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公的年金とiDeCo(イデコ)で老後に備える

投稿日:2017年4月20日 更新日:

今の平均的な家庭の老後では、夫婦二人で毎月5万円~7万円不足するといわれています。

これはあくまでも平均的な老夫婦なので、無職期間の長い人や自営業の人はさらに不足する可能性があります。

 

社会保険には、年金制度、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険がありますが、年金制度は特に長年の積み重ねが将来に返ってきます。

先のことだからと何もしなければ、長生きすることがリスクになってしまいます。

 

生きている限り老後は避けることはできません。

生活の収支を改善するには、収入を上げるか、支出を抑えるかしかありません。

しかし、老後は収入を上げる手段が限られます。

もし、老後に働かないのであれば、年金と資産の取り崩しが生活の基盤となります。

老後の生活を決めるもの

①基礎年金

②厚生年金

③老後までに作った資産

④老後の支出

 

現在の国の社会保険負担は毎年増加しているため、現在は利用者の窓口負担を増やすことや、年金の開始年齢の引き上げなどが検討されています。

今までは、現役世帯の保険料を毎年引き上げたり、増税を行ったりしてカバーしてましたが、社会保険財政を見ると今後も国民の生活に負担がかけられそうです。

 

そもそもどうして社会保険がこんなに国民生活の負担となっているでしょうか。

年金制度発足時は、15人程度で1人の年金受給者を支えるといったものでした。ところが今では3人で1人を支える状況です。

また、合計特殊出生率が2を割っている以上、今後も人口減少は進んでいきます。

将来的には1.3人で1人を支えていかなければなくなる時代が来るといわれています。

現役世代からは評判がいまいちの社会保険制度ですが、現役世代もやがては老後を迎えますから、持ちつ持たれつといえます。

 

それと年金については不祥事が多いです。我々の保険料が官僚によって勝手に使い込まれてたり、無駄な施設が作られたり、杜撰な管理によって年金記録が5000万件も消えたりもしました。また、国民年金基金、厚生年金基金等の年金関係の施設の役員は実質的な天下り先になっています。こういった不祥事によって国民の負担が増えることになっています。

 

基礎年金と厚生年金は強制加入、国民年金を納めた方がいい理由

公的年金には、国民基礎年金と厚生年金があります。

公的年金は、法律で定められた要件に該当すれば本人の意思に関係なく加入することになっています。

本人の意思では加入するしないを決められませんから、老後対策は基礎年金と厚生年金を活用したうえで、不足分をどのように確保していくかがポイントとなります。

 

なぜ公的年金に優先して加入するのかですが、まず会社員は厚生年金なので未納ということが原則ありません。

しかし、自営業や無職などの国民年金だけの人は保険料を納めなければ未納となります。

 

国民年金といっても、支給理由は老齢だけではありません。

国民年金には、老齢基礎年金以外にも遺族基礎年金や障害基礎年金といった死亡と障害を支給事由とする年金もあります。

 

また、公的年金は、保険原理を原則としながらも、政府が給付を負担するといった民間の保険とは異なる部分も多く、民間の保険ではできない補助もできたりします。

例えば、民間の保険では保険料を支払わなければ給付を受けられませんが、公的年金では生活保護や免除制度のように保険料を納めなくても年金に反映されることがあります。

政府の年金財政は赤字といわれ、これが民間の保険だと破綻しますが、政府には他の収入から赤字に対して補てんすることができます。

なにより国民年金で受け取れる年金は税金によっても賄われています。

老齢基礎年金は、保険料16,000円を納めると年金額が1,626円増えるので、名目値では10年で元が取れる計算になります。

今の年金の大きな問題は、世代間格差と年金制度(国)に対する不信かもしれません。

 

公的年金に加入(保険料納付)した方がいい理由

公的年金は老後だけではなく、遺族、障害も保障しているため、生命保険の役割もしている。

要件に該当している限り年金が支払われる。

保険料は所得から控除される。

差し押さえられるリスクを回避できる(滞納するとしつこい)。

 

一般的に資産形成で行われているものには、生命保険、投資信託等の金融商品、不動産投資といったものがありますが、老後資産を増やすという目的であれば、iDeCoや国民年金基金といった税制優遇がある制度の利用がおすすめです。

税制優遇がある制度は、加入しているだけでメリットがあるからです。

 

iDeCo(イデコ)の対象が拡大

節税優遇があるiDeCoや国民年金基金のうち、国民年金基金は対象者が自営業などに限られるのでここでは省きます。

 

2017年1月からは、確定拠出年金個人型の対象者が変更されました。

何かと話題のiDeCoですが、制度自体は確定拠出年金の個人型として前からありました。

 

確定拠出年金個人型の対象が拡大したのを機に、名称も確定拠出年金個人型からiDeCoに変わりました。

話題になった理由は、以前は加入者が限定されていたのが、20歳以上60歳未満であれば加入できることになった点です。

 

ただし、効果が高いのでidecoの掛金には月の上限が設定されています。

また、加入者の置かれた状況によって掛け金の上限額が違います、例えば、自営業者は月6.8万円ですが、企業年金がある人は1.2万円だったり、2万円だったりといった具合です。

専業主婦も20歳以上60歳未満であれば加入できますが、所得がない人は効果が薄いかもしれません。

 

iDeCo(イデコ)の3つの節税効果

iDeCo(イデコ)には、3つの節税ポイントがあります。

①所得控除

②運用益の非課税

③公的年金等雑所得として扱われる

 

iDeCoでは、掛け金を拠出すればその年の所得から控除されます。

運用しているときは、運用益に約20%が課税されますが、idecoでは運用益が非課税です。

本来であれば10のうち2が税金で8が手元に残りますが、その分を再投資すれば効率の良い投資が行えます。複利効果の観点から考えてもお得な選択肢といえます。

公的年金と同じ扱いなので、ほかの雑所得より有利になります。一時金で受け取る場合は、退職所得の計算によります。

 

例えば、課税所得が500万円の人が毎月idecoに2万3千円拠出すると、年間の掛け金は27万6千円になりますが、この場合の節税効果は所得税が5万6400円、住民税が2万7600円の合計8万4千円となります。

これを他の金融商品と比較すると、NISAであれば利益を出さなければなりません、生命保険であれば効果は1万円なので、idecoによる節税効果の方が大きいです。

 

iDeCoは個別の年金口座で運用するので転職時にも持ち運びができます。

転職が当たり前の現在では、移管できる制度は必要不可欠といえます。

 

iDeCoのデメリット

iDeCoのデメリットを挙げると、原則途中で任意に脱退することができないことです。

掛金はストップできますが、引き出すことは原則としてできません。

 

また、運用している際のリスクは自分が負うことになります。

節税効果が大きくても、運用リスクを自分で負わなければいけないことが、なかなか普及しないことの理由の一つに挙げられます。

 

ある投資に関するアンケートで「70%の確率で100万円もらえるのと、100%の確率で30万円もらえるのとではどちらが良いか」という質問をしたところ、100%の確率で30万円をもらえる方がいいという人が圧倒的多数でした。

反対に投資経験があったり、金融知識がある人は、70%の確率で100万円を選択する人の割合が多かったそうです。

つまり制度の普及には正しい金融知識と投資知識が必要ということです。

 

今回のまとめ(公的年金とidecoで老後の備え)

idecoは加入者自身がリスクを負うと言いましたが、リスクが少ない資産で運用してもメリットがあります。

所得控除があるので、預貯金や債券といった安全資産でもメリットがあります。

 

公的年金を未納にせず、iDeCoをうまく活用できれば、最低限度の老後生活はできます。

iDeCoで掛け金を拠出しながら、投資や金融を学びつつ、知識を蓄えていくことでも最初はいいと思います。

 

特に自営業者の期間が長い人は、他の人よりも公的年金が少ない(3分の1以下の可能性も)ので、IDECOの加入は有力な選択肢といえます。

  • この記事を書いた人

侍従川

横浜で不動産仲介業とァイナンシャルプランナーをしています。

住宅ローンが老後に与える影響は大きいです。

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不動産だけでなく、ライフプランの相談にも対応してます。

担当:不動産、ライフスタイル、投資、雑用

追加:写真、資格、名所めぐり

資格:宅建士、管業、簿記1級、1級FP技能士、貸金、社労士、高所作業車

有酸素運動で脳を活性化させて予備試験に挑戦してます。

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