令和3年に国の名勝に指定された「神仙郷(しんせんきょう)」を見るため箱根に行ってきました。
2年前に新しく国の名勝に追加されたばかりですが、指定された時から行きたいとは思ってました。
神仙郷の様子はネットでも見れますが、いくつか写真を見た中で私が惹かれたのは紅葉よりも春夏(4月~8月)の苔庭でした。
梅雨の時季で天気予報も曇りでしたが、天気が悪い方が幻想的な神仙郷が見れると思い行くことにしました。
神奈川県内にある「国の名勝」
名勝は、芸術的、観賞上価値の高いものとして国が文化財保護法に基づいて指定した場所をいいます。
都道府県や市町村が指定するものもありますが、ここでは国の名勝について紹介します。
神奈川県内には、今回訪れた神仙郷以外に国の名勝が5か所あります。
横浜市にある「三渓園」と「山手公園」、鎌倉市にある「建長寺庭園」「円覚寺庭園」「瑞泉寺庭園」の5つです。
いずれも歴史的に価値ある、神奈川を代表する庭園や公園で、多くの人で賑わっています(山手公園だけ少ない)。
(三渓園2019年)
(山手公園2018年)
(建長寺庭園2019年)
(円覚寺2018年)
(瑞泉寺庭園201?年)
これら5か所に続いて令和3年に新しく国の名勝に指定されたのが「神仙郷」になります。
神仙郷は、箱根美術館の敷地内にある庭園です。
神仙郷と箱根美術館
神仙郷は、箱根美術館を創立した岡田茂吉(1882~1955)が整備した近代庭園です。
岡田茂吉は「美術品は決して独占すべきものではなく、一人でも多くの人に見せ、たのしませ、人間の品性を向上させる事こそ、文化の発展に大いに寄与する」との信念により、戦後、東洋美術の優品の蒐集につとめ、海外への流出を防ぎ、昭和27年に財団を設立、箱根美術館を開館しました。
岡田茂吉が理想とした地上天国をあらわしたのがここの庭園で、私も庭園目当てに訪れましたが、美術館の方もなかなか見応えがありました。
展示されている美術品はその時によって異なるみたいですが、縄文時代の土器、埴輪、鎌倉・室町時代の壺や甕などが見学できました。
本館の中国風の屋根も大きな特徴です。ただ、この写真では屋根が見えません。
私が訪れたこの時は近代日本の木版画が展示されてました。2023年6月9日から9月6日までは近代日本の木版画が見学できます。
箱根美術館の開館時間
開館 | 4月~11月 9:30~16:30(16:00までに入館) 12月~3月 9:30~16:00(15:30までに入館) |
休館 | 木曜日(祝日は開館)、年末年始、11月は無休 |
観覧料 | 大人900円 |
アクセス
車 JR小田原駅から40分
電車 箱根登山鉄道で小田原駅から強羅駅、ケーブルカーで強羅駅から公園上駅、公園上駅下車すぐ
(最寄りの公園上駅)
夏の神仙郷
受付でチケットを購入後、庭園は時計と反対周りにまわりました(本館が近いから)。
敷地内に入ると早速見事な日本庭園です。
入口から入ると右手にあるのが創立者を紹介している別館です。
そして、少ししか見えませんが橋(八ツ橋)の先にある建物が萩の家です。
萩の家を進むと竹庭があります。
中国風の素晴らしい庭園です。ただ、竹庭だったら鎌倉でも見れるなと思いました。
竹庭の階段を登った先に本館があります。
本館から出て反時計回りに進むと石楽園です。
大きな石と渓流が素晴らしく、苔庭とは違う空間美が楽しめます。
石楽園は開放感があって、周りの眺めも素晴らしかったです。
石楽園を下った先にパンフレットで見た苔庭があります。
ネットでは紅葉の神仙郷がおすすめとありますが、夏の神仙郷の光景は非常に良かったです。
立ってる木が緑というのがより幻想的な光景を醸し出してると感じました。
写真を通してだとやはり迫力が落ちるので、是非現地で見ることをおすすめします。
ちなみに苔庭前にある茶室(真和亭)では、お茶(有料)を飲みながら苔庭を楽しめます。
おわりに
今回は車で行ったのですが、箱根に入ったあたりから天気が悪くなりました。
箱根美術館の見学後、ついでに仙石原まで足を延ばしたのですが、霧雨がひどく前方が見えなくなることもありました。
箱根に来るのは今回で4回目ですが、梅雨、夏の時季は初めてなのでびっくりしました。
横浜や湘南よりも箱根は雨が多いみたいです。
ネットや雑誌では紅葉の時季がおすすめみたいなので、機会があったら11月頃に再び訪れたいと思います。
今回で神奈川県内にある国の名勝は全部見学したことになりますが、ここはおすすめです。
天気が悪く、霧雨だったというのも逆に良かったのかもしれません。これが快晴だったら今回ほど幻想的ではなかったと思います。
今までは三渓園が一番でしたが、負けないくらいに良かったです。
天気が良くない梅雨時季の神仙郷おすすめです。