三浦半島最高峰の山といわれる大楠山に登ってきました。
最高峰といっても242mの高さしかないので、横浜なら半日、東京でも1日あれば帰ってこれます。
大楠山は、242mの低山ながら眺望が優れている山として知られています。
神奈川では天園や仙元山といったハイキングコースと並び、半日で帰れることからハイキング初心者にも人気の山です。
司馬遼太郎さんも、街道をゆく・三浦半島記で大楠山に登ったことを書いています。
大楠山の山頂からの眺めをどこよりも優れていると紹介していました。
大楠山には、以前にも何度か登っていますが、「街道をゆく」を読んでからというもの再び大楠山に登りたいという気になりました。
せっかく大楠山に登るのであれば、できるだけ遠くがはっきりと見えるように、冬の天気がいい日に登ることにしました。
そして、先日、天気が良かったので行ってきました。
大楠山ハイキングコースはいくつかある
大楠山の山頂を目指すハイキングコースは一つではありません。
本やネットで調べた限り、5つのコースがあります。衣笠コース以外は経験済みです。
・前田橋遊歩道コース
JR逗子駅・京急線新逗子駅からバスで「前田橋」まで行き、そこから徒歩70分
・大楠芦名口コース
JR逗子駅・京急線新逗子駅からバスで「大楠芦名口」バス停まで行き、そこから徒歩60分
・衣笠コース
JR衣笠駅から「衣笠公園」バス停、衣笠山公園を経て大楠山山頂を目指すコース、2時間30分
・湘南国際村コース
JR逗子駅からバスで「湘南国際村センター前」から徒歩50分
・塚山・阿部倉コース
JR田浦駅または京急線安針塚駅から徒歩で塚山公園を経て、阿部倉を通って大楠山山頂を目指すコース、2時間40分以上
参考 「横須賀市HP 大楠山」
前田川遊歩道を歩くコースで大楠山の山頂へ
今回私が選んだコースは、比較的初心者向きといわれる「前田橋遊歩道コース」です。
今までに4つのコースは経験済みですが、この前田橋遊歩道コースは緩やかな道が続くので、他のコースと比べて時間はかかりますが子供連れでも登れます。
また、遊歩道は大きな岩を歩いて川を進んで行くので、子供にはちょっとした冒険気分を味わえるコースです。
大楠山に登る5コースの中でも前田川遊歩道コースはメジャーなコースの一つで外国人にも人気です。
前田川の遊歩道へは、JR逗子駅か京急線新逗子駅からバスで「前田橋」まで行きます。
JR横須賀線・逗子駅のバスロータリー
京急線新逗子駅前のバス停からもバスで前田橋に行けます。
逗子駅から前田橋までのバスの運賃は、2020年2月においては380円です。
今回は前田橋へは京急バスで行きます。
前田橋バス停には、逗4、逗71、逗72などの路線が停車します。
前田橋バス停へは、逗子駅からバスに乗って23分、道路の混雑状況によっては30分くらいかかります。
前田川遊歩道は、前田橋バス停の横から入って行きます。
前田川遊歩道から大楠山ハイキングコース入口へ
前田川遊歩道は、国道134号から歩いて2、3分進んだところに入口があります。
ハイカーの中には、前田川遊歩道まで駅からタクシーで行く人もいます。
前田川遊歩道起点、この階段を降りたところが遊歩道です。
前田川遊歩道のコースの案内
2020年2月現在、土砂崩れにより、大楠山登山口から遊歩道終点の区間が通行止めとなっており、全線開通には今しばらく時間が掛かる見込みです。
平成26年10月から平成32年3月31日まで、横須賀ゴミ処理施設建設に伴い、通行止めとなっている区間があります。
遊歩道は、木の通路と大きな石を歩いて進みます。
川のせせらぎが心地よいので、歩いていて気持ちいいです。
遊歩道の途中には階段の上り下りもあります。
ときどきサンダルの人で歩いている外国人を見かけますが、足元は滑りやすいので危険です。
コケの生えている岩場はツルツル滑るので、特に注意が必要です。滑ってズボンを濡らしていた人も見かけました。
左側は一般の生活道です。川沿いの道をこのまま少し進むとハイキングコースの入口があります。
電柱にハイキングコースの案内があります。一般道を進んでしまうとどっちへ行ったらいいか分からなくなるので、コースを外れないように進みます。
大楠山ハイキングコースから山頂を目指す
ここから大楠山のハイキングコースになります。
大楠山で観察できる鳥には、メジロ、ホオジロ、エナガ、シジュウカラ、コゲラ、ジョウビタキといったものがあります。
途中の道には、ぬかるんだ道も多く、登り道で何度か転びそうになりました。
このコースだと緩やかな坂道が多いので、ハイキング初心者に向いています。
150段続く階段がある阿部倉コース、階段が多い湘南国際村コースと比べると、比較的スムーズに登れます。
大楠山ハイキングコースは、登り始めに階段が続きますが、それ以外のところは他のハイキングコースよりも階段の数は少ないです。
歩いていると両脇の森林でリスをよく見かけます。おそらく問題になっているタイワンリスだと思われます。
ハイキングコース入口から1時間30分ほど歩いた頃でしょうか……白い大きな建物が前に現れました。
大楠山の雨量観測所です。
この雨量観測所は登ることができるので登ってみます。
観測所の展望台からは、富士山が見えました。ここからの眺めも良かったです。
こちらは三浦半島・油壷方面
観測所は211mの場所にあるので、周りにはもっと高い山があります。
大楠山山頂からの眺め
雨量観測所からの眺めも良いのですが、今回の目的は大楠山山頂に行くことです。
雨量観測所から大楠山山頂まではわずかの距離です。
この道の左に山頂へと続く道があります。通り過ぎないように左へ進みます。大楠山に限りませんが、ハイキングコースを歩いていて分かれ道に気づかず、通り過ぎて迷うことがよくあります。
この階段を登れば大楠山の山頂に着きます。
前田橋バス停から1時間40分ほどかけて山頂に到着しました。
山頂には、売店やベンチ、トイレがあります。ただし、トイレは水を流せないので匂いがかなり強烈です。
山頂には「かながわの景勝50選 大楠山の展望」の碑が建っています。碑は展望台の横あたりにあります。
過去に登ったときにはなかったので、最近になって建てられたのだと思います。
山頂の広場から見える富士山が見事でした。大楠山が低山ながら絶景の眺めといわれて人気なのも納得です。
山頂にある展望台と売店です。
この展望台が三浦半島で一番高い場所になるので、登ってみました。
山頂に到着したのは9時50分頃ですが、展望台に登れるようになるのは10時からでした。
展望台からは、雨量観測所の建物も見えました。富士山もよく見えます。
大楠山に登るのは今回で8回目?ですが、日中に富士山が見えたのは2月に訪れた時だけです。
ゴルフ場と横須賀の市街地も見えます。
展望台から見た油壷湾と三浦半島の山
展望台が一番の高所なので、広がる絶景を見渡すと気分がよいです。
まとめ
大楠山は、日帰りできる山の中では絶景の眺めでした。
特に天気の良い冬場に行くと富士山や油壷も見えておすすめです。夏場だと富士山が見えることはほとんどなく、油壷湾も霞んでよく見えないことが多いからです。
今回紹介した前田川遊歩道コースは、川のせせらぎを聞きながら歩いて行けて、急な坂も少ないので初心者向きです。
個人的にも湘南国際村コースと並ぶおすすめのコースです。