引越しは、物件探しから実際の移転まで、意外と時間がかかります。
余裕を持ったスケジュールで進めることが、スムーズな引越しの第一歩です。
また、賃貸と売買では流れが異なります。どちらの場合も、事前に全体の流れを把握しておくことで、手続きの漏れやトラブルを防ぐことができます。
この記事では、横浜で宅地建物取引士をしている立場から、賃貸・売買それぞれの物件探しから引越しまでの流れと注意点を解説します。
【賃貸】の場合の部屋探しから引っ越しの流れ

以下、賃貸物件における部屋探しから引っ越しまでの流れはこんな感じです。
①まずは、情報収集する?
インターネットやフリーペーパーで、相場や雰囲気を確認しておくと知らない場所の雰囲気がつかめたりします。
通常は、ネットや住宅情報誌は、物件の詳細について住所が町名までしか表示されていないので、街の雰囲気を知る程度でも違います。
ただし、ネットやフリーペーパーに載ってる物件は古いものがほとんどです。ポータルサイトで毎日更新と謳ってても、それはサイトを運営してる会社の話で、不動産会社はそんな頻繁に更新しません。
入居者募集中であっても実際は1週間前に契約してることも少なくありません。流通してる物件の多くは、どの不動産会社でも紹介できるので常にこういったことが起こります。
②実際に不動産業者に問い合わせる
街・エリアの相場や雰囲気が分かったり、良さそうな物件があれば、実際に不動産会社に問い合わせをしてみましょう。
不動産はそのエリアについて詳しいので、地域のおすすめスーパーなんかも教えてくれるかもしれません。
条件を整理して予算と相場を基準に条件の優先度を決めておくと部屋探しがスムーズに進みます。
③実際に内見をする
条件が決まり、不動産会社に紹介された物件のなかに興味を持った物件があれば、実際に内見をしてみましょう。
実際に内見をしても、いい物件がないようであれば、条件を再度、見直してみる必要があるかもしれません。
特に初めての部屋探しでは、予算オーバーもよくありますから、最低限譲れないポイントを決めておくとスムーズです。
自分なりのチェック一覧を用意しておくのもおすすめです。
内見時に確認しておきたい主なポイント
- 日当たり・採光
- 収納スペースの有無と広さ
- コンセントの位置と数
- 水回り(キッチン・バス・トイレ)の状態
- 騒音(窓を開けた状態で確認)
- 共用部分の管理状態
④申し込み
内見して気に入った物件があれば、担当者にその旨を伝えて申し込みをします。
また、その物件にかかる概算費用を確認します。
- 敷金(退去時の原状回復費用に充当)
- 礼金
- 仲介手数料(宅建業法により上限は賃料1か月分+税)
- 火災保険料
- 保証会社への保証料
- 鍵交換代
- 前家賃(入居月の日割り+翌月分)
最初にかかる費用は、契約前に支払う必要があります。
申し込みをする際、不動産会社によっては申込金が発生することがあります。
申込金は手付金と異なり、キャンセルした場合は返還されるお金です。
契約したら申込金は仲介手数料に変わるので、申込金の相場は1か月くらいです。
悪徳業者の中には、キャンセルしたのに申込金を返還できないと言ってくることがあるようですが、そういう場合は消費者庁や都道府県の宅建業者を管轄する部署に相談してみるといいかもしれません。
⑤賃貸借契約の締結
数日から1週間後、貸主や保証会社の審査が通れば賃貸借契約の締結をします。
契約の前は、重要な事項について宅地建物取引士から説明を受けます(重要事項説明)ので、条件を再確認します。
不明な点はその都度質問することがトラブル回避になります。
重要事項説明の後に契約の締結となります(同日に行うのがほとんど)。
契約時に必要な書類には以下のようなものがあります。
- 住民票
- 印鑑証明と印鑑(シャチハタ不可)
- 身分証
- 連帯保証人の同意書、または保証会社の申込書
など
⑥引き渡し
契約後(契約発生日以降)、鍵を受け取って引き渡し完了となります。
あらかじめ、ガス、電気、水道の手配や引っ越し手配をしておきます。
ガス、電気、水道会社の連絡先は契約書に記載されています。
⑦引っ越し
引き渡し後に、実際に荷物を運んで新生活がスタートとなります。
引越しシーズン(特に3月)は引越し会社の予約が取りにくく、料金も高くなります。早めに引越し会社の手配をすることをおすすめします。
【売買】の場合の物件探しから引っ越しまで

売買物件の購入は、賃貸と比べて資金規模が大きく、手続きも複雑になりますが、大きな流れは同じです。
①資金計画
不動産の売買は多額の資金が必要です。
住宅ローンを利用しない場合も、できるだけライフプランを立ててから購入するのがリスク回避になります。
物件探しをしてから、買う直前にライフプランを立てる人が圧倒的に多いのですが、最初に物件ありきだと気に入った物件を買うための無理があるローン返済計画になってしまうことも多いです。
物件を見る前に資金計画を行うことで、現金で購入するのか、頭金を増やすのか、教育資金をどうするのか、どのようなローンを組むのか、といった様々な視点から考えることができます。
ざっくりとでも資金計画をしておくのがいいと思います。するとしないのとではやっぱり違います。
住宅ローンを利用する場合は、金利の種類・リスク・返済シミュレーションを事前に確認しておくことが重要です。
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②物件の情報収集
相場を知ることを含め、ネットや雑誌等で物件の情報を収集します。
売買は賃貸と違って、長く住むことも前提になるので、子供の通学エリアも調べておくといいでしょう。
一戸建てと分譲マンションのどちらを希望するかでも物件の数は違います。
③不動産会社で実際に物件を内見する
良さそうな物件が見つかったら、実際に不動産会社へ行って内見の手配をしてもらいます。
平日と週末、日中と夜など異なる時間帯に現地を確認することで、騒音・混雑・雰囲気の違いが見えてきます。
アンケートでは、立地、治安、駅までの距離等を重視する人が多いようです。
④申し込み
実際に内見をして物件が気に入ったら、申し込みをします。
売買の申し込みでは、値下げ等交渉の余地があることもありますが、反対に交渉を一切受け付けない業者もいます。
不動産会社によっては、申込時に申込金として金銭を要求する会社がありますが、申し込みをキャンセルすれば申込金は返還されます。
住宅ローンを利用する場合は、契約前に事前審査(仮審査)を行うのが一般的です。
事前審査で問題がなければ、契約後に本審査へ進みます。
⑤重要事項説明
契約前に宅地建物取引士から重要事項について説明を受けます。
聞きなれない言葉も多いし、説明を受けていて楽しいものではありませんが、契約するにあたって重要なことばかりです。
分からないことがあれば、うやむやにせずに質問して理解することが後々のトラブル回避のためにも大切です。
⑥売買契約の締結
重要事項説明が終わったら、売買契約の締結をします。
契約時に手付金を売り主に支払いますが、このときの手付金は解約手付としての性格を有します。
住宅ローンを利用する場合は、売買契約を締結した後に住宅ローンの本申し込みをします。
⑦決済・引き渡し
住宅ローンを利用する人は、銀行等で残金を支払い、一緒に所有権の移転を行います。所有権の移転は司法書士がやります。
その後、物件の引き渡しとなります。
引越し後の手続きリスト

新居への引越し後、以下の手続きが必要になります。
行政への届出
- 住民票の移転(転居後14日以内)
- 国民年金・国民健康保険の住所変更(市区町村窓口)
- 運転免許証の住所変更(警察署・運転免許センター)
- 車両の住所変更(運輸支局・自動車検査登録事務所)
各種サービスへの連絡
- クレジットカードの住所変更
- 銀行口座の住所変更
- 勤務先への住所変更届
- 各種保険の住所変更
ライフライン
- ガス・電気・水道の使用開始連絡(引越し前に手配)
- インターネット回線の移転手続き
まとめ
賃貸の主な流れ
- 情報収集→問い合わせ→内見→申込み→審査・契約→鍵の引き渡し→引越し
売買の主な流れ
- 資金計画→情報収集→内見→申込み(事前審査)→重要事項説明→売買契約(本審査)→決済・引き渡し→引越し
共通の注意点
- ネットの物件情報は古いことが多い
- 申込金はキャンセルで返還される(手付金とは異なる)
- 重要事項説明では不明点を必ず確認する
- 引越しシーズン(3月)は費用が高く予約も取りにくい
- 引越し後の行政手続きは早めに済ませる
不動産というのは同じ物件がないので、いい物件だと出てきてもすぐに決まってしまうことも多いです。
これは賃貸でも売買でも同じです。賃貸で人気の東横線を案内していたら、同じ人で3件続けて途中で申し込みを入ってしまうということがありました。売買でも二度と出てこないような物件は申し込みが多く、抽選で決まったこともあります。
限られた時間の中で満足できる物件を見つけ、契約から引越しまでスムーズに進めるためには不動産会社との連携は欠かせません。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の物件・金融機関の利用を推奨・勧誘するものではありません。
手続き・費用は物件・地域・時期によって異なります。最新情報は各窓口でご確認ください。

