住宅ローンは年収だけで決めると危険|失敗しない借入額はライフプランで分かる

ライフスタイル ファイナンシャルプランナー

住宅購入・教育費・老後資金……この3つを同時に考えるのは、とても大変だと思います。

「いくらまで借りても返せるのだろうか?」

「教育費と住宅費のバランスは大丈夫?」

「住宅を購入して老後が苦しくならない?」

このような悩みを解決するのに役立つのが、ライフプラン(人生の資金計画)とファイナンシャルプランニングです。

実はこれ、特別なものではなく、誰でも無意識に行っている考え方でもあります。

本記事では、ライフプランとは何か、なぜ住宅購入に必須なのか、不動産×FPがどんな価値を提供できるのかを解説します。

  1. なぜ住宅ローンは「年収だけ」で決めると危険なのか
    1. 住宅費・教育費・老後資金は同時進行で発生する
    2. 金融機関は年収ベースでしか審査しない
    3. 家族構成や将来設計によって返せる金額は変わる
  2. 住宅購入で役立つライフプランとファイナンシャルプランニング
    1. ファイナンシャルプランナーの役割とは
    2. 実は誰もがやっているファイナンシャル・プランニング
  3. ライフプラン実現のためのファイナンシャル・プランニング
    1. ライフプランが必要になる理由
    2. ファイナンシャルプランニングを考える際に必要な知識
    3. ライフプラン実現の流れ
  4. お金の悩みは分野ごとではなくトータルで考える
    1. 相談先によって提案が偏るリスク
    2. お金は全部つながっているからトータルで考える必要がある
    3. キャッシュフロー表で将来の資金を見える化する
    4. キャッシュフロー表で分かること
  5. 住宅ローンは「年収判定だけ」では足りない理由
    1. 世帯の状況によって返済余力は大きく異なる
    2. 返済額だけでなく将来の支出も考慮する
    3. 無理な借入は老後破綻を招く可能性も
  6. 社会保障の変化で、これからは自分で備える時代へ
    1. 少子高齢化と年金制度の現実
    2. 将来の不確実性に備えるには定期的な見直しが必要
  7. 老後資金づくりは時間を味方につけるのが最大の武器
    1. 時間を味方にするという考え方
    2. 積立×運用で必要額が変わる理由
  8. まとめ|年収だけで決めない。家計全体で考える住宅ローン

なぜ住宅ローンは「年収だけ」で決めると危険なのか

住宅費・教育費・老後資金は同時進行で発生する

なぜ住宅ローンを年収だけで判断すると危険なのかというと、多くの家庭では住宅費・教育費・老後資金の問題を同時進行で解決する必要があるからです。

住宅ローンの返済期間が35年であれば、その間に子供の教育費を積み立てていかなければならず、また、老後の資金も並行して積み立てていかなければなりません。

収入をバランスよく住居費・教育費・老後資金に分配しなければ、いずれかだけに偏ることになります。一つのことに偏ると、将来のどこかで資金不足が生じる可能性があります。

 

金融機関は年収ベースでしか審査しない

金融機関の審査では、顧客の年収から審査を行うだけです。

つまり、貸せる金額=無理なく返せる金額ではない、ということです。

顧客がローンを返済していけるかどうかは顧客側が判断しなければなりません。

 

家族構成や将来設計によって返せる金額は変わる

何を重視するかはその人の家族構成や価値観によって違います。

家を重視する人、田舎暮らしを考えてる人、お金を何に使うかはライフプランによって変わってきます。すべての人が住宅を重視するわけではありません。

 

住宅購入で役立つライフプランとファイナンシャルプランニング

ライフプランやファイナンシャルプランニングと聞くと、どこか難しそうに聞こえるかもしれません。

しかし実際には、海外では生活に欠かせない当たり前の習慣として定着しています。

 

ファイナンシャルプランナーの役割とは

アメリカでは、小学生のうちから金融教育が行われ、投資や将来の資金計画は日常の一部です。

そのため、ファイナンシャルプランナー(FP)は医師・弁護士に次ぐ社会的地位があるともいわれ、人生やお金に関する相談をする身近な専門家と位置づけられています。

とはいえ、ファイナンシャルプランニング自体は特別なことではありません。

例えば、

  • 保険に加入するかどうか考える
  • 住宅を買うタイミングを検討する
  • 老後資金をどれくらい確保すべきか考える

こうした日常の判断こそ、実はすべてファイナンシャルプランニングそのものだからです。

より正確な計画を立てるためには、社会保険・税制・住宅ローン・投資などの知識が必要になりますが、基本の流れは誰でも理解できるシンプルな考え方です。

そして、お客様の夢や希望に合わせて、「どれだけ借りても無理がないか」「教育費や老後資金と両立できるか」といった判断をサポートするのがファイナンシャルプランナーの役割です。

 

実は誰もがやっているファイナンシャル・プランニング

マイホームを手に入れたいとか子供の教育資金を貯めたいといった資産に係ることはお金がかかります。むしろ人が何かの計画を立てようとするとお金がかかることの方が多いです。

 

ファイナンシャル・プランニングとはお金に係る計画のことをいい、毎月3万円貯蓄するとか3年で100万円貯めるといった誰でも行っているようなこともファイナンシャル・プランニングです。

このようにファイナンシャル・プランニングは特別な事でも何でもなく、無意識に行っていることも多いです。

 

ライフプランの意味は人生設計ですが、ライフプランと言った場合は、お金に関する人生設計を指すことが多いです。

中には、ライフプランもファイナンシャルプランニングも同じ意味として使っている人もいます。

私も似たようなものですが、ライフプランは人生設計、ファイナンシャルプランニングは資金計画というのが近いようです。

ライフプラン自体は難しいことではありませんが、キャッシュフロー表を作成する場合に金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などの幅広い知識が必要になるので、そのあたりだけ難しいかもしれません。

 

ライフプラン実現のためのファイナンシャル・プランニング

ファイナンシャル・プランニングの前に、ライフプランについてもう少し詳しく説明します。

 

ライフプランが必要になる理由

ライフプランとは「30歳までにマイホームを購入したい」「子供の大学進学までに300万円の教育資金を準備したい」「老後は田舎で暮らしたい」といった誰もが持っている夢や希望を具体的な人生計画にしたものです。

充実した人生を送るためには、夢や希望に向けたライフプランが必要です。

 

ファイナンシャルプランニングを考える際に必要な知識

そして、このライフプランをお金の面から実現するための計画がファイナンシャル・プランニング(資金計画)です。

ファイナンシャル・プランニングを実現するためには、金融、不動産、住宅ローン、税金、資産運用、相続、社会保険、保険、教育資金といった幅広い知識が必要になります。

 

ライフプラン実現の流れ

  • ライフプランを立てる→現状の問題理解
  • 目標ができる→ファイナンシャルプランニング→実行→修正・改善→達成

 

お金の悩みは分野ごとではなくトータルで考える

事務作業

今までの日本では、不動産の購入は不動産会社、住宅ローンの相談はや銀行に、相続については弁護士や税理士、資産運用であれば証券会社や保険会社と、分野ごとに独立して相談することが当たり前でした。

しかし、これらのことに共通するのはお金に関する問題ということです。

住宅・教育・老後は別々の相談先で考えるものではなく、一つの財布から出ていくお金です。だからトータルで考える必要があります。

 

相談先によって提案が偏るリスク

資産形成を相談する場合に、不動産会社に相談したらワンルーム、証券会社に相談したらファンドラップ、保険会社に相談したら生命保険、こんな感じで解決策が相談先で異なるのもおかしな話です。

資産形成やお金のことはトータルで見なければ、解決は見えてきません。

 

お金は全部つながっているからトータルで考える必要がある

住宅ローンの相談・教育資金の相談・老後資金の相談を独立したものとして捉えてしまうと、お金についてトータルで見ることができません。

  • 住宅ローンにお金をかけ過ぎる→教育資金・老後資金不足
  • 教育にお金をかける→家が買えない・老後破綻
  • →バランスが大事

 

キャッシュフロー表で将来の資金を見える化する

一つの解決策がキャッシュフロー表(将来の資金の流れを見える化した表)といったライフプランをもとにしたお金の流れを一覧にしたものです。

本来は、お金の問題はライフプランという全体の地図があって初めて答えが出ます。

その地図となるのが、キャッシュフロー表 です。

 

キャッシュフロー表を通して将来のお金の流れを知ることで、住宅ローンを組んだときの老後に与える影響、子供の進学と重なって資金の工面が苦しくないか等を見ることができます。

 

キャッシュフロー表で分かること

  • 住宅ローンが老後に与える影響
  • 教育費とのピークが重なる時期
  • 貯蓄が不足しそうなタイミング

 

問題がある場合に、どうすれば達成できるかを考えるのもファイナンシャルプランニングです。

資金の積み立て計画について、選択肢の中から一人一人にあった提案をしてくれるのがファイナンシャルプランナーです。

 

住宅ローンは「年収判定だけ」では足りない理由

マイホームを購入しようと思ってローンを借りる計画がある人は注意が必要です。

 

世帯の状況によって返済余力は大きく異なる

住宅ローンを返済できるかどうかの判断についていうと、現状では年収によって判断されています。

したがって年収が同じ家庭であれば、子供が2人いる家庭も子供がいない家庭も金融機関は同じ額を貸してくれることになります。

このように住宅ローンの無理なく返済できる額(借入額可能額)の算出は、現在は年収で判断されています。

 

返済額だけでなく将来の支出も考慮する

子供がいない家庭と子供が2人いる家庭では、将来にかかる支出は大きく異なるのが普通です。

子供が2人いれば教育資金だけでも2000万円以上は必要で、それ以外の生活費だってかかりますから、子供のいない家庭と子供のいる家庭を比較して住宅ローンに充てられる金額が同じなのはおかしいはずです。

ライフプランを言い換えるなら、生涯に稼いだ、限りある収入について、何に使うか、どのように分配するかの計画です(分配計画)。

 

無理な借入は老後破綻を招く可能性も

家庭ごとのライフプランを無視すれば、老後に破綻する可能性は低くありません。

生きているうちに入ってくるお金が限られている以上、マイホーム以外にも目を向ける必要があります。

いくらでも借りれるからといって無理なく返済できる金額を無視すれば、20年、30年という返済計画が破綻する可能性は高く、無事に完済できたとしても老後破綻は避けられません。

 

社会保障の変化で、これからは自分で備える時代へ

少子高齢化と年金制度の現実

日本は、平成25年に65歳以上が4人に1人となり高齢化率が25%を超えてます。

現在の国民年金や厚生年金の老齢年金の開始年齢は、原則として65歳からとなっていますが、これは3人の現役世代で1人の年金受給者の生活を支えていることを意味します。

さらに今から20年後の平成47年には、3人に1人が65歳以上になる(厚生労働省)といわれており、2人の現役世代で1人の年金受給者を支えることになります。

 

日本は長引く不況の影響で非正規社員が増大し、リストラによる不安等から出生率が低下、また、ニートやフリーターの増加といったことによって人口の構成が大きく変化しました。

日本の人口は50年後には8000万人程度になるといわれており、これは今のカナダの総人口と同じ数の人が日本から消えるということを意味します。

 

将来、一人の現役世代が一人の年金受給者の生活を支えるとしたら、年金の給付額が今と同じ水準で受け取れるというのは考えにくいです。

現在の年金制度は発足した当時と比較して、大きく日本の年齢構造は変化しており、平均寿命も30年~40年延びています。

医療保険制度も同様で、負担額の増加や介護保険の成立、高齢者医療制度の成立と医療保険を取り巻く環境も大きく変化しています。

 

将来の不確実性に備えるには定期的な見直しが必要

最近では老後に2,000万円必要といわれていますが、現在の現役世代が老後も今と同じ水準の生活を維持したいのであれば、今まで以上の老後資金が必要になるはずです。

ここ数十年で日本の経済環境が大きく変化したように、ライフプランも将来の予測を用いるため、大きな変化に対応するためには定期的な見直しが必要です。

  • ライフプランを立てる→定期的な見直し→安心

 

老後資金づくりは時間を味方につけるのが最大の武器

時間を味方にするという考え方

今から老後の話をされても実感がないかもしれませんが、若いうちの少しの苦労がファイナンシャル・プランニングでは大きな効果となります。

早いうちから対策を立てれば、時間を味方につけることが可能になるからです。

この時間を味方につけるという考えはライフプラン、ファイナンシャル・プランニングを考えるうえで大変重要なものになります。

 

積立×運用で必要額が変わる理由

例えば、定年までに老後資金として1億円が必要な人の例を挙げてみましょう。

老後資金が1億円必要といったら多くの人は驚くかもしれませんが、生活していくために必要な金額が月30万円と仮定して、定年後30年生きるとしたら、30万円×12か月×30年で1億800万円が必要です。

ただし、普通の人は国民年金や厚生年金といった公的年金が受け取れるので、年金を控除すれば老後に必要な金額は大分少なくなります。

 

年金受給額は、自営業や保険料納付済期間によっても異なるので一概には言えませんが、ここは平均的な家庭で必要とされる老後資金2,000万円~4,000万円というデータを用い、間をとって3,000万円を目標にします。

3,000万円を30年間で貯金しようとすると単純計算で8万円を超える金額になります。

3,000万円÷30年÷12か月≒8.33万円

 

しかし、これが時間を味方につけて30年間運用できるなら毎月の積立額はだいぶ楽になります。

30年間に3%、5%、7%で運用した場合

  • 3% 毎月5.2万円
  • 5% 毎月3.7万円
  • 7% 毎月2.7万円

資産運用は長期の運用になればなるほどリスク管理の面で有利になることが実証されてるので、時間をうまく味方につけることが大事です。

今だったら、使途は老後資金に限定されますが、確定拠出年金に加入するのも選択肢としてはありかもしれません。

 

まとめ|年収だけで決めない。家計全体で考える住宅ローン

老後資金や住宅ローン、教育費など、人生のお金は長期間にわたって変化し続けます。

だからこそ、ライフプランは一度作って終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。

 

  • 収入の変化
  • 家族構成の変化
  • 住宅購入
  • 転職や独立
  • 投資環境の変化

こうした出来事があるたびに、ライフプランを調整することで、無理のない返済計画、安定した老後資金づくりが可能になります。

特に住宅購入は人生最大の支出なので、年収だけで判断せず、家計全体を見ながら総合的に判断することが重要です。

 

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