安い不動産には理由がある|再建築不可・市街化調整区域・事故物件など7つのパターンを解説

不動産

安い不動産には安いなりの理由があります。

これを書きながらテレビを観ていたら、格安の物件を紹介する番組がやってました。

テレビで紹介された物件は、いずれも格安なのですが、いずれも間口が狭く、再建築が不可の物件でした。

今回は、相場より明らかに安い不動産によく見られる理由を、パターン別にまとめました。

 

この記事から分かること

  • 建築基準法の接道義務と、再建築不可物件になる理由
  • 市街化調整区域・私道負担・共有持分など、価格が下がる典型的なパターン
  • 事故物件(心理的瑕疵)の告知ルールと期間

 

接道義務とは|幅員4m以上の道路に2m以上接する必要がある

建築基準法では、建築物を建てるためには、敷地が幅員4メートル(特定行政庁が指定する区域では6メートル)以上の道路に2メートル以上接していなければいけないことになっています。

テレビで紹介されていた物件は、いずれも間口が2mなく、建築基準法を満たしてませんでした。

 

再建築不可物件を購入した場合の選択肢とリスク

もし仮に、テレビで紹介していた物件を買った場合は、骨組みを残して大規模リフォームするといったことで建物を新しくするか、必要な個所のみ修繕していくかといった選択になると思います。

 

再建築不可物件は、建物を解体して新しく建て直すための建築確認を通せないため、建て替えができません。

リフォームする場合も、柱や梁といった主要構造部の全部を残した範囲内での改修にとどめる必要があり、フルリノベーションのような大規模な工事は難しいのが実情です。

 

また、こうした物件は資産価値が低く評価されやすく、住宅ローンの審査でも不利になりがちです。

金融機関によっては担保評価がほとんどつかず、フルローンでの購入が難しいことも多いため、購入を検討する場合は現金や自己資金の割合を高めに見積もっておく必要があります。

 

2項道路(みなし道路)という例外

建物を建てる際には、幅員4メートル以上の道路に間口が2メートル以上接道していなければいけないと書きましたが、前面道路が4メートル以上なくても、再建築の際に4メートルとなるようになれば、大丈夫な場合もあります。

建築基準法施行時に、4メートルなかった道路については、2項道路やみなし道路といわれて建築基準法の道路として扱われることが認められています。

 

市街化調整区域の土地が安い理由

ときどき、市街化調整区域のエリアの土地が売り出されています。

市街化調整区域というのは、市街化を抑制する地域なので原則建物は建てられません。

市街化調整区域では、近隣の住宅の土地と比べても凄く価格が安かったりしますが、その土地は建物が建てられません。

そのため、購入しても資材置き場や農園といった使い道になります。

 

ただし、市街化調整区域でも一切建物が建てられないわけではありません。

都道府県知事等の開発許可を受けられれば、農家住宅や分家住宅、既存集落内の一定の住宅など、限られた条件のもとで建築が認められる場合があります。

とはいえ、許可を得るための要件は市区町村ごとに細かく定められており、一般的な住宅目的での取得には向いていないことがほとんどです。

 

私道負担・境界未確定の土地

接道している道路が公道ではなく私道(個人や複数人が所有する道路)である場合、その私道の持分を敷地とあわせて購入する「私道負担」が発生することがあります。

私道部分には固定資産税がかかる一方、自分の土地としては活用できないため、実質的な土地の価格が割安に見えることがあります。

 

また、隣地との境界が確定していない土地も要注意です。

境界確定測量が済んでいないと、将来的に隣地所有者との間で境界トラブルに発展するリスクがあり、そのぶん価格が抑えられていることがあります。

 

共有持分のみの売却

相続などをきっかけに、不動産が複数人の共有名義になっているケースがあります。

共有者の一人が自分の持分だけを売却する場合、買主は不動産全体を自由に使えるわけではなく、他の共有者との協議が必要になるため、市場性が低く価格も割安になりがちです。

共有持分の売買は権利関係が複雑になりやすいので、購入する場合は特に慎重な検討が必要です。

 

事故物件(心理的瑕疵)

過去にその部屋・建物で人が亡くなった経緯がある「事故物件」も、価格が下がる典型的な理由の一つです。

 

国土交通省が2021年に公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、告知の要否について次のような整理がされています。

  • 老衰や病死といった自然死、転倒や誤嚥など日常生活の中での不慮の死は、原則として告知不要
  • ただし、発見が遅れて特殊清掃や大規模リフォームが必要になった場合は、告知が必要
  • 賃貸借取引では、自然死以外の死(自死・他殺等)や特殊清掃等が行われた死が発覚してから概ね3年が経過すれば、原則として告知不要になる
  • 一方、売買取引についてはこの「3年」という期間の定めはなく、事件性や社会的影響の大きさなどをふまえて、告知が必要かどうかが個別に判断される

 

つまり、賃貸と売買では告知義務の扱いが異なる点に注意が必要です。

事故物件は、心理的な抵抗感から相場より安く売り出されることが多く、気にしない人にとってはお得な選択肢になり得る一方、将来売却する際に同じ告知義務を負うことも理解しておく必要があります。

 

旧耐震基準の物件

1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の物件も、価格が下がりやすい理由の一つです。

耐震性能への不安に加え、住宅ローン控除の適用要件(耐震基準適合証明書等の取得が必要)が絡むこともあり、新耐震基準の物件と比べて売却価格が抑えられる傾向にあります。

 

まとめ

このように安い不動産には安いなりの理由があると思った方がいいと思います。

格安物件を検討する際は、価格の安さだけに目を向けず、「なぜ安いのか」を必ず確認することが大切です。

接道義務、市街化調整区域、私道負担、共有持分、事故物件の告知、旧耐震基準といった点は、不動産会社に依頼すれば重要事項説明で必ず明らかになる部分なので、契約前にしっかり確認しましょう。

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