不動産を買ったり、借りる前に不動産広告についての読み方、見方を知っておくと、不動産探しはずっとスムーズになります。
ある程度条件が固まってくると、次はチラシやネットといった不動産広告から情報を集めることになります。
チラシやネットといった不動産広告には、その物件に関することが詳細に書いてありますが、あまり見慣れない言葉も少なくありません。
また、新築住宅か中古住宅か、賃貸か購入かによっても広告の内容が変わってきます。
この記事では、不動産探しにおいて広告を見る時に、あらかじめ知っておきたい基本事項を解説します。
なぜ住まい選びで「広告」が重要なのか

不動産を探している人にとって、最も身近な情報源は新聞やチラシ、インターネットといった不動産広告です。ほとんどの人の物件探しは、広告を見ることから始まります。
どの広告を見るかによって、実際に現地に運ぶ物件が変わってくるので、広告のどこをどう読むかで物件選びの選択肢が変わってきます。
つまり、広告をどう読むかは、住まい選びの方向性を左右しかねない重要ポイントといえます。
広告の内容を十分に理解しないまま判断してしまい、契約後になって条件の違いや見落としに気づくこともあります。
そうならないためにも、時間を無駄にしないためにも、広告の基本的な見方を知っておくことが大切です。
不動産広告はウソはなくても誤解が多い

不動産広告では、宅地建物取引業法をはじめとする法令や各ルールによって、消費者をだます表現や過度に購買意欲をあおる表示は禁止されています。
そのため、広告に書いてある内容が明確なウソであることは基本的にありません。
だからといってすべてが中立に書かれているわけではありません。
できるだけ物件を良く見せようとしたり、業者にとって有利に見える表現が使われることは実務上よくあります。
たとえば、物件のマイナス面は、法律やルールで表示することが決められてなければ、わざわざ広告に表示する必要はありません。
広告に書いていないからといって自分に都合よく解釈してしまうと、契約後に条件の違いに気づく可能性もあります。
物件探しでは、書いてある広告だけでなく、書いていないことにも目を向ける必要があります。
広告を見るときに必ず押さえたい基本項目

価格・賃料の見方
マンションや戸建てであれば、1戸あたりの総額で表されます。
- 販売価格:4,280万円(税込)
もし、借地権の物件であれば、借地期間や地代といった条件も表示されます。
- 旧法借地:〇年
- 地代:月〇万円
分譲地のように10戸以上を売り出すような場合は、最も多い価格帯とその戸数が表示されます。
- 販売戸数:20戸
- 販売価格:3,950万円~4,580万円
- 最多価格帯:4,280万円(10戸)
実際に必要なお金は別にも
広告には、都市ガス・プロパン、対面キッチン、シャワー付き洗面化粧台、床下収納などの設備の記載があり、これらは代金に含まれます。
一方で、それ以外にも仲介手数料や登記費用、登録免許税等の費用がかかります。
これらの費用は価格とは別にかかるので、広告の価格=実際に必要な総額ではないという点は理解しておく必要があります。
敷地と建物の面積
建物の面積は、各階の床面積を合計した延べ面積で表示されます。単位は㎡で表示されます。
敷地の面積の他に、私道の持ち分があれば、その面積や負担割合が表示されます。
建ぺい率・容積率
敷地面積に対する建築面積の割合を建ぺい率といいます。また、敷地面積に対する延べ床面積の割合を容積率といいます。
これらは建てられる建物に影響するので、将来建替える時に重要になってきます。
セットバックのある物件
建築基準法では、敷地は4m以上の道路に接していなければならないというルールがあります。
例外として4m未満でも次に建てる時に道路の中心線から2m後退させることで、建築基準法上の道路とみなすという規定があります。
これがセットバックです。
セットバックの部分は道路として扱われるので、建替えの際はその部分は建ぺい率や容積率に算入できません。
そのため、広告に表示されている敷地面積だけを見ると、思っていたより建物が小さくなると感じるかもしれません。
セットバックがある物件では、有効に使える敷地がどれくらいか確認しておくことが重要です。
間取りの見方
間取りを表すのに使われるのが、4LDKや3SLDK、2DKといったものです。
数値は部屋の数を表し、LDKはリビングダイニングキッチン、DKはダイニングキッチンのように表します。建築基準法の居室の要件を満たさないとS(サービスルール)で表すこともあります。
- L→リビング
- D→ダイニング
- K→キッチン
- S→サービスルームや納戸
交通・立地の見方
徒歩のルールとして、徒歩1分は80mとして計算されています。
注意点としては、信号待ちや坂道は考慮されていないことです。
- 信号待ち
- 坂道
- 踏切や横断歩道
私は徒歩15分の坂の上にある物件に住んでいたことがありますが、実際に歩くと20分以上かかってました。
神奈川は海沿いを除いて坂が多いので、実際に自分の足で歩いてみることが大事です。
また、坂が多いエリアでは傾斜地を含む物件が多いです。
傾斜地がある土地は有効部分が少なくなるため、実際に現地で確認することが大切です。
現地で確認すること
- 道路との接道状況
- 前面道路はどれくらいか(セットバックの有無)
- がけがあるか(擁壁が必要)
- 高圧線があるか(地役権)
- 専用通路の使い勝手
- 日当たり
これらは住みやすさだけでなく、建替えや資産価値にも影響するポイントです。
お金の話は広告だけでは完結しない

不動産広告には、物件価格や賃料、設備の内容などが分かりやすく掲載されています。
ただし、実際に必要となるお金のすべてが広告に載っているわけではありません。
たとえば、購入するのであれば、広告に表示されている価格とは別に以下のような費用がかかります。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登記費用
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 固定資産税・都市計画税
また、マンションであれば、管理費や修繕積立金が毎月かかり、これらは将来増額される可能性が高いです。
- 管理費
- 修繕積立金
賃貸の場合でも、
- 更新料・保証料・保険料
- 解約時の原状回復費用
など、契約後に負担となるお金があります。
広告はあくまで「物件の概要」を知るためのものです。
無理のない住まい選びをするためには、契約前に総額や将来の支出まで含めて考える視点が欠かせません。
まとめ|広告は入口、判断は別
不動産広告は、住まい探しの入口として、とても便利な情報源です。
しかし、広告に書かれている内容だけで判断してしまうと、あとから条件の違いや見落としに気づくこともあります。
大切なのは、
- 広告をうのみにしないこと
- 分からない点をそのままにしないこと
- 契約前に一つひとつ確認すること
です。
広告は「決断するための材料」ではありますが、少し立ち止まって考えるだけで、住まい選びの失敗は大きく減らせます。
不安な点がある場合は、契約前に整理しておくことが、結果的にもっともコストのかからない選択になります。

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