鎌倉最古の寺として知られる「杉本寺」に行ってきました。
杉本寺は鎌倉幕府が成立するよりもこの場所にあり、寺の裏には三浦氏の杉本城があったとされています。
鎌倉最古の寺として知られている杉本寺には、運慶作といわれる仁王門の仁王像、苔の階段といった有名なものがあります。
また、杉本寺は観光地の格付けとして知られている「ミシュラン・グリーンガイド」にも掲載されている寺院なので、外国人観光客にも人気です。
杉本寺の縁起
杉本寺は、奈良時代(729~749)に光明皇后の命を受けた藤原房前と行基によって建立されたと伝わる寺院です。
本尊は十一面観音像三体です。
光明皇后の命を受けた行基が堂宇を建て、行基みずから刻んだ十一面観音像を安置したことに始まります。
慈覚大師、恵心僧都も十一面観音像を刻んだため、三人の作による三体の十一面観音像が安置されています。
文治5年に失火によって観音堂が焼失する事件が起こりましたが、本尊三体はみずから境内の杉の木の下に避難したため、杉本観音とも呼ばれています。
信心のない者が御堂の前を馬に乗って通り過ぎると落馬したことから、下馬観音とも呼ばれています。
建長寺開山の蘭渓道隆がこの寺を訪れ、袈裟で像の目を覆うと、落馬がなくなったそうです。
建久2年に源頼朝によって再建されると、頼朝は高さ七尺の十一面観音像を寄進しました。
寺の裏山に杉本城跡があり、この城は三浦半島一帯を支配した三浦氏の前線基地だったといわれています。
宗派 | 天台宗 |
山号 | 大蔵山 |
開山 | 行基 |
本尊 | 十一面観音像 |
坂東・鎌倉三十三観音霊場第一番、鎌倉二十四地蔵霊場四番・六番
当山は天平六年(734)光明皇后の御願により、行基菩薩が開山となられ自ら一刀三札され、十一面観世音菩薩を本尊として奉安し創建されました。
爾来坂東第一番の観音霊場として日夜祈念修法されて参りましたが、鎌倉、室町時代の大火、兵火に遭い、江戸期においては、一時期無住の時もあり、後の明治の廃仏毀釈、また震災等により寺運も衰微し、七堂伽藍も観音堂等を除き、悉く焼失倒壊してしまいました。
境内の伽藍復興大勧進案内より
杉本寺の見どころ
杉本寺の伽藍配置図
仁王門
杉本寺の受付場所から急な階段を登ると仁王門があります。
仁王門で阿形と吽形の仁王像が間近で見れます。
迫力ある二体の像は運慶の作と伝わっています。
本堂側から見た仁王門です。屋根にも苔が生えて年季を感じます。
苔の階段
仁王門をくぐった先には、雑誌等でよく見る苔の階段があります。
鎌倉の遺跡の階段には、すり減ってるものが多いですが、杉本寺の階段もそうです。
階段はすり減ったうえ、苔だらけなので、今は通行が禁止になっています。
苔の階段の隣に新しい階段が作られており、拝観客はその階段で移動します。
上から見た苔の階段です。自然が作る緑色に癒されます。
本堂(観音堂)
杉本寺の本尊を安置しているのが本堂の観音堂です。
観音堂と一緒に写っている花は寒緋桜です。寒緋桜は早咲きといわれる桜です。
三体の観音像は、観音堂の奥に安置されているためよく見えませんでした。月に2回開帳されるので、その時に訪れるのがいいかもしれません。
また、中は写真撮影禁止になってます。
その他
弁天様を祀っている弁天堂
お参りすると大きな蔵が建つほどの富に恵まれるそうです。
つばき
鐘楼堂
地蔵
五輪塔がたくさんあります。
権現堂
杉本寺の交通アクセス
住所 | 神奈川県鎌倉市二階堂903 |
交通 | JR「鎌倉駅」から徒歩25分、または金沢八景駅行のバスに乗車して「杉本観音」バス停下車 |
開門時間 | 8:00~16:30 |
拝観料 | 大人300円、中学生200円、小学生100円 |
杉本寺の前を走る金沢鎌倉線
境内に駐車場はありませんが、金沢鎌倉街線を八景方面に少し行ったところにコインパーキングがあります。
鎌倉駅方面に行ったところにもコインパーキングがありますが、金沢方面に行った方が近かったです。
まとめ
杉本寺はミシュラン・グリーンガイドに掲載されている寺院ですが、ミシュランに掲載されていても個人的には微妙な寺院がありますし、反対に掲載されてない寺院の中にも素晴らしい寺院はあります。
実際に訪れてみましたが、苔の階段と古びた山門が素晴らしいと感じました。それと境内は思っていたよりも小さく感じました。
寺院の中には、歴史を知らないと堪能できないものもありますが、苔の階段や仁王像は歴史を知らなくても堪能できます。
杉本寺の近くには、報国寺(ミシュラン3つ星)、浄妙寺(鎌倉五山)、鎌倉宮、荏柄天神社などの寺社があるので、併せて見学するのもいいと思います。
寺社ではありませんが、永福寺跡、旧華頂宮邸も人気です。