住宅を探していると、木造・鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)といった言葉を目にする機会があります。
さらに耐震・免震・制震といった構造の違いも加わり、何がどう違うのか分かりにくいと感じる方も多いかもしれません。
これらの違いは単なる専門用語ではなく、住み心地・耐久性・資産価値・修繕コストに直結する重要なポイントです。
この記事では、建物の構造ごとの特徴・法定耐用年数・耐震との違いを整理して解説します。
この記事で分かること
- 木造・軽量鉄骨・RC造・SRC造それぞれの特徴
- 各構造の法定耐用年数
- 耐震・免震・制震の違い
- 旧耐震基準と新耐震基準の違い
建物の種類と基本|戸建てとマンションの違い

一戸建ての場合の構造は木造と軽量鉄骨が一般的です。
一方、マンションの場合には、重量鉄骨や鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートといった強度の高い構造が一般的です。
これは、建物の高さや規模、耐久性の要求が違うからです。
- 戸建て → 木造・軽量鉄骨が多い
- マンション → 重量鉄骨・鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリートが多い
木造の特徴

一戸建ての多くは木造で建てられています。
木造は火に弱いですが、木造の工法には、日本古来の在来工法と、北米で主流となっているツーバイフォー工法とがあります。
在来工法(木造軸組工法)
日本古来の工法で、柱・梁・筋交いで骨組みを作ります。
今でも尺貫法により建築されています。
メリット
- リフォームや増改築がしやすい
- 日本の気候・風土に適している
ツーバイフォー工法(枠組壁工法)
北米で主流の工法で、「2インチ×4インチ」の規格材を使用することが名称の由来です。
壁と床で支える箱構造のため、耐震性に優れるといわれています。
メリット
- 耐震性が高い
- 気密性・断熱性が高い
デメリット
- 壁で荷重を支えるため、間取りの変更がしにくい
軽量鉄骨・重量鉄骨(S造)の特徴
軽量鉄骨か重量鉄骨かは、一般的に鉄骨の厚さによります。
- 軽量鉄骨:鉄骨の肉厚が6mm未満。主に一戸建てで用いられる
- 重量鉄骨:鉄骨の肉厚が6mm以上。マンションや大規模建築で用いられる
不動産広告では「S造」と表記されることがありますが、S造は鉄骨造の総称として使われることが多く、重量鉄骨造を指す場合があります。
骨組みが鉄骨で構成されており、鉄骨は高温になると強度が低下する性質がありますが、建築基準法により一定規模以上の建物には耐火被覆が義務付けられています。
また、防音性はRC造に比べて劣る傾向があります。
重量鉄骨は高層建築や大スパン構造に向いており、分譲マンションよりも賃貸マンションで用いられることが多いです。
鉄筋コンクリート(RC造)の特徴

鉄筋コンクリートは、RC造と表記されることもあります。
鉄筋に型枠をあてはめていき、型枠にコンクリートを流し込んで造っていきます。
鉄筋は引っ張りに強く、コンクリートは圧縮に強いため、両者を組み合わせることで耐震性・耐久性・耐火性に優れた構造となります。
多くの分譲マンションがRC造で建てられています。
ただし、鉄筋コンクリートはひび割れ(クラック)が生じやすい性質があります。
定期的な点検・補修が資産価値の維持につながります。
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)の特徴
鉄骨鉄筋コンクリートは、SRC造と表記されることがあります。
鉄骨をさらに鉄筋コンクリートでおおい包んで造ります。
RC造より耐火性・耐震性・耐久性が高く、大規模建築・高層建築に適しています。
その分、施工工程が長くなり、費用もかかります。
近年では、鋼管にコンクリートを充填した柱に鉄骨を組み合わせた鋼管コンクリート構造(CFT構造)も注目されています。
各構造の比較

構造別の主な特徴
| 項目 | 木造 | 軽量鉄骨 | RC造 | SRC造 |
| 主な建物 | 戸建て | 戸建て・低層 | マンション | 高層マンション |
| 耐震性 | 工法による | 普通 | 高い | 非常に高い |
| 耐火性 | 低め | 耐火被覆で対応 | 高い | 非常に高い |
| 防音性 | 低め | 低め | 高い | 高い |
法定耐用年数
法定耐用年数は、税務上・住宅ローン審査上の資産価値の計算に用いられます。
| 構造 | 法定耐用年数 |
| 木造 | 22年 |
| 軽量鉄骨(骨格材の肉厚3mm以下) | 19年 |
| 軽量鉄骨(骨格材の肉厚3mm超4mm以下) | 27年 |
| 重量鉄骨(S造) | 34年 |
| 鉄筋コンクリート(RC造) | 47年 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造) | 47年 |
(注)法定耐用年数は税務上の計算に用いられるもので、実際の建物の寿命とは異なります。適切な維持管理により、法定耐用年数を超えても使用できる建物は多くあります。
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耐震・免震・制震の違い

建物の地震に対する構造には、耐震構造・免震構造・制震構造の3種類があります。
耐震構造
地震の力を建物全体で受け止めて耐える構造です。
最も一般的な地震対策で、建築基準法で最低限の耐震性能が義務付けられています。
免震構造
建物の基礎と上部の間に積層ゴムや滑り装置などの免震装置を設置し、地震が発生した際に建物が水平移動することで、地震の力が建物に直接伝わらないようにする構造です。
耐震構造との違い:家具の転倒が少ない・建物への破壊が小さい
制震構造
建物の枠組みに制震ダンパー(制振装置)を組み込み、地震の揺れを吸収・軽減する構造です。
震に対する構造まとめ
| 項目 | 耐震 | 免震 | 制震 |
| 仕組み | 建物全体で受け止める | 揺れを建物に伝えない | 揺れを吸収する |
| コスト | 低め | 高め | 中程度 |
| 普及度 | 最も一般的 | 高層・免震マンション等 | 戸建て・マンションで普及 |
| 家具への影響 | 大きい | 小さい | 中程度 |
旧耐震基準と新耐震基準の違い
耐震といえば、日本の建物は、建物の竣工が1981年(昭和56年)5月31日より以前か後かで旧耐震基準と新耐震基準とに分かれます。
- 旧耐震基準(1981年5月31日以前)
- 新耐震基準(1981年6月1日以降)
※ 判断の基準は建築確認日であり、竣工日・登記日ではありません。同じ昭和56年でも、建築確認の取得日によって旧耐震か新耐震かが変わります。
| 基準 | 建築確認日 | 要求される耐震性能 |
| 旧耐震基準 | 1981年5月31日以前 | 震度5強程度で倒壊しないこと |
| 新耐震基準 | 1981年6月1日以降 | 震度6強〜7程度でも倒壊しないこと |
住宅ローン控除
新耐震基準かどうかは、不動産の税制優遇(住宅ローン控除等)や住宅ローン審査にも影響します。
1981年5月31日以前の建築確認物件でも、耐震基準適合証明書・建設住宅性能評価書・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書等により耐震基準への適合が証明されれば、各種の税制優遇を受けられる場合があります。
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まとめ|構造の違いは住みやすさと資産価値にも影響する
建物の構造と法定耐用年数
| 構造 | 主な建物 | 法定耐用年数 |
| 木造 | 戸建て | 22年 |
| 軽量鉄骨 | 戸建て・低層 | 19〜27年 |
| 重量鉄骨(S造) | 賃貸マンション等 | 34年 |
| RC造 | 分譲マンション | 47年 |
| SRC造 | 高層マンション | 47年 |
耐震・免震・制震の違い
- 耐震:建物で受け止める・最も一般的
- 免震:揺れを建物に伝えない
- 制震:揺れを吸収する
旧耐震・新耐震
- 判断基準は建築確認日
- 新耐震基準 → 1981年6月1日以降の建築確認
木造・鉄骨造・RC造・SRC造といった違い、耐震・免震・制震といった地震対策、旧耐震・新耐震の違いも、住まいの安全性や資産価値に大きく関わります。
例えば、
- コストや自由度を重視するなら木造
- 耐久性や資産性を重視するならRC造
といったように、目的によって選ぶべき構造は変わります。
物件選びの際は、ぜひ構造にも目を向けて判断することが重要です。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の物件・建築工法の利用を推奨・勧誘するものではありません。
法定耐用年数は税務上の数値であり、実際の建物寿命とは異なります。本記事執筆時点の情報です。

