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相続争いは右肩上がりで増加傾向

投稿日:2019年1月20日 更新日:

私が子供の頃は、高齢者というとお年寄りのイメージでした。

公的年金などの社会保険では、高齢者は65歳以上という定義があります。

65歳以上を高齢者としてるので、65歳になると老齢を原因として老齢基礎年金及び老齢厚生年金を受け取れます。

 

今は65歳以上でも若い見た目の人が増えたので、ピンとこない人も多いかもしれません。

とはいえ、老齢になると病院に通う機会が増え、相続について考えるようになります。

私が所属しいる不動産やFPの勉強会でも、相続に関するテーマを取り上げられることが増えています。

もめる相続問題

相続問題が裁判所に持ち込まれたケースは、年々増加傾向にあるといわれてます。

相続人間で争うことになる相続を「争族」などということもあるほどです。

相続と聞くと、相続税のかかる人だけの問題と考える人がいますが、相続対策は税金対策だけではありません。

実は、家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件は5000万円以下のものと5000万円超えのものとを分けると、圧倒的に5000万円以下の相続の方が多くなっています。

 

平成28年度に裁判所に持ち込まれた争族は、司法統計のホームページによると12,188件でした。

また、司法統計のホームページの「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」を見てみると、

5000万円超の件数は約1500件なのに対し、5000万円以下の相続では5000件を超えています。

このように相続でもめるかもめないかは、金額だけの問題ではないということです。

 

争族関係の相談件数も毎年増加傾向にあるといわれ、現在でも年間20万件近い相談があるようです。

 

実際、もめない相続のための対策として、遺言の作成件数が右肩上がりに増えています。

 

相続人には順位がある

遺言書がない場合は、法定相続人の配偶者や子、父母等が相続します。

誰が相続するかは、民法によって相続人の順位と相続分が決められています。

配偶者は常に相続人となり、第一順位は子、第二順位は父母祖父母等の直系尊属、第三順位は兄弟姉妹といった順番です。

第一順位の子がいないときは第二順位の父母(父母がいなければ祖父母)、第一順位も第二順位もいないときは第三順位の兄弟姉妹が相続します。

配偶者:常に相続人

第一順位:子

第二順位:父母・祖父母・曾祖父母……

第三順位:兄弟姉妹

 

順位で相続分が変わる

相続分の割合も相続人の順位で変わります。

配偶者と子がいる場合は、配偶者が1/2、子が1/2です。子が複数いるときは1/2を均等に割ります。

配偶者と父母の場合は、配偶者が2/3、父母が1/3を相続します。

配偶者と兄弟姉妹の場合は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4です。

父母も兄弟姉妹も、同じ順位の相続人がいれば人数で割って均等に相続します。

 

ただ、遺言書に法定相続と異なる定めがあれば、そちらが優先されます。

 

遺言書はもめない相続の第一歩

遺言は財産がたくさんある人だけが遺すものではありません。

前述したように、法定相続人が複数名いるともめる相続になりやすいからです。

 

たとえば、旦那さんが亡くなり奥さんが悲しみに暮れていると、会ったこともない義理の兄弟から遺産をよこせと連絡があった何て話も聞きます。

こういった場合に備えて遺言書を遺すのは有効です。

法律上は、法定相続人が最低限受けられる遺産として遺留分の定めがあります。

遺留分は法定相続分の半分なので、配偶者なら1/4、子も1/4といった感じで最低限受け取れます。

ここで兄弟姉妹だけは遺留分がありません。上の例では、遺言で奥さんだけに相続させると指定しておけば、会ったこともない義理の兄弟に財産を渡すこともなかったことになります。

遺産分割

相続人が複数名いる場合の相続財産は、相続人の共有の財産となります。

共有の財産となった相続財産を相続人それぞれに分割することが遺産分割になります。

 

協議分割とは

相続人全員で協議して相続財産を分割する方法が協議分割といわれる方法です。

遺言がある場合はそれに従うことになると思うかもしれませんが、遺言がある場合でも相続人全員の協議によって合意が成立すれば協議分割による方法が優先されます。

協議分割では、特定の相続人を除外することは出来ず、また、相続人から分割の要求があった場合は応じなければならないとされています。

協議するには、相続人全員の参加と合意が必要になります。

 

指定分割とは

被相続人(亡くなった人)となる人は、遺言によって分割方法を決めたり、第三者に委託することができます。

相続財産を遺言や第三者に委託して分割方法を指定することを指定分割といいます。

指定分割では、分割方法だけや、財産の一部だけを指定するといったことも認められています。

指定されていない部分については、協議分割によることになります。

 

分割方法

遺産分割の方法には、現物分割、換価分割、代償分割といったものがあります。

 

現物分割

金額や割合によって相続財産を分割する方法です。

現物分割が一般的な分割方法になります。

 

換価分割

相続した財産を金銭に換価して分割する方法を換価分割といいます。

 

代償分割

複数の相続人のうちの特定の人が相続財産を相続する代わりに、他の共同相続人に自分の財産を引き渡すのが代償分割です。

相続財産を分割できない場合に代償分割の方法がとられることがあります。

例えば、事業の相続を特定の人に承継させる場合は、承継した人が承継していない人に自分の財産を代わりに支払うといったケースがあります。

 

おわりに

もめない相続対策として遺言書は有効です。

相続によっては法定相続人が遺留分を請求してくるかもしれませんが、無用なトラブルを避けるためにも有効です。

また、事前に相続について家族で話し合っておくことも有効です。

  • この記事を書いた人

侍従川

横浜で不動産仲介業とァイナンシャルプランナーをしています。

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担当:不動産、ライフスタイル、投資、雑用

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