不動産業は、クレーム産業という人がいるくらいトラブルが多い業界です。
最近、ハウスメーカーの営業さんと話したのですが、ハウスメーカーもお客様からのクレームが多いようです。
特に住宅は色や設備でお客様から不満が出ることも多く、従業員がよく辞めるそうです。
というより住宅に関する業界全体がクレームの多い業界です。
不動産業界は売買でも賃貸でもトラブルが多く、売買は金額が大きいのでインパクトが大きいですが、賃貸の方は日常的にクレームが起きます。
業者とのトラブル、近隣トラブル、建物のトラブル等も多く、暴言を吐かれて病んでいく同僚も数多く見てきました。
私も最初は賃貸管理が業務でしたが、1年で嫌になり、そのことを相談したら営業に変えてもらえました。そうでなかったら今ごろ別の業界で働いてます。
今回は、不動産業で最も多い近隣トラブルの一つ騒音についてです。
アパート、マンションで多い騒音トラブル
一戸建てだと境界が原因でもめることが多いですが、アパートやマンションといった集合住宅だと境界問題はないので、圧倒的に多いのは騒音によるトラブルです。
特に木造等のアパートは、壁や床が薄い物件が多く騒音問題に発展しやすいです。
アパートの中には、壁がベニヤみたいに音が筒抜けのものがあり、まだスマホもない固定電話の時代に、電話がかかってきたと思ったら二つ隣の部屋だったという話があります。
過去には、騒音トラブルが原因で殺人事件にまでなったケースもあります。
「ピアノ騒音殺人事件」は、日本で最初の騒音が原因で起こったマンション内の殺人事件ということもあって、よく知られています。
その後も、騒音おばさん、迷惑おばさん、騒音ノイローゼ……等々、現代は騒音トラブルだらけです。
原因はコミュニケーション不足!?
大浜松三が起こしたピアノ騒音殺人事件は、上の階の住人との円滑なコミュニケーション不足が発展したものといわれています。
円滑なコミュニケーションがとれていたり、仲良しになれば、無用のトラブルは回避できるケースが多いそうです。
しかし、現代人、特に賃貸で近隣住民とコミュニケーションをとることは稀です。
同じ集合住宅でトラブルが起きた場合は、物件の管理会社か大家さんに言って対処してもらうのが普通です。
大抵は注意して終わり、張り紙が貼られて終わりですが、常識的な人なら気を使ってくれることが多く、意外と効果があります。
楽器可の賃貸物件は少ない
最近は、子供の教育に楽器を習わせたり、楽器を趣味にする人が増えたり、楽器可の賃貸物件が人気です。
ただし、アパートやマンション等の賃貸物件だと楽器可の物件はほとんどありません。
ペットと同じで楽器は音が出ますので、楽器は騒音トラブルに発展する原因にもなります。
楽器可の物件は、防音設備が必要なので集合住宅向きではありません。
楽器可物件を探す人は一戸建ても検討してみてはいかがでしょう。
分譲マンションで楽器可どうかは規約・使用細則次第
分譲マンションだと、賃貸アパートや賃貸向けのマンションと比べて構造がしっかりしてるので多少は騒音が抑えられますが、普通は分譲マンションでも使用細則で制限してることが多いです。
分譲マンションは管理規約や使用細則で運営されているので、規約や使用細則でダメなら賃借人もダメということになります。
分譲マンションの賃借人は、管理規約や使用細則に従うルールがあり、多くの場合はルールに従うという誓約書を提出させられます。
分譲マンションで多いのは時間制限を設けて楽器を利用できるケースです。決められた時間内なら賃借人も利用できます。
賃貸物件にも防音の物件がありますが、防音構造だと費用がかかるので楽器可の物件は数が少ないです。差別化のために最初から防音にする大家さんもいますが、やはり少ないです。
その点、一戸建ての方が集合住宅よりも楽器を弾くのにいくらか適しています。
音量を調節できる楽器やエレキギターを生音で弾くとかする工夫も必要です。
建物の構造と騒音トラブル
ちなみに騒音は建物の構造と関係します。
特に騒音トラブルになりやすいのが木造で、壁や床が一番薄く、音が大きく響きます。
次に大きいのが鉄骨や軽量鉄骨ですが、これも壁が薄いと防音は期待できません。
マンションと戸建を比較した場合は、マンションの方が圧倒的に騒音トラブルになりやすいです。
一戸建てにも分譲マンションにもアパートにも住みましたが、部屋がくっついてないだけでけっこう違います。
おわりに
・賃貸の近隣トラブルで最も多いのは騒音トラブル
・些細なことからトラブルに発展することが多い
・楽器可の物件は少ない
・マンション、アパートの賃貸は楽器が原則禁止
・分譲マンションは規約や使用細則次第
・防音に優れてるものから、鉄骨鉄筋コンクリート、重量鉄骨、軽量鉄骨、木造の順