ほとんどの不動産業者は、宅地建物取引業協会か全日本不動産協会の会員なのでレインズが見れます。
レインズというのは、不動産業者のみが見れる不動産の検索サイトをいい、このレインズで検索すれば不動産市場に出回ってる物件を知ることができます。
このレインズを検索していて思うのは、マンション価格が高騰してるということです。
東京、名古屋、大阪の三大都市圏は、全体的に不動産価格が上昇しています。特に東京の都市部でマンション価格が上昇を続けています。
東京の買取り業者も四苦八苦
先日、東京の不動産業者の人と会話したのですが、東京は特に不動産価格が上昇し続けているようで、買取り業者も高くて手が出しにくいと言ってました。
会社に帰ってからレインズのデータを調べてみたところ、東京だけでなく埼玉・千葉といった隣接県でも不動産価格が上昇していました。
なかでもマンションの高騰が大きく、東京23区にいたっては7.6%も前年より上昇していました。
マンションの成約㎡単価の前年同期比(2015年7~9月)
出典 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
確かに下見をしていても不動産価格が上昇したと思うことはありますが、実際は場所によってです。
神奈川は、東京ほど値上がりがすごいわけではありませんが、やっぱり値上がりしてます。県内でも不人気エリアだと下落を続けている都市もありますが。
建設不足では深刻な人手不足
特に新築マンションの値上がりは、明らかです。
新築マンションの供給数は限られるので、新築に住めるというプレミアム分が入っているということもあります。
余談ですが、新築マンションは購入した時点で価値が2割下落するといわれてます。その理由は、販売価格に広告費、人件費、その他の経費が入っているからです。
新築マンションは、東京五輪に向けて需要が拡大してますが、加えて職人不足と材料不足が費用高騰の原因になっています。
特に型枠大工や鉄筋工の人手不足が深刻といわれています。
今後は、建て替えが必要なマンションもたくさん出てくるでしょうから、不動産市場にとっても深刻です。
私も大学時に、学校に通いながら型枠大工として働きましたが、当時は就職氷河期にもかかわらず、仕事がきついことを理由に若い人がいませんでした(40人いるうち20代1人、10代は自分1人)。
当時から現場には外国の人もいましたが、今は建設現場をのぞくと外国人ばかり見かけます。
といっても当時の場合は、外国人を安い賃金で使用できるという理由で外国人を採用してるようでした(本当は違法)が、今は賃金が安いと外国人でも集まらないそうです。ネットの普及で労働基準法の中身が知られるようになったというのもあります。
不動産市場はバブル時代の価格超え
不動産市場はバブル崩壊から右肩下がりだと思っている人もいますが、首都圏についてはバブル時代の価格を超えています。
地方でも場所によってはバブル期並みの所もあり、今は買取り業者も慎重になるほど不動産市場は高値で推移しています。
特に都内のタワーマンションでは、高騰が止まらずに不動産業者でない普通の人が売却益を狙って不動産の転売をしています。
ちなみに不動産の場合は、5年以内に売却した場合に利益が出ると、短期譲渡所得として扱われ税金が倍かかります。これは転売による価格高騰を防止するためもあります。
元サラリーマンが不動産投資セミナーを開催しているほど都内の不動産市場は盛り上がっており、なかなか給料が伸びないサラリーマンが飛びつくように投資物件を買って利益を目指しているようです。
定年後に不動産業を始めたファイナンシャルプランナー(FP)が知り合いにいますが、開業して半年で1億以上の物件を2件契約したそうです。それくらい不動産投資が活況です。
金融機関が融資先を探しているのも昔のバブル時代と同じです。金融機関も生き残りをかけて投資セミナーに参加してます。
以前は、マンション投資は融資がおりにくいとされてきましたが、最近は審査が通ることも多くなっているそうです。ただ、不動産投資セミナーで韓国系の金融機関を紹介するのをみてると、一棟ものよりはやっぱり審査が厳しいようです。
老後不安解消に不動産投資
相続税対策のためにマンションを購入する人が増えていますが、これは相続税対策の一つ節税対策が目的です。
節税対策では、評価額を下げる必要があるので、資産を組み替えることで評価額を下げます。
結果として収益を増やしつつ、節税ができるようになるのが目的です。
おかげで東京のマンションばかり値上がりする一因になっています。
年金だけでは老後生活が成り立たたない、きついといわれることが分かってきたので、そういった不安を解消する手段として不動産投資を選択する人が増えているようです。
誰でも出来る年金不安解消は死ぬまで働くことですが、病気などで働けなくなったらそれもできませんから、収入源を増やすという意味では不動産投資は有効です。
不動産は逃げませんから、銀行にとっても不安定な事業に融資するよりはと、今は積極的に融資しているようです。
日本の不動産を購入したいという外国人も増えています。
出稼ぎ外国人が日本の不動産を購入するケースは少ないですが、外国人ばかりが入居している団地も現れました。
埼玉のある市では住人が中国人ばかりというタワマンもあり、総会や規約に中国語を使うよう要望が出てるそうです。
中国人の場合は、北海道を狙っているそうです。北海道の郊外は値段も安く、きれいな水がとれるので将来の水ビジネスを見据えて買い漁っているという話です。
中国人を専門にした不動産会社を立ち上げる中国人も増えてきました。
不動産はたとえ自分が所有するものでも法律の規制が強く、それを外国人が理解しているか分かりません。
賃貸でも日本の法律や慣習と違うところがあります。
外国人向けの賃貸サービスをする場合は、将来のトラブル回避のためにもしっかりとした説明が必要です。
まとめ
不動産市場の高騰が止まらない。東京五輪後ますます高騰している。
このまま資材や人手不足が続くと老朽化したマンションの修繕が高騰し、特に高齢者の多いマンションでは建替えはおろか修繕すらできなくなる恐れがある。