不動産購入は、一生で何度も経験しない高額なものなので、失敗するとやり直しが難しくなります。
また、不動産は高額なので、住宅ローンを利用する人がほとんどですから資金計画も必要です。
住宅ローンで失敗すると、借金だけが残るということにもなりかねませんから、不動産探しと同じくらい重視しておいたほうがいいでしょう。
ここでは住宅を取得する流れについて説明しますが、不動産の購入で失敗しないためには、事前にライフプランやローンについて検討しておくのも必要です。
住宅取得の流れ
住宅の購入は、何回も経験するものではありませんから、流れだけでも知っておくと不安が軽くなります。
最初から物件ありきの人が多いですが、ここではファイナンシャルプランナーの立場からおすすめの流れについてまとめています。
1.住宅購入の計画
先に資金計画をしないと物件ありきの無理な資金計画になりがちなので、最初に資金計画をするのがオススメです。
ただ、現状は9割以上の人が購入する物件を決めた後に資金計画を行っています。
とはいえ、それでもしないよりはリスクを把握することができます。
最近では、ファイナンシャルプランナーに資金計画を相談する人も増えましたが、第三者の視点からアドバイスを受けるのはいいことだと思います。
資金計画では、毎月のローン返済や将来のリスク等を考えます。
資金計画の後は住宅の希望条件を再検討します。
・一戸建かマンションのどちらにするか
・希望のエリア
・希望条件の検討等
2.不動産屋やモデルルームで実際に内見をする
条件が決まったら実際に物件を見学します。
いくつか物件を見ていると、そのエリアの相場も分かってきます。
場合によっては条件の変更も必要かもしれません。
3.物件の再確認、資金計画の確認、申し込み
気に入った物件が見つかれば、検討している物件の周辺状況や資金計画について再確認を行います。
問題なければ、申し込み(マンション等では証拠金を払うことがあります。解約すれば証拠金は返金されます。)をします。
この時にローンの事前審査を行うと手続きがスムーズです。
4.重要事項説明
契約の前に必ず行うのが重要事項説明です。
重要事項説明は、特に重要なことについて法律で事前に説明するよう定めたものです。
重要事項説明は宅地建物取引士が行います。
5.不動産の売買契約の締結
重要事項説明が終わったら売買契約の締結をします。
手付金も契約時に支払いますが、手付金の額は購入不動産の10%程度が相場です。
中にはほとんどない人もいますので相談です。
6.住宅ローンの審査申し込み、金銭消費貸借契約
金融機関へローンの申し込みをします。不動産の売買契約の前にローンの事前審査をしておく方が安心できると思います。
ローンの契約(金銭消費貸借契約)をします。
7.建物内覧会
建物完成後のチェックをします。
中古は売主が引越しをした後に行います。
8.決済、引き渡し
住宅ローンの実行により残金を支払います。
同時に所有権の移転登記等も行います。
9.引っ越し
実際に引っ越しをして入居となります。
土地を先行して取得し、注文住宅を建てる場合は異なる部分もありますが、大体このような流れとなります。
ローンでよくある質問(店頭の金利が適用されると限らない)
メガバンクや地方都市銀行では、住宅ローンの金利を店頭で発表していますが、これは店頭金利といわれる金利です。
ところが実際に住宅ローンを利用している人は、店頭金利で住宅ローンを借りていることはあまりありません。
代表的な金融機関の店頭金利は、2015年現在では、2.475%とされています。
この金利から住宅ローン利用者ごとの優遇幅を控除した金利が実際に適用される金利です。
優遇幅は、住宅ローン利用者や頭金の額で異なったりしますし、金融機関の審査基準にも関わってきますので人によって違います。
現在の優遇幅は1.8%程度が最大のようですが、年々拡大しています。
店頭金利が2.475%で、優遇幅が1.8%であれば、実際に適用される金利は0.675%になります。
店頭金利2.475%-優遇幅1.8%=実質金利0.675%
他の国の住宅ローンと比較しても、他に例がないほどのかなりの低金利ですが、なかなか上昇する気配がありません。
不動産の諸費用にはどんなものがあるか
住宅購入には、本体の価格以外にも様々な費用がかかります。
住宅ローンを組む場合は、さらに費用がかかります。
あわてないためにも諸費用にどのようなものがあるのかを把握しておくことは大事です。
お目当ての物件によってかかる費用は違いますが、新築だと物件の3%から6%、中古だと物件の7%から10%が諸費用としてかかるといわれています。
さらに中古だとリフォーム費用がかかるのが一般的です。
住宅にかかる費用と住宅ローンにかかる費用には以下のものがあります。
住宅に係る諸費用
仲介手数料(不動産会社へかかる手数料)
司法書士への費用(所有権移転の登記等)
住宅用家屋証明書
住民票
印鑑証明
税金や管理費、積立金の精算料等
水道施設負担金
外構費
引っ越し費用
住宅ローンにかかる諸費用
保証料
適合証明書(フラット35利用の場合)
団体信用生命保険料
事務手数料、ローン手数料
ローンあっせん料
事務手数料といっても融資額の2%(4000万円なら消費税と合わせて86.4万)のものから数万円のものまであります。
ただし、融資手数料が安い代わりに他が高いということもあります。
まとめ
不動産購入の流れ
資金計画→物件条件をまとめる→実際に物件を見る→申し込み→事前審査→媒介契約・売買契約→本審査→内覧→残代金決済→引渡し