新横浜は、新幹線の駅として有名ですが、「住む街」として見ると、駅をはさんで、まったく違う2つの顔が見えてきます。
私が社会人になって最初に勤めた不動産屋が港北区だったので、新横浜と菊名の間の住宅地に住んでいました。
駅前から離れると「田舎っぽいな」と感じる場所もありましたが、このエリアは交通の要所で、暮らしてみると便利な場所でした。
今回は、住んでいた実感と、横浜市や国土交通省の公式資料をもとに、新横浜で家を買うときの考え方を、1級FP技能士・不動産屋・マンション管理士がまとめました。
新横浜は、駅をはさんで「住宅地側」と「商業エリア側」で雰囲気が違う

(新横浜・商業エリア)
新横浜駅の商業エリアと住宅地エリアでは、次のような違いがあります。
| 商業エリア側 | 住宅地側 | |
| 街の雰囲気 | 飲食店やスーパーが多い | 静かな住宅街 |
| 住まいの種類 | マンションがほとんど | 戸建てが多い |
| 使える駅 | 新横浜駅 | 新横浜駅のほか、菊名駅・岸根公園駅も使える場所がある |
| 道・地形 | 広い道が多い | 坂が多く、道路も広くない |
この違いは、そのまま何を重視して買うかの違いになります。
マンションと戸建てでは、お金のかかり方も、リスクの見方も違うからです。
新横浜は交通の便がよい

(環状2号線)
新横浜エリアは、交通の便が良いです。
- 川崎・東京方面に出やすい
- 横浜方面にも出やすい
- 環状2号線を進めば、東戸塚、上大岡、杉田方面にも出やすい
鉄道は、東海道新幹線、JR横浜線、横浜市営地下鉄ブルーラインが利用できます。
2023年3月には相鉄・東急直通線が開業し、相鉄線や東急線の方面にも直通で行けるようになりました。
住宅地側に住んでいると、菊名駅(東急東横線・JR横浜線)や、岸根公園駅(ブルーライン)も選べる場所があります。
買い物は、駅前にスーパーが多く、駅前でなくても、近くにまいばすけっとがあったので、日用品の買い物には困りませんでした。
デメリットは、横浜アリーナのイベントや成人式の日に、周辺の道路が混むことです。
普段の生活で困るほどではありませんでしたが、車を使う人は、日程を確認しておくと安心です。
住宅地側の戸建てを見るときに確認すること
住宅地側は、坂が多く、道路も広くありません。これは、戸建てを選ぶときの確認項目に直結します。
- 前面道路の幅と、敷地が道路に接している幅:建築基準法では、原則として、幅4m以上の道路に2m以上接していないと、建て替えができません。道が狭い場所では、建て替え時に敷地を後退させる必要が出ることがあります。購入前に、重要事項説明書で必ず確認してください。
- 私道かどうか:私道の場合は、通行や、水道・ガスの工事の承諾が必要になることがあります。
- 擁壁・傾斜地:坂の多い場所では、土地の高低差を支える擁壁の状態が重要です。古い擁壁は、補修や造り直しに、大きな費用がかかることがあります。
- 車の出し入れ:道が狭いと、駐車がしにくい場合があります。実際に、車を動かして試すのがおすすめです。
- 将来の暮らし:坂道は、若いうちは気にならなくても、年齢を重ねると負担になります。ご自身や家族の将来を、想像しながら歩いてみてください。
戸建ては、マンションのように修繕積立金がかかりません。
その代わりに、外壁や屋根などの修繕費用は、自分で積み立てる必要があります。
住宅ローンの返済だけでなく、将来の修繕費まで、ライフプランに入れておくことが大切です。
商業エリア側のマンションを見るときに確認すること

(新横浜駅プリンスペペ)
商業エリア側は、マンションが中心です。マンションは、買った後の「管理」で、将来の資産価値と負担が大きく変わります。
- 長期修繕計画:いつ、どんな工事を、いくらで行う計画か。最近見直されているか。
- 修繕積立金の仕組み:最初は安く、段階的に上がる方式か、均等か。将来の値上がりを、返済計画に入れられるか。
- 管理組合の運営:総会の議事録、滞納の状況、修繕の履歴を確認できるか。
- 共用設備の多さ:大規模なマンションや、設備の多いマンションは、その分、維持の費用がかかることがあります。
区分所有マンションでは、買う前に、その建物の管理状態を確認することが大切です。
ここを見ずに買うと、住んでから、修繕積立金の値上げや、修繕費の不足に悩むことがあります。
ハザードマップだけでは足りない
新横浜は、鶴見川のすぐそばにあります。日産スタジアムや新横浜公園のある場所は、「鶴見川多目的遊水地」の中にあります。
国土交通省の資料では、都市部にある遊水地としては日本最大の規模とされ、令和元年東日本台風のときにも、洪水調節が行われました。
ただし、遊水地があるからといって、周辺の住宅が安全だと言えるわけではありません。
水害には、いくつかの種類があります。
- 洪水:川があふれる水害。
- 内水:雨水が下水道などで排水しきれずにあふれる水害(市の資料では、1時間153mmの雨を想定)。
- 高潮:過去最大級の台風を想定した水害。
横浜市の浸水ハザードマップは、この3種類をまとめたもので、住所から調べられる「わいわい防災マップ」もあります。
調べるときは、次の点まで見ておくといいかもしれません。
- 想定される水深と、建物の階数(マンションなら低層階か)
- 電気設備(受変電設備)や、ポンプが、地下や1階にないか
- 避難の経路と、避難先
- 火災保険に、水災補償をつけるか。つける場合の保険料
なお、不動産会社は、売買の契約前の重要事項説明で、水害ハザードマップ上の物件の所在地を説明する義務があります。
将来、売るときも、同じ説明が必要になります。浸水の想定がある場所は、買う側も慎重になるため、売りにくくなる可能性があるかもしれません。
購入前チェックリスト(新横浜エリア)

(ラーメン博物館)
- 商業エリア側と住宅地側の、どちらで探すか決めた
- 昼と夜、平日とイベント日に、周辺を歩いた
- ハザードマップで、洪水・内水・高潮を確認した
- 保険料を調べて、水災補償をつけるか判断した
- (戸建て)前面道路の幅、私道、擁壁、車の出し入れを確認した
- (マンション)長期修繕計画と修繕積立金の仕組みを、書面で確認した
- ローンの返済額に、管理費・修繕積立金(または自分で積み立てる修繕費)を足して、毎月の負担を計算した
横浜市の計画では、どう位置づけられているか

(新横浜駅前)
横浜市は、新横浜周辺を「新横浜都心」と位置づけ、新横浜、城郷(小机)、新羽、羽沢の4つの地区で整備を進める構想を示しています。
当時の構想の図では、北新横浜(当時の名称は新横浜北駅)も範囲に含まれています。
新横浜エリアは、1964年に新幹線新横浜駅が開業し、1985年に市営地下鉄が開通、1989年に横浜アリーナ、1998年に横浜国際総合競技場が完成するなど、長い時間をかけて、街ができあがってきました。

(横浜アリーナと環状2号)

(横浜国際総合競技場)
まとめ
新横浜は、同じエリアでも、商業エリア側と住宅地側で、買うべきものも、確認すべきことも変わります。
住宅地側の戸建ては道路と擁壁を、商業エリア側のマンションは管理状態を確認することが大事です。
住宅を購入して後悔しないよう、事前にライフプランを確認することも大切です。

