1月~3月は引っ越しシーズンといわれ、不動産屋が忙しくなる時期です。
普段暇そうにしている不動産屋のおじさんも引っ越しシーズンだけは頑張って働きます。
賃貸を専門にしている不動産会社は、この1月~3月で1年の売り上げの6割を稼ぐこともあるほど不動産会社にとって大事な時期です。
子供の一人暮らしは大きな負担
とある東京の私大のデータによれば、実家からの平均の仕送り金額は9万円を超えるそうです。
大学の入学時に100万円以上かかり、これに加えて仕送りがかかるわけですから、大学生がいる家庭の負担は非常に大きいと言えます。
私立大学と国立大学とでは学費の負担に大きな差があり、私立大学は国立大学と比べて学費の負担が大きいことは知られています。
しかし、自宅から私立学校に通わせるのと、一人暮らしをさせて国立大学に通わせるのとを比較すると、私立大学でも自宅から通わせた方が費用は抑えられるというデータがあります。
それくらい子供の一人暮らしは家庭の負担が大きいというわけです。
部屋探しで予算オーバーなら条件を変える
家賃を安くする方法にもいくつかありますが、比較的簡単にできるのは、条件を変更することです。
例えば、家賃は駅から近いほど高くなり、駅から離れるほど安くなります。
駅から遠い物件を選び、移動は自転車にするといったことも有効です。
物件の条件に優先順位をつけて、譲歩できるところは譲歩するのがポイントです。
そして、エリアを変えることの一番の効果は、物件数が大幅に増えることです。
駅や路線を広げてみる
また、駅や路線を変えてみるといった方法も効果的です。
横浜市であれば、東横線沿線と横浜駅が高めです。
なので、横浜駅ではなく、横浜駅の隣駅にずらして探してみます。
路線であれば、東横線ではなく、別の線で通学できないか探してみるといった感じです。
家賃に差がつく原因
同じエリアでも家賃に差がつくのはどんな原因があるでしょうか。
原因として考えられるのは、建物の築年数、バスとトイレが一緒か別か、洗濯機が室外か室内か、エレベーターのある・なし、駅からの距離、設備・仕様の充実度、建物構造、といったことです。
また、土地売買の相場と家賃は比例します。
同じ駅からの距離で似たような設備でも、土地が高めのエリアは家賃も高めに設定される傾向にあります。
条件の確認(総額費用をみる)
最近の地方の賃貸市場は、需要よりも供給が多いので、家賃以上に賃貸借契約の条件で差がつくことがあります。
どういうことかというと、例えば、礼金がなしの物件と1か月の物件とでも結構な差がつきます。
もしも、家賃が10万円で家賃が2千円安かったとしても、礼金1か月の差は家賃に換算すると50か月分にもなります。
最近は、家賃が一定期間無料になるフリーレント物件もあります。
そのかわり、フリーレント物件では、1年未満の短期解約は違約金が発生することがほとんどです。
よく分からない名目で手数料や会費が発生することもあります。
また、鍵交換費用でも管理会社によって費用に差が出ます。
スポンサーリンク
賃貸物件と分譲物件の質の差
賃貸物件と分譲マンションを比較すると「賃貸物件より分譲マンションの方が質がよい」です。
分譲マンションはお金をかけているので、普通の賃貸アパートよりはるかに質がよく設備も優れています。
分譲マンションは、設備・建物の質が良いので、エリアの平均的な賃料では分譲マンションは借りられません。
不動産投資の相談では、キャッシュフローの分析をしますが、賃貸の目的は家賃収益なので自分が住むわけではなく、質が下がるのは致し方ありません。
設備や建物の質を良くすれば購入費が高くなりますが、嵩んだ購入費を回収できるかどうかを考えなければならなくなります。
反対に分譲マンションや一戸建ては自分が住むのですから質にこだわるというわけです。

ある分譲マンションで賃貸と買い手を募集した例
同じ分譲マンション内でも、売る人がいれば、賃貸として貸す人もいます。
同じ分譲マンションでも、ローンで買えば月々5.8万円なのに、賃貸で募集しているのは13万円といったことも珍しくありません。
これだけの情報でみれば、買った方がよさそうに思えますが、持ち家の場合は賃貸と違って様々な費用がかかります。
この物件では毎月の管理費が17000円かかり、修繕積立金は18000円、固定資産税が毎年98000円くらいかかります。
1か月あたりの費用合計は、41666円です。ローンと合わせたら99,666円です。
賃貸だと気づきませんが、持ち家だと結構費用がかかるということです。
それでも持ち家の方が毎月のコストが安いのは、最初から賃貸収益が目的の人は自分が損してまで貸し出さないからです。
普通に考えれば、自分が損してでも人に貸し出すということは、基本的にはあり得ないですからね。
ただ、そういった例は普通賃貸借よりも一定期間の賃貸借(定期借家とか)で見ることがあります。
自宅を購入したが、転勤になってしまい、自宅を空き家にしておくのはもったいないから等といった理由です。
ネットや雑誌で、賃貸と売買はどちらが得かという記事を見かけます。
こういった記事は、お金だけで比較しているので、建物の質については考慮されていません。
質の異なる物件で賃貸と売買のどちらが得かを比べるのは無駄なんです。
地域によって異なる畳の大きさ
不動産取引は、地域によって慣習に違いがあることがあります。
また、畳の大きさにも地域によって違いがあります。
関西地方と関東地方、名古屋を中心とした中部地方とでは、畳の大きさが違います。
畳の大きさが違うので、住み慣れたエリアから引っ越す場合は、広告を見ての印象と、実際に現地を見た場合の印象とに差が出ます。
大きい順から、関西、名古屋、関東、マンション
関西地方の畳の標準は、955mm×1910mmと、一番大きくなります。
名古屋を中心とした中京間では、910mm×1820mmの大きさとなります。
関東地方は、「江戸間」と呼ばれ、880mm×1758mmの大きさで、一番小さくなります。
また、団地やマンションの畳は、850mm×1700mmで、一番小さくなります。
以上のことから西日本の人が上京して関東で物件探しをする場合は注意が必要です。
不動産の広告では、リビングは広々15帖以上といった表記がされることがよくありますが、実際に見たら大したことなかったなんてことも……。
ワンルームと1Kでも注意
それと、ワンルームと1Kとでも注意点があります。
1Kだとキッチンと部屋が分かれています。
しかし、ワンルームの場合は、キッチンがある部分も含めての広さで表示されるので、実際に内見してみると狭く感じるかもしれません。
他にも天井が低いと圧迫感を感じて狭く感じる原因にもなります。
まとめ
・国公立大学で一人暮らしさせるなら、私立大学で自宅から通わせた方が安くつく
・不動産探しでは、希望条件に優先順位をつける
・なかなか希望の物件が出ない場合は、エリアを変える等、条件を変更してみる
・家賃よりも初期費用で差がつくことがよくある
・分譲マンションは自分が住むため、賃貸は大家さんの収益のために建てるもの
・関西と名古屋と関東とでは、畳の大きさが違う