人口減少と不動産市場の二極化|神奈川県のデータから解説

不動産

不動産の市場を考える場合、そのエリアでの人口の推移を知り、将来の人口動向を見定めておくことが大切です。

そのエリアでの魅力的な自治と今後の展開次第で将来の人口予測は変化することもありますが、基礎として過去の人口推移からある程度将来の人口動向を知ることはできます。

 

昭和のように人口が増加していた時代は都市部の土地が高騰してしまい、多くのサラリーマンは都市部で住宅が購入できず、郊外が開発されるのを待って住宅を手に入れました。

バブルが崩壊して日本がデフレ時代になった後は、都市中心部の不動産価格が低下し、それまでと変わって郊外から都市部に回帰する流れとなりました。

これには若い世帯の減少も影響してるのはいうまでもありません。

 

この記事から分かること

  • 人口動向が不動産市場に影響を与える理由
  • 日本の将来人口推計(2056年に1億人割れ)と空き家率の最新データ
  • 神奈川県内で明暗が分かれる横浜・川崎と三浦半島の状況
  • 不動産市場の「二極化」が今後も続くと考えられる理由

 

東京圏は好調、地方は不調

不動産価格は需要と供給によって変動するため、需要に影響する人口動向を把握しておくことは重要です。

若い世帯ほど住宅を必要とするため人口構成も重要な要素ですが、近年は高齢者が郊外の戸建てを売却し、利便性の高い駅前マンションへ住み替える動きも増えています。

 

日本の人口は2008年(平成20年)をピークに減少に転じており、これは不動産市場にとってマイナス要因です。

ただし、日本全体で人口が減少する中でも、東京・愛知・大阪を中心とした都市圏では人口が増加傾向にあり、不動産価格も上昇傾向が続いています。

一方、過疎化が進む地方では人口減少に歯止めがかからず、不動産価格も下落傾向にあります。

 

神奈川県内でも明暗が分かれる三浦半島

神奈川県横須賀市は、2013年に転出超過数で全国1位(1,772人)を記録したことがあり、その後も人口減少が続いています。

2024年1月時点の推計人口は約37万人台まで落ち込み、1972年以来52年ぶりの37万人割れが視野に入る状況です。

 

隣接する三浦市も同様に厳しい状況にあります。

2024年3月には人口が4万人を割り込み、ピーク時(1994年、約5万4,350人)から大きく減少しました。

 

人口減少の深刻さを示す指標として「消滅可能性自治体」があります。

民間有識者でつくる人口戦略会議が2024年4月に公表した最新の分析(国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口をもとに、2020〜2050年で20〜39歳の若年女性人口が50%以上減少すると推計される自治体を分類したもの)では、神奈川県内で三浦市を含む1市5町が「消滅可能性自治体」に該当しました。

三浦市は、2014年の日本創成会議による同種の分析でも該当しており、10年経っても状況が改善していないことが分かります。

 

横須賀市・三浦市はいずれも東京への通勤圏内にありながら、人口減少に歯止めがかからず、不動産価格も下落傾向、空き家率も高い状態が続いています。

立地の利便性だけでなく、地域全体の将来性が不動産価格に影響することがうかがえます。

 

日本の人口はどこまで減るのか

国立社会保障・人口問題研究所の最新推計(令和5年推計)によれば、日本の総人口は出生中位の仮定で、2045年に1億880万人、2056年に1億人を割って9,965万人、2070年には8,700万人になると見込まれています。

前回推計(2053年に1億人割れ)と比べると、外国人の入国超過数の増加や平均寿命の延伸により、人口減少のペースはやや緩和されています。

 

人口は、死亡数が出生数を上回れば減少します。

国際的な人口移動(転出入)の影響も年々大きくなっていますが、現時点では出生・死亡のバランスが人口増減の主な要因です。

 

空き家の数は過去最高を更新

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、2023年10月時点の全国の空き家数は900万2,000戸、総住宅数に占める空き家率は13.8%と、いずれも過去最高を記録しました。

前回調査(2018年)と比べて、空き家は約51万戸増加しています。

 

賃貸・売却用や別荘などを除いた「その他の空き家」(活用の見込みが立っていない空き家)も385万6,000戸に達し、年々増加傾向にあります。

 

なお、土地そのものの価値が自動的に減少していくことはありませんが、建物については年数の経過とともに市場での評価が下がっていく傾向があり、木造住宅では築20〜25年程度で建物の市場価値がほぼゼロと評価されるケースも珍しくありません。

建物の価値が下がりきれば、残る資産価値は土地の部分のみになります。

 

こうした中古住宅の資産価値維持に向けた取り組みとして、インスペクション(建物状況調査)のあっせん制度が導入されています。

中古住宅の状態を可視化することは、今後の不動産市場の活性化にとって重要な取り組みの一つです。

 

神奈川県内でも人口増加が続くのは横浜・川崎

神奈川県は人気のエリアが多く、都道府県別に見ると比較的空き家率は低い水準にあります。

特に横浜・川崎・湘南エリアは人気が高いエリアです。

 

一方で、人口減少が続く三浦半島や県西部だけでなく、横浜市内の一部エリアでも空き家の問題は表面化しています。

人口動向は、出生数と死亡数の差である「自然増減」と、転入者と転出者の差である「社会増減」の組み合わせで決まりますが、横須賀市は自然減・社会減の両方が進んでいる状態です。

 

神奈川県内の将来人口予測でも、人口が増加傾向にあるのは横浜市・川崎市など一部のエリアに限られており、県内でも人口動向には大きな差が生まれています。

 

まとめ

  • 日本の人口は2008年をピークに減少局面に入っており、2056年には1億人を割る見通し
  • 全国の空き家率は令和5年時点で13.8%と過去最高を更新している
  • 東京・愛知・大阪などの都市圏は人口が増加傾向にあり、不動産価格も堅調
  • 神奈川県内でも、横浜・川崎と、横須賀市・三浦市を含む三浦半島とで人口動向・不動産価格に明確な差が生まれている
  • 不動産市場は今後も、人が集まるエリアと人口減少が進むエリアとで二極化していくと考えられる

 

政府が少子高齢化を解決できないので、外国人労働者を増やしていく案が出てますが、整備もせずに安易な政策をするのはリスクです。

「大阪では外国人が購入したマンションから日本人が追い出されてるという話も聞きます。」

不動産の購入・売却・活用を検討する際は、現在の価格だけでなく、そのエリアの人口動向・将来性も含めて判断することをおすすめします。

 

 

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、将来の人口動向や不動産価格を保証するものではありません。個別の不動産の資産価値については、最新のデータをもとに専門家にご相談ください。本記事の内容は執筆時点の統計データに基づいています。

 

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