着いてできるようになります。

物件探しに夢中になると、資金計画が後回しになりがちです。

ご自身の家計状況と将来のライフイベント(教育費・老後資金・転職の可能性など)を踏まえた上で、「買える金額」と「無理なく返せる金額」の両方を意識されることをおすすめします。

 

ご相談のご案内

株式会社ライフプランでは、横浜を拠点に、1級FP技能士・宅地建物取引士・マンション管理士の複合的な視点から、住まいとお金のご相談を承っています。

  • マイホーム購入の資金計画
  • 住宅ローンの選び方
  • 物件の見極め(マンションの管理状態など)
  • ライフプランと住宅取得のバランス

 

免責事項

本記事は、マイホーム購入に関する一般的な情報を提供するものであり、特定の物件・金融商品の購入を推奨・勧誘するものではありません。金利・制度・税制は本記事執筆時点(2026年4月)のものです。最新情報は各金融機関・行政機関の公式情報をご確認ください。住宅ローンのご契約にあたっては、金利上昇や収入減少など様々なリスクがありますので、ご自身の責任でご判断をお願いいたします。

当社は投資助言業・代理業の登録を行っておりません。特定の金融商品に関する個別具体的な助言は提供しておりません。

 

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