賃貸の家賃に関する基礎知識|支払い方法・入居審査・保証会社・滞納した場合の影響まで解説

不動産広告の疑問 不動産

不動産屋をしていると、家賃に関する質問をよく受けます。

  • 「どうやって払えばいいか」
  • 「審査でどこを見られるか」
  • 「保証会社とは何か」
  • 「滞納したらどうなるか」

 

この記事では、家賃の支払い方法から入居審査・保証会社・滞納時の影響まで、賃貸に関わる家賃の基礎知識を解説します。

 

この記事で分かること

  • 家賃の支払い方法の種類
  • 入居審査で見られる5つのポイント
  • 収入と家賃のバランスの目安
  • 自営業者が審査で注意すべきこと
  • 保証会社の仕組みと代位弁済後の債務
  • 家賃を滞納した場合の流れと信用情報への影響

 

家賃の支払い方法

家賃の支払い方法は、賃貸借契約書で定められた通りに支払います。

物件や管理会社によって異なりますが、主な方法は以下のとおりです。

 

支払い方法 内容
口座振替(自動引落し) 指定口座から毎月自動的に引き落とされる。最も一般的
振込 毎月借主が指定口座に振り込む。忘れやすいため注意が必要
持参 大家さんや管理会社に直接持参する。古い物件に多い

現在の賃貸管理では、口座振替(自動引落し)が主流です。

振込の場合は振込期限を毎月確認し、遅れないよう注意してください。

 

支払い期日について

賃貸借契約では、家賃の支払い期日が定められています。

「毎月末日払い」「翌月分を当月25日払い」など物件によって異なります。

契約前に支払い期日を確認し、口座残高が不足しないよう管理してください。

 

入居審査で見られる収入と家賃|5つのポイント

賃貸の申し込みをすると、大家さん・不動産管理会社・保証会社による入居審査が行われます。

審査で重視される主なポイントは以下の5つです

 

1. 収入(家賃支払い能力)

最も重視されるのが収入です。

収入については、給与明細や源泉徴収票で確認できます。

自営業を営む人であれば、確定申告書が収入を証明する書類となります。自営業だと収入というより事業所得が見られます。

 

目安として、家賃が月収の3分の1以内に収まっているかが確認されます。

たとえば月収24万円の場合、家賃の上限目安は8万円程度です。

この目安を超えると審査が厳しくなります。

ただし手取り収入(社会保険料・税金控除後)で考えると実際の可処分所得はさらに少なくなるため、余裕を持った家賃設定が重要です。

 

2. 職業・雇用形態

職業や雇用形態も審査に影響します。

正社員・公務員は審査が通りやすく、非正規雇用・アルバイト・無職は厳しくなります。

収入が安定しているかどうかが判断基準です。

 

職業について差別する人がいるように、不動産の審査でも審査に通りやすい職業と通りにくい職業とがあります。こればかりは大家さんや管理会社によるとしかいえません。

また、賃貸物件がある場所にもよるかもしれません。例えば、水商売の人は避けられる傾向にありますが、風俗店街にある賃貸物件ならむしろ歓迎されることもあります。

 

3. 勤務先・在籍確認

勤務先の規模・業種・安定性も確認されます。

保証会社によっては、在籍確認の電話が勤務先に入ることがあります。

 

4. 信用情報(過去の滞納歴)

過去にクレジットカードの滞納・携帯電話料金の未払い・家賃の滞納があると、信用情報機関に記録が残り、審査に大きく影響します。

特に保証会社の審査では信用情報が重視されます。

 

5. 人柄・応対態度

不動産会社への来店時の服装・態度・言動も審査の参考になります。

賃貸の申込審査では、収入と職業、勤務先、連帯保証人は必ずチェックされると思って間違いありません。

 

自営業者が審査で注意すべきこと

自営業者・フリーランスの方は、審査で見られる「収入」の定義が会社員と異なります。

審査で見られるのは「売上」ではなく「所得」です。

 

確定申告書の所得金額が審査の基準になります。

節税目的で経費を多く計上して所得を低く抑えている場合、審査上の収入も低くなり、審査が厳しくなります。

住宅ローンの審査でも同様の基準が適用されます。マイホーム購入を将来的に検討している場合は、確定申告の所得金額を意識した財務管理が重要です。

 

今は連帯保証人を必要とせず、保証会社を利用することが多い

近年の賃貸借契約では、保証会社への加入がほぼ必須となっています。

 

保証会社とは

保証会社とは、借主が家賃を滞納した場合に、借主に代わって貸主に家賃を立て替え払い(代位弁済)する会社です。

 

重要:保証会社が立て替えても借主の債務はなくならない

保証会社が代位弁済を行った場合、支払い義務が保証会社に移転します。

つまり、借主は今度は保証会社に対して滞納した家賃を支払う義務が生じます。「保証会社が払ってくれたから終わり」ではありません。

 

保証会社の審査

保証会社は独自の審査を行います。

大家さん・管理会社の審査とは別に、保証会社の審査に通ることが入居の条件となる物件が多くなっています。

保証会社には「独立系」「LICC系(家賃保証協会加盟)」「信販系(クレジットカード会社系)」の3種類があり、信販系は信用情報との連携が強く、過去の滞納歴があると審査に影響しやすい傾向があります。

 

家賃を滞納した場合の流れ

家賃を滞納した場合、以下のような流れで対応が進みます。

 

①管理会社・大家さんから連絡

滞納が発生すると、まず管理会社または大家さんから電話・書面で支払いの催促が来ます。

 

②保証会社が代位弁済

連絡に応じない・支払えない場合、保証会社が大家さんに代わって家賃を立て替えます。その後、保証会社から借主に対して求償(立て替えた金額の返還請求)が行われます。

 

③信用情報への記録

滞納状態が1〜2か月以上続くと、保証会社が信用情報機関に事故情報を報告するケースがあります。信用情報に傷がつくと、次回の賃貸審査やクレジットカード・ローンの審査に影響します。

 

④法的手続き(明け渡し請求)

滞納が長期化し、任意での退去に応じない場合は、大家さんが裁判所に明け渡し請求を行います。ただし判決が出るまでに数か月〜1年以上かかることもあります。

 

滞納してしまった場合の対応

うっかり支払いを忘れた場合は、すぐに管理会社に連絡して対応してください。誠実に対応すれば、信用情報への影響を防げることが多いです。

経済的な理由で支払いが難しい場合は、放置せずに早めに管理会社・大家さんに相談することが重要です。話し合いによる分割払いや猶予が認められるケースもあります。

 

家賃滞納者を退去させるのは大変

ドラマなどでは、1か月、ひどいケースだと1日過ぎただけで荷物が部屋から出され、追い出しにあったりします。

今はうるさくなったので、こういった番組はやらせがほとんどですが、昔はこういったことが実際にあったようです。

 

日本は借地借家法という法律で借主が保護されますし、たとえ貸主でも勝手に借主の部屋に入れば住居侵入罪として犯罪です。

賃借権は債権ですが、この借地借家法という法律によって物権のように借主が保護されています。

 

現在の日本では、本人が住み続けたい場合に、家賃の滞納が1か月程度では退去させるのは難しいとされています。

 

借主が家賃を滞納した場合に、貸主との交渉で借主が退去に応じてくれば別ですが、必ずしも応じてくれるとは限りません。

滞納があった場合、部屋の貸主は催告後、裁判所に訴えたうえで、部屋の明け渡しを請求することになります。

そうなると、数か月から1年以上かかることも多く、現実的ではないので早期解決のためには最終的に貸主と借主で話し合うことになることが多いです。

家賃はいいから部屋を出ろとか、毎月の家賃に加えて滞納分を分割で返済するというのが現実的かもしれません。

 

まとめ

賃貸の家賃に関する基礎知識まとめ

  • 家賃の支払いは口座振替が主流。振込の場合は期日管理が重要
  • 入居審査では収入・職業・信用情報・人柄が主に見られる
  • 家賃の目安は月収の3分の1以内
  • 自営業者は売上ではなく所得が審査の対象になる
  • 保証会社が代位弁済しても、借主の債務はなくならない
  • 家賃滞納が1〜2か月以上続くと信用情報に影響する可能性がある
  • 滞納した場合は放置せず、すぐに管理会社に相談する

 

 

本記事は宅地建物取引士・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・マンション管理士が監修しています。詳細は各管理会社または専門家にご確認ください。

 

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