ファイナンシャルプランナーや簿記といった人気資格では電卓の持ち込みが可能なので、計算問題は電卓を使用して答えを出します。
電卓を持ち込める試験はいくつかありますが、ファイナンシャルプランナーや簿記の試験では、電卓がうまく使えるかはかなり重要です。
いずれの試験でも、級が上がれば上がるほど電卓の知識があると有利になります。
電卓の知識は実務でも使えます。
電卓はパソコンのようにバージョンアップがなく、同じメーカーであれば機種が変わっても仕様が変わるものではないので、覚えたことは一生ものです。
たとえば、電卓のボタンにある「M+」「M-」「MRC」、これはメモリ機能といわれる機能で、このボタンを使いこなせれば複雑な計算が楽になります。
他にも「定数計算」や「GT(グランドトータル機能)」は、覚えておいて損はありません。
※電卓によっては「GT」のキーボタンがないものがあります。
「今回は電卓の機能について解説します。」
電卓は大きく分けるとシャープとカシオの2つ
電卓の使い方については、大きく分けるとシャープとカシオの2つがあり、シャープとカシオとでは定数計算やメモリクリアのやり方に違いがあります。
シャープとカシオのどちらがいいかは慣れや好みもあるので一概には言えません。実際に家電量販店や文房具店などで手に取ってみたうえで選べばいいと思います。
電卓はそんな簡単に壊れるものではないので、数千円のものであれば10年以上使えます。
実際、私の電卓は学校の簿記の授業で購入したものを15年以上使っていますが、今も問題なく使用できます。
自分ではシャープの電卓をメインに使っていますが、カシオの電卓も数台保有して壊れたことはありません。
シャープとカシオ以外にも、あまり馴染みのないメーカーの電卓があります。
例えばキャノンの電卓を保有してますが、使い方はシャープとほぼ同じでした。
あまり有名ではない電卓の場合は使ってみなければ分かりませんが、以下に紹介する定数計算やメモリ機能を試してみればどちらかに当てはまります。
私が使用しているシャープの電卓は、EL-G35という型の電卓ですが、今は生産していないのか、中古しか手に入らないようでとても高値になっています。
互換用にEL-G37 という型の電卓もあります。こちらも保有していますが、EL-G35に慣れている人なら同じように使えます。使い勝手はなかなか良いです。
カシオのND-26S、メインがシャープなのでこちらはあまり使ってません。評判は悪くないようです。
目安として6,000円くらいの物なら間違いないと思います。
電卓のメモリ機能
電卓のボタンには、「M+」「M-」「MRC」といったものがあります。
これらのボタンは、メモリ機能で使用します。
たとえば、「120×5+110×22+123×11=」という面倒くさそうな計算をする場合に便利な機能です。
メモリ機能を使わなければ、「120×5」「110×22」「123×11」をそれぞれ計算して、どこかにメモ書きをして最後に足して求めるので面倒です。
メモリ機能を使えば、それぞれを計算したときに「M+」を押すことでメモ書きする必要がなくなります。
実際に計算してみると、「120×5」「M+」「110×22」「M+」「123×11」と計算した後、最後に「MRC(MR)」を押すことで、今までM+として加算された数値が表示されます。
「M+」は、表示されている数値を足し算します。
「M-」は、表示されている数値を引き算します。
「MR」は、今まで計算した数値を表示します。
「MC」は、今まで計算した数値をキャンセル(消去)します。
電卓によっては「MRC」とボタンが表示されていますが、これはMRとMCを兼ねているだけです。
メモリ機能を使っているときは、電卓の画面にMが表示されています。
新しくメモリ機能を使う場合は、MCを押して(カシオは2回)クリアしてから計算をはじめます。
定数計算
定数計算とは、5+10、5+11、5+88といったように、決まった数値(ここでは+5)を用いて計算することをいいます。
シャープの場合は、「5」「+」「=」、と押すだけで、5+が固定されます。その後に「11」「=」と入力するだけで5+11が計算でき、88=と続けて入力すれば5+88が計算できます。
カシオの場合は、「5」「+」「+」と+を2回押す必要があります。プラスを2回続けて入力すると電卓の画面にKが表示されますが、これは定数計算を意味します。あとはシャープの電卓と同様に11、=と入力すれば答え16が表示されます。
引き算の計算でも同様です。
10-5、11-5、100-5といったように5を固定する場合です。
シャープの電卓であれば、5、-、=と入力すると「-5」が固定されますので、その後に10=、11=、100=、と入力すれば〇-5の答えが求められます。
カシオの電卓の場合は、5、-、-、とマイナスを2回入力すると電卓の画面にKと表示されますが、これは「-5」が固定されていることを示しています。シャープの場合と同様に「10=」「11=」「100=」と入力すればそれぞれ答えが表示されます。
掛け算の場合も同様です。
5×11、5×12、5×13といったように5を固定する場合です。
シャープの電卓であれば、「5」「×」「=」と入力すれば、「5×」が固定されます。
カシオの電卓であれば、「5」「×」「×」と入力すれば「5×」が固定されます。
その後、「11=」「12=」「13=」と入力すれば答えが求められます。
あまり使う機会が少ないかもしれませんが、割り算の定数計算もあります。
100÷5、10÷5、20÷5、といったように÷5を固定する場合です。
シャープの電卓であれば「5」「÷」「=」で÷5を固定できます。
カシオの電卓であれば「5」「÷」「÷」で÷5を固定できます。電卓の画面にKが表示されるはずです。
その後「100=」「10=」「20=」と入力すれば答えが求められます。
GT(グランドトータル)機能
GT(グランドトータル)機能は、「=」を押すたびに表示されている数値が加算されていく機能です。
たとえば「100+10」「=」「100×1」「=」「100」「=」と入力した後に「GT」を押すと「310」と答えが返ってくるはずです。
これは「=」を押すたびに数値が加算されていき、GTを押すことで今まで加算された数値が表示されます。
メモリ機能に比べるとあまり出番はありませんが、知っておくと会計士や税理士といった試験でも活躍します。
おわりに
メモリ機能、定数計算機能、GT機能は、私が資格の講師をしているときに最初の授業で教えてましたが、知ってる人はいませんでした。
これらの機能を活用すれば、試験での時間短縮が図れます。
これらの機能は試験だけでなく、実務でも使える知識です。
ビジネスマンやOLなら知っていて損はありません。