住宅ローンを組む際、多くの方が悩むのが「変動金利か、固定金利か」という選択です。
この選択は、30年以上にわたって家計に影響する重要な判断になるかもしれません。
どちらが正解かは、実は誰にも断言できません。なぜなら将来の金利がどうなるかは、誰にも予測できないからです。
2024年以降の日本の金利環境は大きく変化しました。
日銀の政策金利引き上げを受けて、変動金利・固定金利のいずれも上昇局面にあります。
数年前と同じ感覚で判断すると、後悔につながる可能性もあります。
この記事では、2026年4月現在の最新データを踏まえて、変動金利と固定金利の特徴、判断のポイントをお伝えします。
変動金利と固定金利の違いを理解しよう

変動金利とは?(借入期間中に金利が変動)
変動金利は、その名の通り借入期間中に変動する金利をいいます。
- 変動金利→借入期間中に金利が変動するタイプ
固定金利とは?(借入期間中の金利が固定)
対して固定金利は借入の期間中、金利が変わらないものをいいます。
- 固定金利→借入期間中の金利が固定するタイプ
さらに固定金利には、一定期間金利が変わらない(その後選択)ものと、全期間金利が変わらないものとがあります。
低金利時代はどちらが有利?
ローンを利用する側にとっては、低金利のときに固定金利を選択し、高金利のときに変動金利を選択することが有利とされています。
なぜなら、低金利時代に固定金利を選択すれば、将来金利が上昇しても低い金利のままだからです。
一方で、高い金利の時に変動金利を選択しておけば、将来金利が低下すれば返済額も減るからです。
問題は、借入時点では将来の金利を誰も予測できないということです。過去の成功例・失敗例から学ぶことはできても、未来を正確に読むことはプロにもできません。
2026年4月現在の金利状況

まずは前提として、現在の金利水準を正確に把握しておきましょう。
変動金利|上昇局面に入った
2024年3月、日銀がマイナス金利政策を解除しました。
2024年7月に政策金利を0.25%へ、2025年1月に0.5%へと引き上げました。
さらに2025年12月にも追加利上げが実施され、住宅ローンの変動金利は上昇局面に入っています。
2026年4月現在、多くの金融機関で変動金利の基準金利が0.25%程度引き上げられており、ネット銀行を中心に適用金利は0.6〜1.0%台の水準です(引き下げ幅・条件により変動)。
既に変動金利で借りている方にとっても、2026年7月返済分から金利上昇が反映されるケースが多いとされています。
固定金利|大きく上昇
全期間固定の代表例であるフラット35の金利は、2026年4月時点で2.49%(借入期間21〜35年、頭金10%以上、団信あり)です。
2023年頃の1%台後半と比較して、大きく上昇しました。
これは長期金利(10年国債利回り)の上昇を背景としたもので、固定金利は全般的に高めの水準で推移しています。
過去10年と比較した位置づけ
歴史的に見ると、日本の住宅ローン金利は依然として低水準ではあります。
1990年代初頭は変動金利でも8%を超えた時期がありました。
ただし、2020〜2023年頃の超低金利期と比較すれば、明確に上昇しているのが現在の状況です。
過去のように低金利前提での判断は、今は通用しない可能性があります。
将来の金利上昇リスクに備えるため
一般的には、同時期であればリスクがあるため変動金利の方が固定金利よりも金利が低くなります。
固定金利に乗り換える人が増加しているのは、将来的には金利が上昇すると見込んでいる人が多いからです。
今のうちに固定金利にしておけば、将来金利が上昇しても低い金利のままで済みます。
現在は低金利時代といわれているので、将来の金利上昇リスクが不安な人は、将来に備えて固定金利へと借り換えるのは有効な手かもしれません。
変動金利・固定金利のメリットとデメリット

変動金利のメリット
借入時の金利が低いことが最大のメリットです。同時期の固定金利と比較すると、通常1%以上低い水準で借りられます。
低金利が続けば総返済額が少なくなるのも魅力です。
これまでの日本は長い間、超低金利が続いたため、結果的に変動金利を選んだ方が得をしたケースが多かったのは事実です。
変動金利のデメリット
金利上昇のリスクがあります。半年ごとに見直されるため、金利が上がり続ければ総返済額が増え、家計を圧迫します。
多くの金融機関には1.25倍ルール(返済額の上限が前回返済額の1.25倍まで)や5年ルール(返済額は5年間一定)がありますが、これらは返済額の急増を抑えるだけで、未払い利息が発生するリスクは残ります。
固定金利のメリット
返済額が確定することで、将来のライフプランを立てやすくなります。
教育費や老後資金の計画と合わせて、安心感が得られます。
金利上昇局面に強いのも大きな特徴です。将来どれだけ金利が上がっても、契約時の金利で返済できます。
固定金利のデメリット
借入時の金利が変動金利より高いことが第一のデメリットです。2026年4月時点で、変動金利との差は1〜2%程度あり、差額は総返済額で大きな金額になります。
低金利が続けば変動より多く払うことになります。ただし「低金利が続くかどうか」が借入時点では分からないため、これは結果論とも言えます。
変動か固定か正解はない|だからこそ知識が必要

住宅ローンを選択する際に、多くの人が悩むのが「変動金利」か「固定金利」のどちらがいいのかということです。
借入時点では誰にも未来の金利は予測できない
結論としては、将来どうなるかが誰にもわからない以上、どちらの選択が正しいのかは誰にもわかりません。
変動金利と固定金利のどちらが良いのか知るには、前提として将来の金利がどうなるか分からなければならず、将来の金利がどうなるか分からない以上、現時点では答えが出せないのです。
判断の前に整理しておきたいこと
ご自身に合う選択を考えるうえで、以下を整理しておくと判断の軸が見えてきます。
リスクへの耐性
- 将来、月々の返済額が2〜3万円増えても家計に余裕があるか
- 金利変動を毎月気にする性格か、それとも気にせず暮らせる性格か
返済期間
返済期間が長いほど金利変動リスクの影響は大きくなります。
30年以上の長期で借りる場合と、15年程度の短期で借りる場合では判断が変わり得ます。
借入額と家計に占める割合
- 月々の返済額が手取りの20%以内に収まっているか
余裕があれば金利変動にも対応しやすくなります。
今後のライフイベント
- お子さんの進学時期、配偶者の就労変化、転職・独立の可能性など
- 返済額の上振れに耐えられる期間か
他の資産状況
- 手元の貯蓄、運用資産、退職金見込みなど
- いざという時の備えがどれくらいあるか
これらは金利の「正解」を探すのではなく、ご自身の状況に合う選択を見つけるための材料です。
固定金利で借りても見直しは必要

固定金利を選択すると返済期間中の金利が変わりませんから、固定金利にはリスクがないようにみえます。
固定金利を選べば将来の金利変動に悩まされないと考える方は多いのですが、固定金利でも見直しは大切です。
借り換えで返済負担が軽くなることも
たとえば、過去に高い固定金利(例:3%以上)で借りた方は、その後金利が下がった時期に借り換えをすれば、返済額を大きく減らせた可能性があります。
逆に現在のように金利が上昇している局面では、過去の低金利期に借りた方はそのまま維持するのが有利な場合もあります。借り換えの判断は、その時々の金利状況で変わります。
フラット35でも借り換えは可能
同じ種類(フラット35)の金利タイプを選択しても、その時の適用金利によって返済額は変わってきます。
固定金利はその人が借りた金利が変動しないだけで、その後も市場の固定金利の水準は変動します。
固定金利で借りたからといって見直しをしないとひどく損することもありえるということです。
このようにローン利用者の状況によって、借り換えや繰り上げ返済等、ローンの見直しを行うことで費用を抑えることができます。
フラット35から別のフラット35への借り換えも可能
意外と知られていないのが、フラット35からフラット35への借り換えもできるということです。
同じ全期間固定同士でも、借入時の金利水準が違えば借り換えで恩恵を受けられることがあります。
また、2026年3月以降はフラット35の借り換え時にも「子育てプラス」(子育て世帯・若年夫婦世帯への金利引き下げ制度)が適用可能になりました。
借り換えでもお子さんの人数に応じた金利引き下げを受けられるケースがあります。
借り換えには費用もかかる
借り換えには、保証料・事務手数料・登録免許税・司法書士報酬など、数十万円単位の費用がかかります。
そのため借り換えのメリット額と費用を比較して、実際にプラスになるかを見極める必要があります。
一般的には金利差1%以上、返済残期間10年以上、残債1,000万円以上なら借り換え検討の目安と言われますが、個別のケースによって結果は変わります。
変動と固定|それぞれに合う人の特徴

断定はできませんが、傾向としては以下のような特徴があります。
変動金利が合う可能性が高い人
- 借入期間が短い(15〜20年以内)
- 繰上げ返済の余裕がある
- 金利変動を受け入れられる家計の余裕がある
- 毎月の家計を細かく管理できる
- 共働きなど収入が安定している
固定金利が合う可能性が高い人
- 借入期間が長い(30年以上)
- 家計のゆとりに不安がある
- 金利変動を気にしたくない性格
- 教育費・介護など大きな支出が見込まれる
- 一馬力で返済する
ミックスという選択肢もあります。一部を固定・一部を変動で借りることで、リスクを分散する人もいます。
物件探しと同じくらい「返済計画」が重要
せっかく購入したマイホームも、住宅ローンの返済が続かなければ失うことになります。
住宅ローンは30年、40年と続く長い付き合いです。
物件探しには何ヶ月もかけるのに、住宅ローンの検討は数時間で終わらせる、これが多くの方に共通する傾向ですが、ここに後悔の種があります。
変動金利か固定金利か、どちらを選ぶにしても、「自分の家計でこの返済を続けられるか」を具体的にシミュレーションすることが大切です。
キャッシュフロー表を作り、将来30年分のお金の流れを見える化する、これができれば、どちらの金利タイプが自分に合うかも、より明確に見えてくるはずです。
住宅ローン・金利選びのご相談をお考えの方へ
「自分の家計では変動と固定、どちらが合うか」
「今の金利環境で、借り換えは検討すべきか」
「フラット35の借り換えで子育てプラスは使えるか」
こうしたご相談をお受けしています。
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重要なご注意
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や金利タイプの選択を推奨するものではありません。
金利情勢・経済環境は日々変化しており、記事内のデータは2026年4月時点の情報です。
実際の金利選択・借り換え判断はご自身の状況や最新情報を踏まえ、ご自身の責任でお願いいたします。
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