住宅ローン減税とは?令和8年度改正で5年延長・中古住宅13年化された最新制度

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンを利用して自宅を買うと、年末の住宅ローン残高の0.7%が控除されますが、これは「住宅ローン減税」といわれる制度です。

住宅ローンを利用して自宅を新築、増築、購入した場合に、一定の要件に当てはまると利用できます。

 

この制度は昔からありましたが、その内容を変えながら続いてきました。

令和8年度税制改正(令和8年3月31日成立・公布)により、適用期限が5年延長されるとともに、内容にもいくつか大きな変更が加えられています。

要件が変わることがあるので、住宅ローン減税を利用するときは、最新の情報を確認することが大切です。

 

この記事から分かること

  • 令和8年度税制改正で住宅ローン減税がどう変わったか(5年延長・適用要件の緩和)
  • 新築・中古住宅それぞれの借入限度額と控除期間
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ措置と、対象となる条件

 

住宅ローン減税とは

既に述べたように、住宅ローン減税は住宅ローンを組んでいる人を対象にした優遇制度です。

年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税額から最大13年間控除されます。

配偶者控除などの所得控除とは違い税額からの控除なので、効果が大きいお得な制度です。

令和8年度税制改正により、適用期限は令和8年(2026年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までの入居分に5年延長されました。

 

新築住宅、一定の買取再販(令和8年〜令和12年入居)

住宅の種類 借入限度額(一般世帯) 子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せ後
長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 5,000万円
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,000万円程度
省エネ基準適合住宅 2,000万円(令和8年入居分、13年) 3,000万円
その他(省エネ基準を満たさない住宅) 0円(対象外)

 

子育て世帯・若者夫婦世帯とは、19歳未満の扶養親族(子ども)がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指します。

省エネ基準適合住宅は令和8年(2026年)入居分が借入限度額2,000万円・控除期間13年ですが、令和9年(2027年)以降の入居は原則支援対象外となり、令和9年末までに建築確認を受けた場合等に限り、借入限度額2,000万円・控除期間10年で適用を受けられます。

控除期間は、認定住宅等(長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅)は原則13年、その他の要件を満たす住宅も基本的に13年に統一されています。

 

中古住宅(既存住宅)

令和8年入居からは、中古住宅(省エネ基準適合以上)の控除期間が、これまでの10年から13年に延長されました。

また、買取再販住宅(不動産会社がリノベーションして再販売する物件)は新築住宅として扱われ、控除期間・借入限度額も新築と同等になります。

借入限度額は住宅の省エネ性能に応じて設定されており、省エネ基準を満たさない中古住宅は住宅ローン減税の対象外です。

 

借入限度額とは、減税の対象になる住宅ローン残高の上限のことです。

例えば、新築住宅の長期優良住宅等(長期優良住宅・低炭素住宅)を子育て世帯・若者夫婦世帯が取得した場合であれば、借入限度額5,000万円なので「5,000万円×0.7%×13年=455万円」となり、最大で455万円が減税されることになる計算です。

注意が必要なのは、減税の対象となる金額は納めた所得税・住民税が上限になることです。

 

住宅ローン減税の適用要件

住宅ローン減税を利用する場合は、適用要件があります。

  • 自分が居住するための住宅
  • 床面積が原則40㎡以上(合計所得金額1,000万円超の場合は50㎡以上)
  • 合計所得金額が2,000万円以下
  • 住宅ローンの借入れ期間が10年以上
  • 引き渡しから6カ月以内に入居
  • 昭和57年以降の建築、または耐震基準に適合していること

 

令和8年度改正では、これまで原則50㎡以上だった床面積要件が原則40㎡以上に緩和され、この緩和措置は既存住宅にも適用されるようになりました。

ただし、合計所得金額が1,000万円を超える場合は、引き続き50㎡以上が要件となります。

 

省エネ基準が必須に

2024年からは省エネ性能がない新築住宅は住宅ローン減税の対象外になっています。

フラット35では、2024年4月から省エネ基準に適合しない新築は利用できなくなってます。

 

省エネ性能の証明には、以下のいずれかが必要です。

  • 省エネ基準適合:建築士による省エネ基準適合証明書、または住宅性能評価書
  • ZEH:BELS評価書でZEH相当以上の評価を取得
  • 長期優良住宅:所管行政庁(自治体)への申請・認定(着工前の申請が原則)

 

認定は着工前の申請が原則のため、建築後に「やっぱりZEHにしたい」と思っても遡って認定を受けることはできません。

ハウスメーカーや工務店との契約前に、どの認定を取得するか決めておくことが重要です。

 

2030年にはZEHも義務化されることを目指してます。

ZEH水準省エネ住宅のZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net zero energy house)の略です。

 

国土交通省によれば、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」をいいます。

ちなみに国土交通省のサイトでは、LCCM(エルシーシーエム)(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅というものが推奨されてます。

LCCM住宅とは、「建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO₂に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO₂排出量も含めライフサイクルを通じてのCO₂の収支をマイナスにする住宅」です。

LCCM住宅もいずれは義務化を目指すかもしれません。

 

なお、令和10年(2028年)以降は、災害リスクの高い「災害レッドゾーン」に立地する新築住宅は住宅ローン減税の対象外となる予定です。

安全な立地であるかどうかも、これからの住まい選びで重視すべきポイントになってきます。

 

まとめ

  • 住宅ローン減税は、年末の住宅ローン残高の0.7%が最大13年間減税される制度
  • 令和8年度税制改正で、適用期限が令和12年(2030年)12月31日入居分まで5年延長された
  • 中古住宅(省エネ基準適合以上)の控除期間が、令和8年入居から10年→13年に延長された
  • 床面積要件が原則40㎡以上に緩和された(合計所得金額1,000万円超は引き続き50㎡以上)
  • 2024年からは省エネ基準を満たさない住宅は対象外(省エネ基準適合・ZEH・長期優良のいずれかの認定が必要)
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯(19歳未満の扶養親族がいる、または夫婦どちらかが40歳未満)に対して借入限度額の上乗せ措置がある
  • 令和10年以降は、災害レッドゾーンの新築住宅は対象外になる予定

 

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