住宅ローンの利用時には、原則として生命保険に加入します。
民間の金融機関は、住宅ローンを利用するには生命保険に加入できることが条件というのが普通です。
住宅ローン利用時に加入する生命保険は、団体信用生命保険(団信)と呼ばれています。
フラット35だけは、この団信が任意となってますが、多くの人は加入しています。
しかし、団信の目的が残債(住宅ローン)を残さないことであれば、他にも方法があります。
それが収入補償保険の活用です。
フラット35が新しく変わったことにより、現在では今回紹介する方法を使うメリットがなくなってしまいました。
以前は、何十万円も差がつくことが珍しくありませんでしたが、今はそれほどでもないので保険商品次第といったところです。
団体信用生命保険は生命保険
住宅ローンを借り入れる場合は、原則として団体信用生命保険に加入します。
団体信用生命保険(以下団信)は、住宅ローンを利用者や業者に「団信(だんしん)」と呼ばれて広く知られています。
団信は、債務者(お金を借りる人)が死亡した場合に備えて、債務者を被保険者とした生命保険です。
団信に加入しておくことで、お金を借りる人が死亡した場合でも遺族に借金が残らないようにすることができ、金融機関にとってはローンの残りを回収することができます。
通常の団信は、ローン契約者が死亡するか高度障害になった場合に保険がおります。
最近では、三大疾病特約や八大疾病特約が付いたものまであります。
銀行の住宅ローンでは団信に加入することが必須になっていますが、フラット35のみは団信への加入が任意となっています。
ちなみに、団信保険料はローンの返済額に含まれますが、フラット35だけは別途支払いです。
フラット35は団信が任意
フラット35は、住宅ローンで唯一団信が任意加入となっています。
追記:2017年のリニューアルで金利上乗せができるようになりました。
団信+0.18%、新3大疾病付団信+0.24%
フラット35は、団信が任意となっているので団信を利用しないという選択もありますが、もしも住宅ローンの契約者が死亡した場合は遺族に借金が残ってしまいます。
となるとフラット35でも団信に加入するのが望ましいということになりますが、団信は一般的な生命保険でも代用することが出来ます。
しかも、場合によっては団信よりも民間の生命保険を代用した方が安くなることがあります。
生命保険での代用はフラット35に限られますが、団信の代わりに収入保障保険を使うことで安く済むなら検討の余地はあります。
フラット35は団信の加入が任意ですが、実はフラット35にも団信はあります。
フラット35の団信は機構団信といわれ、住宅金融支援機構のホームページ上でも保険料がいくらになるかのシミュレーションができます。
一般的な生命保険では、掛け金と加入時の年齢が保険料に影響しますが、機構団信は加入時の年齢よりも住宅ローンの残り金額が保険料に影響します。
ローンの残り金額が保険料に影響し、年齢はそれほど関係がないため、若い人ほど一般の生命保険と比較して相対的に負担が大きくなります。
なので今回の方法も若い人ほど効果が期待できます。
ここで紹介する一般的な生命保険とは、収入保障保険といわれる種類の生命保険です。
収入保障保険とは
収入保障保険とは、被保険者が死亡した場合等に、年金形式で毎月一定額が受け取れる生命保険です。
収入保障保険では、60歳まで、65歳までと保証される期間を設定します。
また、毎月いくら年金形式で受け取れるかは契約内容次第です。
例えば、65歳までの保障期間で月々15万円受け取れる内容の契約であれば、被保険者が死亡した場合に受取人は、40歳であっても50歳であっても、65歳まで毎月15万円の金銭を受け取れます。
この保障期間まで毎月金銭を受け取れる仕組みを利用して団信代わりに利用します。
もし仮に何も生命保険に加入していない場合にローン契約者が死亡すれば、家族が代わってローンを返済できないと家は差し押さえられます。
もし、住宅ローンの返済額と同額が毎月生命保険として受け取れるのであれば、借金は残ってもローンを返済していくことが可能になります。
団信と収入保障保険を比較した例
フラット35で以下の条件で2920万円のローンを組んだ場合とします。
金利2.18%、融資率90%超、借入時年齢30歳、返済期間35年、3大疾病保障なし
以上の条件であれば、月々のローン返済額は約99,500になります。
収入保障保険を利用する場合は、この金額をカバーできればいいということになります。
2,920万円のローンを借りた場合の機構団信シミュレーションでは、保険料は総額で2,096,000円なりました。
また、ある生命保険会社の収入保障保険では、30歳で加入して65歳まで月々99,500円の保障を得るには、月々の保険料は4,340円になりました。
収入保障保険に35年間加入した場合の保険料総額と機構団信の総額とを比較してみましょう。
機構団信の保険料総額 2,096,000円
収入保障保険総額 1,822,800円
上の例であれば、収入保障保険の方が27万円も安く済むということになりました。
収入保障保険は、最近主流になっている生命保険です。
掛け捨てタイプの定期保険ですが、保険料を抑えたい人に人気です。
フラット35の金利状況
フラット35の金利が少し上がりました。
住宅ローンは融資実行時の金利が適用されますので注意してください。
ここ数か月で金利が0.2%変化していますが、0.2%という少ない金利差でも借入金額が大きければ影響は大きいです。
また、住宅ローンの返済する期間は長期間なので、たとえ0.1%でも利息負担額は大きいです。
フラット35は、全期間固定金利という点に特徴があります。
全期間固定金利なのでライフプランが立てやすいメリットがありますが、変動金利と比べると金利は高くなります。
フラット35と民間の住宅ローンのどちらがいいのかは、総合的に判断しなければ分かりません。
過去の金利推移を見る限りでは変動金利が有利でしたが、今後も変動金利が有利とは限りません。
結局、固定金利と変動金利のどちらがいいかは、支払い終わるまでは判断できません。
また、保証料だけをとってみてみたらA金融機関の方が安くても総合的にみたらB金融機関の方が安いというのはよくあります。