住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類の方法があります。
これからマイホームの購入を検討している人は、それぞれの特徴を知っておいても損はありません。
今回は元利均等返済と元金均等返済のそれぞれの特徴についてまとめました。
元利均等返済の特徴
元利均等返済は、住宅ローンでは最も一般的といっていい返済方法です。
住宅ローン利用者の9割以上は、元利均等返済ではないかと思います。
元利均等返済は、元金と利息の合計が毎回一定となる返済方法です。
例えば、金利が変わらなければ、元利均等返済では最初の月も35年後の最後の月も返済額は一緒になります。
違うのは返済額の内訳というか中身です。
この図は私が即席で作ったので、ちょっと歪な図になってしまいましたが、元利均等返済の特徴を表しています。
この図は、縦が返済額を表していて、横は経過年数を表しています。
左は返済回数は少なく、右にいくほど返済回数を重ねていることを意味します。
元利均等返済では、毎月の住宅ローン返済額はずっと同じでも、その内訳が返済回数を重ねることによって変わっていきます。
返済当初は、住宅ローン返済額のうちの利息部分が多く、元金があまり減りません。
しかし、返済が進んでいくにつれて利息部分が少なくなっていき、利息が減った分元金が多くなります(借入金が多く減る)。
元利均等返済は、毎月の返済額が一定なので、ライフプランが立てやすく無理のない返済方法といえます。
ただし、元金均等返済よりも総支払額が多くなるのがデメリットです。
元金均等返済の特徴
元金均等返済は、元金と利息の合計ではなく、元金の減り方が毎回一定という返済方法です。
元金は毎回同じですが、ローン残高が減れば利息も減るので、最初のうちは元金と利息を合わせた合計額(返済額)は大きいですが、後になればなるほど返済額が減少していきます。
この図も、縦が毎月の住宅ローン返済額を表し、横軸が返済回数を表しています。
横軸の左は返済回数が少なく、右にいくほど返済を重ねたことになります。
元金均等返済は、最初から最後まで同じ元金額を返済するため、総支払額(元金+利息)は大きくなりますが、最初から元金を多く減らせるので利息の負担も減らせます。
収入が多い人には向いていますが、余裕がない人の場合は、いきなりローン破綻する可能性があります。
元金均等返済の方が、元利均等返済より総支払額を抑えらることができます。
元利均等返済と元金均等返済の比較
具体例を挙げて、元利均等返済と元金均等返済の違いを比べてみます。
まず、前提条件として、借入額を3000万円、返済期間を35年、金利を2%にして、1回目と10年後と20年後の返済額をそれぞれ見ていきます。
元利均等返済の返済額(借入額3000万円、返済期間35年、金利2%)
月返済額 | 元金 | 利息 | |
1回目 | 99,378 | 49,378 | 50,000 |
10年目 | 99,378 | 60,201 | 39,177 |
20年目 | 99,378 | 73,517 | 25,861 |
元金均等返済の返済額(借入額3000万円、返済期間35年、金利2%)
月返済額 | 元金 | 利息 | |
1回目 | 121,428 | 71,428 | 50,000 |
10年目 | 107,261 | 71,428 | 35,833 |
20年目 | 92,975 | 71,428 | 21,547 |
いかがでしょう、10年スパンでみるとかなり金額に差が出ますね。
ちなみに総支払額では元利均等返済の方が41,738,968円で、元金均等返済の方が40,524,873円でした。
総支払額の差は、約121万円という結果になりました。
元利均等返済と元金均等返済の特徴についてのまとめ
・ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済がある。
・ほとんどのローンでは、元利均等返済が選択されている。
・元利均等返済は、元金と利息の合計が毎回一定になる返済方法をいう。
・元利均等返済は、毎月の支払額が一定のため、ライフプランを立てやすい。
・元金均等返済は、毎回一定の元金を返済していく方法をいう。
・元金均等返済は、収入に余裕がある人向きで、余裕がない人は破産するリスクが高まる。
・元利均等返済と元金均等返済の総支払額を比べると、元金均等返済の方が少ない。
今の金利は事例よりも低いので、よっぽど余裕がある人でなければ、無理せず元利均等返済でよさそうです。加えて繰り上げ返済を活用していくのがよいと思います。