個人のライフスタイルが変化することがあるように、生命保険の必要な保障も変化します。
たとえば、マイホームを取得したり、家族構成が変化したときは必要な保障が変化するため、保険の見直しが必要といわれています。
生命保険や医療保険では、社会保険をカバーすることを考えて加入するとよい
保険には、国や地方自治体が運営する社会保険と民間の保険会社が運営する保険とがあります。
社会保険には「健康保険」「国民年金」「厚生年金」「介護保険」といったものがあり、国が費用を負担することもあるため、民間の保険会社では対応しきれないものが多くあります。
また、仕事中に起こる業務災害には「労働者保障保険」によって保護されますが、これも国が運営しています。
いろいろと問題が取り沙汰されてる社会保険ですが、社会保険は基本的に強制加入が原則となっており、日本で生活していく上では欠かせないものになっています。
例えば、病気やけがによって病院で診療を受けたときは、窓口で健康保険証を提示すれば医療費の負担が3割で済みます。
また、介護が必要な人も一部負担で介護が受けられ、75歳になれば後期高齢者医療制度があります。
国民年金の被保険者が死亡したときは、遺族年金が遺族に支給されます。
また、社会保険には老後を保険事故とした老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)もあります。
民間会社が運営する保険は、大きく分けると「生命保険」と「損害保険」とがあります。
基本的には、生命保険会社は生命保険のみ、損害保険会社は損害保険のみ扱えますが、最近では、どちらの会社も扱える医療保険や介護保険が主流になりつつあります。
生命保険には、定期保険と終身保険とがありますが、商品選びを間違うと負担が多い割に保障が不足するといったこともあります。
社会保険と民間の保険の大きな違いはいくつかありますが、やはり強制加入と任意加入かは大きいです。
社会保険が強制加入なので、社会保険だけではカバーしきれない分を補うために生命保険を利用するのが合理的です。
医療保険でも生命保険でも、社会保険を知らないと余分な保険料を払う可能性があります。
保険は不足する補償をカバーできているかが大事
生命保険や医療保険の加入で重要なのは、自分に合っているかどうかです。
資産形成の第一歩は、家計の見直しから始めるといわれますが、これには保険の見直しも含まれます。
既に社会保険である程度の保障があるのに、それを知らなければ二重に保険でカバーしていることになります。
反対に終身保険ばかりで高い保険料を払ってるのに、保障が不足しているケースもあります。
その人に必要な保障が2億円だった場合に、社会保険から1億円カバーされるとしたら、保険でカバーが必要な分は1億円で済みます。
2億円の保障が必要だと思っていれば、医療保険や生命保険に倍の保険料を支払うことになります。
同じ保障額でも、定期保険と終身保険とでは保険料が何倍も違います。
いくら多額の保険料を支払っていても、必要な保障額をカバーできていなければ、いざというときの役に立ちません。
終身保険に加入した人の中には、老後のための貯蓄として利用したという人も多いようです。保険ではありませんが、最近は掛け金を所得税の計算から全額控除できる制度もあります。
生命保険は定期的に見直しを
ライフスタイルが変化したときに見直しが必要になるのが生命保険です。
マイホームを取得したり、家族が増えたりした場合に必要な保障が変化するからです。
マイホームを取得すると、団体信用生命保険に加入するので、死亡した場合はそこから生命保険が支払われ、住宅ローンは完済されます。
団体信用生命保険に加入したのに生命保険をそのままにしておくと、余分な保険料を支払うことになります。
また、家族が増えた場合はその人の分だけ必要な保障額が多くなりますし、家族が成長するとともに必要な保障額は減っていきます。
今と違って保険の予定利率が高かった時代は、生命保険に加入しながら資産形成を目指すという人もいたようですが、今のように低い予定利率では、保険で資産形成は厳しいです。
資産形成の大きな目的の一つが老後資金の不足を補うということですが、老後資金の形成が目的なら、生命保険を利用するよりもidecoや国民年金基金の方が有利です。
idecoや国民年金基金は、掛け金の全額を所得控除できたり、受け取り時は公的年金と同様に「公的年金等雑所得」の扱いとされ、節税効果が期待できます。
昔の終身保険では、一定期間を経過した後に解約すると、支払った合計保険料以上にお金が受け取れました。
しかし、今は20年加入しても解約返戻金は利率1%もありません。
今回のまとめ
保険商品は保障機能に加えて貯蓄機能が有るものもありますが、保険の目的の第一はあくまでも必要な保障をカバーすることです。
金融商品は、経済状況などによって利率が変化します。
また、制度改正によって確定拠出年金や国民年金基金といった制度が整備されるなど、時代によって有利な商品は変化します。
何よりその人に合った生命保険でないと肝心の時に役立たないことがあるので、定期的な見直しは必要です。