不動産

令和4年の地価公示はコロナからやや回復傾向

投稿日:2022年3月28日 更新日:

令和4年の公示価格が3月23日に公表されました。

公示価格は、国土交通省が毎年公表するもので、不動産価格の動向を示す指標です。

令和3年の公示価格は、三大都市圏でいずれもマイナスになり、どうなることかと思いましたが、2年が経ちコロナウィルスの影響も薄れてきた感があります。

まだコロナ前の水準に回復したとはいえませんが、需要のあるエリアではコロナの反動で大幅に上昇したエリアもあります。

地価公示価格とは

地価公示は、国土交通省土地鑑定委員会が、土地取引価格の指標とするために、毎年標準地の価格を鑑定して公表したものです。

土地の評価は、全国の不動産鑑定士が行い、公共事業用地の取得価格算定の規準にもなります。

毎年1月1日をにおける標準地の1平方メートルの正常な価格とされ、正常な価格は「土地について自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格」をいいます。

つまり、売主・買主の双方に売り急いだり、その土地を買うと資産価値が上がるなど、特殊的な事情が何もない場合に成立する価格です。

 

住宅地、宅地見込地、商業地、工業地、林地といった用途別に評価され、神奈川では標準地が1,787地点あるので、自分が購入を検討する際の参考にできるかもしれません。

 

全国的な地価の動向

公示価格を全国平均で見てみると、住宅地が前年より0.5%(-0.4%)、商業地は前年より0.4%(-0.8%)といずれも上昇しました。

( )は前年

 

三大都市圏別に見ると、東京圏では、住宅地が前年より0.6%(-0.5%)、商業地は0.7%(-1.0%)の上昇でした。

大阪圏では、住宅地が0.1%(-0.5%)、商業地で0.0%(-1.8%)でした。

名古屋圏では、住宅地が1.0%(-1.0%)、商業地で1.7%(-1.7%)といずれも上昇しました。

 

札幌、仙台、広島、福岡は特に上昇率が高く、住宅地で5.8%(2.7%)、商業地で5.7%(3.1%)という結果でした。

ただし、それ以外の地方都市では、住宅地(-0.5%)も商業地(-0.1%)も下落しています。

 

(国土交通省 令和4年地価公示の概要)

 

神奈川の地価動向

令和3年からの地価動向を神奈川県で見てみると、住宅地は0.2%(-0.6%)、商業地は1.0%(0.1%)、工業地は2.6%(1.8%)といずれも上昇しました。

( )は前年

神奈川の変動率(%)

市町村 住宅地 商業地 工業地
県全体 0.2(-0.6) 1.0(0.1) 2.6(1.8)
横浜 0.8(-0.2) 1.6(0.5) 3.5(2.6)
川崎 0.6(0.0) 1.5(0.8) 1.5(0.7)
相模原 0.8(-0.1) 0.9(-0.6) 3.6(2.6)
その他 -0.4(-1.3) 0.2(-0.5) 2.0(1.3)

 

価格の上昇で見ると、川崎や横浜で上昇し、特に川崎や横浜北部といった利便性の良いエリアで上昇傾向にあります。

 

価格の下落で見ると、三浦市や湯河原、清川村が-2%以上という結果で、三浦半島と県西で引き続き下落傾向にあり、特に横須賀や三浦の町村がランクインしたのが目立ちました。

 

横浜の地価動向

横浜市の区ごとの平均価格(円/㎡)・平均変動率(%)など

・鶴見区 住宅地270,000(1.1%)  商業地494,500(1.3%)  工業地204,700(5.2%)

・神奈川区 住宅地280,300(1.7%)  商業地691,000(2.7%)  工業地140,000(6.1%)

・西区 住宅地305,100(2.4%)  商業地2,104,300(2.7%)

・中区 住宅地360,700(1.3%)  商業地783,400(1.7%)  工業地195,000(5.9%)

・南区 住宅地221,700(0.7%)  商業地368,500(2.7%) 

・保土ヶ谷区 住宅地193,800(0.7%)  商業地315,300(2.3%)

・磯子区 住宅地187,300(0.1%)  商業地297,000(0.5%)

・金沢区 住宅地179,500(0.0%)  商業地328,000(0.7%)  工業地128,000(4.1%)

・港北区 住宅地310,600(1.6%)  商業地686,700(1.2%)  工業地266,300(1.6%)

・戸塚区 住宅地197,100(0.5%)  商業地403,700(1.2%)  工業地151,000(2.0%)

・港南区 住宅地200,700(0.2%)  商業地455,400(1.0%)

・旭区 住宅地188,400(0.6%)  商業地318,500(1.4%)

・緑区 住宅地218,900(0.8%)  商業地371,800(1.5%)  工業地167,000(2.8%)

・瀬谷区 住宅地173,500(0.5%)  商業地284,500(0.6%)  工業地174,000(0.6%)

・栄区 住宅地170,800(0.3%)  商業地226,500(0.7%)  工業地127,000(4.1%)

・泉区 住宅地199,000(0.5%)  商業地255,000(0.7%)

・青葉区 住宅地298,200(0.7%)  商業地469,200(0.6%)

・都筑区 住宅地277,500(1.2%)  商業地502,000(0.7%)  工業地202,300(2.5%)

・横浜平均 住宅地234,100(0.8%) 商業地690,900(1.6%)  工業地193,000(3.5%)

 

横浜市の中心部や北部で上昇しましたが、西部や南部では上昇が緩やか又は横ばいの傾向が見られます。

 

おわりに

以上、令和4年度の公示価格は、前年がコロナの影響で全体が大きくマイナスになったのが影響しましたが、三浦や県西部のエリアのように下落傾向が続いている都市もあります。

公示価格といっても、同じ区の住宅地でも価格が全然違うこともありますが、資産価値を考える上では参考になると思います。

  • この記事を書いた人

侍従川

横浜で不動産仲介業とァイナンシャルプランナーをしています。

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