マンションの機械式駐車場は負の資産か?空きが生む管理費・修繕金不足と購入前のチェックポイント

不動産

区分所有マンションでは、土地に限りがあるため、戸数分の駐車場を用意できないことが一般的です。

その対策として普及したのが、立体駐車場(機械式駐車場)です。

限られた敷地を有効活用できる立体駐車場は、当時は最新の設備とされていました。

ところが最近では、若者のクルマ離れ、高齢者の免許返納、EV充電設備への未対応、SUVやハイルーフの大型化、といった時代の変化により、借り手不足によって全国的に問題となっています。

特に維持費の高い機械式駐車場は、修繕費や管理費にも影響することから、扱いをめぐって組合員同士で意見が分かれることも多く、トラブルに発展するケースも出ています。

なぜ最新設備だった機械式駐車場が、今や問題になってるのか?

不動産広告の疑問

駐車場収入で管理費を補填することが多い

一般的な区分所有マンションでは、駐車場の収入を管理費会計や修繕積立金の財源として組み込んでいることが多いです。

しかし最近では、免許を取らない若者も増えており、若者のクルマ離れが起きています。また、カーシェアの普及、高齢者の免許返納などの影響によっても、以前に比べて駐車場の需要が減少しています。

その結果、駐車場の空きが続出し、想定していた収入を確保できないマンションが増えています。

 

  • 現状:若者のクルマ離れ・カーシェアの普及・高齢者の免許返納など
  • 結果:予定していた駐車場収入が数百万、数千万単位で不足 → 管理費を値上げせざるを得ないケースも

 

1台も停まってない立体駐車場(機械式駐車場)でも維持費が発生

特に問題になってる駐車場が機械式駐車場です。

機械式は、利用されていない状態であっても、保守点検や電気代といった固定費がかかります。つまり、車が1台も停まっていなくても、設備を維持するコストがかかり続けるということです。

さらに部品交換や定期的なメンテナンスも必要なので、維持管理費が平置き駐車場より高額になりやすいです。

 

毎月の保守点検費用

  • 定期点検
  • 消耗部品の交換
  • 故障対応

 

20年~25年で全交換

そして、20~25年経ったときに訪れるのが全交換です。設備の老朽で更新が必要になると、費用は一基で数百万から数千万円になることもあります。そのため、たくさん機械式があるマンションでは、総額が1億円規模になることもあります。

 

機械式駐車場

  • 交換サイクル:20~30年
  • 交換費用:1台当たり80万~120万円

 

 

機械式駐車場の維持費は誰が負担するのか?

機械式駐車場の維持コストは、どこから支出されているでしょうか。

一般的には、修繕積立金や管理費から充当されるので、駐車場を利用していない組合員も負担の対象になります。

その結果、クルマを持っていない組合員も高額な修繕費を負担することになり、全国的な問題になっています。

撤去するのか、更新するのか、平置きにするのか、それとも別の有効活用を考えるのか……をめぐって意見が対立することも珍しくありません。

 

機械式駐車場が抱える構造問題

  • 駐車場が有効に活用されていないケースが増えている
  • クルマが停まってなくても保守点検や電気代がかかる
  • 20年~25年ごとに全交換で数百万~数千万円かかる
  • クルマがない人も負担するため、住民間で不公平感が出る

 

外部貸しという選択

駐車場が空いているマンションなら、近隣の住民に貸し出すということもできます。

しかし、この選択もそう簡単ではないようです。

 

法人税のリスク

駐車場を組合員に貸せば非課税ですが、外部の人に貸して収益事業とみなされると、法人税がかかるリスクがあります。これまで非課税で運営していた管理組合にとっては、新たな事務負担とコスト増につながります。

 

セキュリティの問題

次に、外部の人が敷地内に出入りするので、組合員の中には抵抗感がある人もいます。

マンションは一般的にセキュリティを売りにしてるので、安全性の低下で合意形成が難しくなることも考えられます。

 

管理業務の増加

また、外部の人との契約書作成、未払対応、事故発生時の対応など、新たな管理業務が発生します。

さらには平置きと比べて機械式は使い勝手が劣るといわれています。入出に時間がかかる、操作が必要、クルマのサイズに制限があるなどの理由により、なかなか借り手が出ないかもしれません。

 

駐車場の空き増加は修繕計画破綻のカウントダウンか

駐車場の使用料は、管理費会計・修繕積立金に回るので、使用率が低下すると一気に赤字になるリスクがあります。

その結果、想定収入で計画された長期修繕計画の見直しが求められるかもしれません。

 

危険サイン

  • 空き率→20%以上(要警戒)
  • 他の利用を検討しているか?→放置してたら危険
  • 修繕積立金が上がるリスク・一時金の徴収リスク
  • 長期修繕計画の見直しをしてるか

 

購入前に確認するポイント

  • 駐車場の形式(平置き・2段・3段・地下)
  • 現在の空き台数
  • 更新時期
  • 修繕積立金残高
  • 修繕積立金は低すぎないか

 

まとめ

機械式駐車場は、かつては限られた敷地を有効活用する合理的な設備でした。

しかし、若者のクルマ離れ、高齢者の免許返納、車両の大型化といった想定外の変化により、全国的に問題になっています。

駐車場の利用率が下がれば、駐車場の収入は減少します。それにもかかわらず、保守点検費や電気代はかかり続け、さらには25年ごとに高額な全交換費が発生します。

その結果、住民同士の不公平感からトラブルにつながっているケースも出ています。

マンションの購入時は、専有部分だけでなく、駐車場についても目を向けることが重要です。

 

  • 駐車場の形式(平置きか機械式か)
  • 現在の利用率
  • 交換費用を見込んでいるか
  • 将来的な対策を議論してるか(撤去・別の活用)

 

区分所有マンションは、立地や間取りが重要とされていますが、共用設備の状況も確認することが、10年後の後悔を防ぐことに繋がります。

 

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