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不動産の賃貸借契約ではどんなことを決めるのか

投稿日:2018年1月21日 更新日:

法律では、口約束でも契約は有効とされていますが、実際にはトラブル防止のために契約書を作ります。

契約書面を取り交わしておけば、証拠となるのでトラブル回避になりますし、後日どんな取り決めをしたかも確認できますからね。

 

不動産の取引は、「宅地建物取引業法」という法律で業者のやることが決められている

不動産の取引に関する法律に、「宅地建物取引業法」というものがあります。

宅地建物取引業法では、賃貸借契約が成立した場合は、契約当事者の貸主と借主に宅建業法で決められた事項を記載した書面を交付することが義務づけられています

この交付する書面は、不動産業法の37条に記載されていることから37条書面といわれています。

 

契約をした場合には、37条書面の交付が必要ですが、37条書面のかわりに賃貸借契約書を交付してもよいとされています。

なので、一般的には37条書面は「賃貸借契約書」として交付されます。

 

37条書面(賃貸借契約書)で記載しなければいけないこと

賃貸借契約書には、記載する事項が法律で決められています

 

法律で記載することが決められた事項については、以下の通りです。

✅貸主と借主の氏名と住所

✅対象物件の引き渡し日

✅毎月の賃料額支払時期及び支払方法

✅対象物件の所在地と構造、広さといった特定情報

損害賠償額の定めや違約金に関すること

✅契約の解除に関すること

✅天災といった不可抗力に対する事項

契約期間やその他物件に関する情報

✅その他の特約事項(特約というのは、当事者で決めた法律以外の特別の約束

 

不動産会社が勝手に都合よく決めてるわけではないんです

 

賃貸生活で困ったことがあったときはどこに相談すればいいのか

初めての部屋探しでは、内容もよくわからないまま契約が終わってしまうことがほとんどです。

賃貸契約後、時間が経ってから生活で困ったことがあり、どこに相談すればいいでしょうかと相談を受けることがあります。

借主さんの中には、部屋を紹介してもらった仲介会社に相談する人もいます。

 

賃貸生活で困りごとがあったときは、仲介会社ではなく、不動産の管理会社が窓口になります

 

大家さんは、部屋の管理は通常は不動産管理会社に任せています

大家さんが空き家募集する場合は、不動産管理会社に依頼します。

不動産管理会社は、不動産業者間に広告をうって部屋の募集を知らせます。

そして、その広告を見た不動産会社が部屋を探している方に紹介します。

仲介会社は、お客さんに部屋を紹介して報酬として手数料をもらって終わりなので、借主が生活しているうえで困ったことがあったら、不動産管理会社に相談をすればよいのです。

一般的には、大家さんと借主が話し合うケースもほとんどなく、やり取りは不動産管理会社を通して行います。

部屋の設備が壊れた水漏れ退去の手続き更新の手続き敷金の清算、その他困りごとは、不動産管理会社に相談します

 

不動産の管理会社がどこなのかは、契約書に書いてあります

あったことがない会社であっても、不動産会社は管理料を受け取っているので遠慮することはありません。

 

賃貸契約を解約したい場合は?

賃貸契約を解除したい場合は、解除したい1か月前に解約通知をすればいいとするのが一般的です。

店舗や事務所のように、中にはもっと前に通知が必要な契約もありますが、せいぜい3か月前だと思います。

 

多くの不動産会社では、契約書と一緒に契約の解除通知を入れていたり、契約書に解除通知が付いているケースが多く、解約する場合は、契約解除通知をファックスするなり、不動産会社に直接持参します。郵送でもいいです。

 

契約違反による契約の解除

ほとんどの契約解除は、賃借人からの契約解除の申し入れによって生じる賃貸借契約の解除です。

それ以外には、賃借人と賃貸人との間での契約違反という契約解除もあります。

老朽化したアパートであれば、建て替えのために貸主から交渉するケースもあります。

 

賃借人が違反しても直ぐに契約解除はできない!

賃借人(借主)が契約違反をしたので、賃貸人(貸主)はすぐに賃貸借契約を解約できるかというと、なかなかそうはいかないようです。

過去の裁判例を判例といいますが、判例ではお互いの信頼関係が壊れたかどうかで判断されます。

とはいっても、これは裁判にまで発展したケースであって、多くの場合は貸主と借主の交渉によって解決しています。

 

ほとんどの賃貸借契約書面では、契約違反があれば契約解除ができるといった条項を設けています。

代表的な契約違反には、以下のものがあります。

 

どんなときに契約違反となるかについて

・家賃の滞納

・マンションの管理規約を遵守しない

・貸主に無断でペットを飼いだした

第三者に無断で貸与している

・契約外の使用行為

……等が契約違反となります。

 

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家賃滞納は契約の解除原因

賃貸経営の悩みの第一位は、家賃の滞納に関するトラブルといわれています。

家賃の滞納が起きた場合は、貸主は賃料が入ってきませんし、借主は借金が増えていく一方です。

そのまま放置しておくのはお互いによくありません。

 

貸主が家賃滞納者に対する解決方法には、和解裁判所の調停少額訴訟強制執行、といったものがあります。

 

和解

和解は、貸主と借主の話し合いによって解決する方法です。

一番多い解決方法が和解なのではないでしょうか。

和解には、民事訴訟法による裁判所の和解もあります。

 

裁判所の調停

訴えまではしないで、裁判所の民事調停委員による仲介による話し合いによって解決するのが調停です。

裁判所が、調停で解決することが適当と判断するケースもあるようです。

 

少額訴訟による解決

少額訴訟は、一般的な訴訟と異なり、原則、1回の審理によって判決が出ます

少額訴訟の結果に不服がある場合は、異議申し立てをすることで通常の裁判手続きによることもできます

 

強制執行

貸主が督促を行っても、一定期間内に滞納者が異議申し立てを行わなければ、支払督促を債務名義として強制執行の申し出ができます。

建物の明け渡しを目的とする場合は、通常の訴訟になります。

 

まとめ

・不動産のルールは、宅地建物取引業法という法律で決められている

・賃貸生活で困ったときは、とりあえず不動産管理会社に相談する

契約違反は、解除原因となるので契約内容はしっかりと確認しましょう

 

  • この記事を書いた人

たくあん(ネトゲ)

横浜で不動産仲介業ファイナンシャルプランナーをしています。 住宅ローンが老後に与える影響は大きいです。 資産があるのにお金がないとは? いくらのローンなら返済していける? 年金について知らずに家を購入するのは無謀? 不動産だけでなく、ライフプランの相談にも対応してます。 担当ジャンル:雑記、不動産、ライフスタイル 資格:宅建士、管業、簿記1級、1級FP、社労士、1種証券、住宅ローンアドバイザー

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