不動産

家は持家か賃貸かではなく、家は賃貸か戸建てかマンションか?

投稿日:2023年5月18日 更新日:

インターネットや雑誌で定期的に取り上げられる記事に「賃貸VS持家どっちが得か」というものがあります。

賃貸と持家のどちらが得かについては以前まとめましたが、こればかりは人によるとしかいえません。

ただ、賃貸と持家のどちらかについて議論するにしても、持家も戸建てとマンションにさらに分けた方がいいのではと思ってます。

 

住宅に対する価値観が一人一人違うので一概に賃貸と持家では優劣をつけられません。

住環境を重視する人がいる一方、住環境より別の趣味にお金を遣いたい人もいます。

また、現在のように不動産価格が高騰していれば、購入した値段以上に高く売れたり、不動産市場はその時の経済環境に影響を受けます。

購入したら税金で優遇されますし、相続税を低くできるので、様々な制度をうまく使えるのかも関係します。

賃貸と持家でどちらが有利になるかはこれから何年生きるかによっても結果が変わることもありますし、金利によっても影響されます。

こんな感じで賃貸と持家とでは違いがあり、一人一人のライフプランも同じでないので、賃貸と持家のどちらが得かは人によって異なります。

「分かってるのは、現段階で同じ家に住み続けるのであれば、一戸建てが安いということくらいです」

一般的にいわれてる賃貸・持家のメリットとデメリット

「賃貸vs持家」については、どちらが得かをめぐって一般的に以下のことがいわれています。

 

賃貸の場合

・賃料と共益費さえ支払うだけなので分かりやすい。

・定期的に更新料がかかる。

・引越しがしやすい。

・引越すと礼金や引越し代がかかる。

・購入と違って設備等の修繕費は負担しない。

・建物の品質が悪い。

・高齢者は部屋を借りにくい。

・生きている限り家賃を支払い続けることになる。

・一生分の家賃を含めた多額の老後資金が必要。

 

持家の場合

・住宅ローンの他に建物の修繕費や固定資産税といった維持費がかかる。

・団体信用生命保険に入ってれば、途中で亡くなっても遺族に負担が残らない。

・ローンがあると引越しがしにくい。

・家が売れず引越しが数か月延びることがある。

・設備が故障したり、建物が損傷した場合の修繕費は自己負担。

・住宅ローンの完済後は維持費のみで済む。

・原価法による評価で建物価値が22年でゼロになっても、メンテナンスしてれば50年以上住める。

・マイホームが資産になる。

・無理なローンを組むと将来のリスクになる。

 

住宅ローンで購入するときは無理なく支払っていける額か検討することです。最近ならiDeCoやNISAを取り入れた計画を立てるようにします。

 

お金の面ではどちらがお得?

お金の計算

以前も書きましたが、同じ場所に住み続けるなら基本的には購入した方が得です。

普通は大家さんは損をしてまで他人に貸さないので、賃料には取得費だけでなく、税金、維持費に利益も上乗せされると思ってよいからです。

住宅ローンの返済中に亡くなれば保険で借金は残りませんし、ローンを返済すれば年金だけでやっていける人もいます。

 

今はローンの金利が低いので無理して繰り上げ返済しない人が多いですが、状況次第で借り換えを選択できるのも購入のメリットです。

 

一戸建てよりマンションの方が一般的に維持費は高い

住宅ローンさえ完済してしまえば後は楽と思いきや、そうとばかりはいえないのが今回の話です。

最初に持家を一戸建てとマンションとに分けた方がいいといいましたが、住み続ける前提だとマンションと賃貸とではそれほど変わらないという結果もあります。

ここでいうマンションとは区分所有法の分譲マンションのことです。

最近は資材の高騰もあってマンション価格の高騰が止まらず、維持費も上がり続けています。

一戸建ての場合は修繕費だけですが、マンションの場合は管理費と修繕費があります。

管理費は積立ないのでその都度見直しが行われますが、修繕は10年、15年ごとに行われるので見直しも5年毎くらいに定期的に行われます。

この修繕積立金の定期的な見直しで10年後、20年後と段々負担が重くなっていきます。

特に最近はタワーマンションで問題となっていて、修繕積立金の増額について話がまとまらないケースも増えています(タワマンの方が修繕費は高い)。

 

住宅ローンを支払い終わっても管理費や修繕積立金が高騰すれば、結果として賃貸と大して変わらないことはありえます。

 

区分所有マンションのメリットとしては、今はマンション価格が高騰してるので売却の面では戸建てよりも有利です。

特にタワーマンションでは購入した金額よりも高く売れたなんて話をよく聞きます。

タワーマンションに限らず、首都圏ではマンション価格が増加傾向です。

 

維持を続けることについて金銭だけで考えると、一戸建てが一番有利で、マンションと賃貸は同じくらいといったところです。

 

お金以外で賃貸と一戸建てとマンションを比較

マンションを購入すると組合員になりますが、そこで初めて区分所有について知るという人は多いです。

マンションに住む前に区分所有について学んでおけばよかったという人は意外と多いです。

 

マンションは一戸建てよりも長くもちますが、いずれは建物の建替えを考える時期が来ます。

建替えや復旧は総会で決議し、自分の家の修繕は届出が必要なこともありますが、こういったことを知らない人は多いです。

一戸建てだと自分のタイミングで修繕できますが、マンションは総会でみんなで決めます。

こういった運営についてみても戸建てとマンションとでは別物と思った方がいいでしょう。

 

賃貸やマンション(分譲)は利便性がいい反面、駐車場料金が別途かかります。

また、ペットを飼いたい人は、ペット可の賃貸やマンションを探さなければいけません。

大型犬を飼いたいなら一戸建て以外は難しく、賃貸では猫不可が多く、マンションなら規約で小型犬のみというものが多かったりします。

 

それと一戸建てや区分マンションの場合、住宅ローンで購入すれば住宅ローン控除が使えます。

税金関連といえば、今回は住み続ける前提なので触れませんが、持家を売った際に買い替え特例や3000万円特別控除といった制度もあります。

 

いずれにしても「賃貸と持家はどっちが得か」に答えは簡単には出せないということです。

 

引越しが多かったり好きな人は賃貸、利便性を重視する人はマンション、大型犬を飼いたい人や総支払額の面では一戸建て、といった感じでそれぞれに利点があります。

 

おわりに

賃貸にするか?戸建てにするか?マンションにするか?戸建てとマンションは別物と考えた方がいいという話でした。

ちなみに私は大型犬が飼いたいので一戸建て派です。

  • この記事を書いた人

侍従川

横浜で不動産仲介業とァイナンシャルプランナーをしています。

住宅ローンが老後に与える影響は大きいです。

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不動産だけでなく、ライフプランの相談にも対応してます。

担当:不動産、ライフスタイル、投資、雑用

追加:写真、資格、名所めぐり

資格:宅建士、管業、簿記1級、1級FP技能士、貸金、社労士、高所作業車

有酸素運動で脳を活性化させて予備試験に挑戦してます。

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