不動産

マイホームを持ったらかかる税金

投稿日:2019年8月8日 更新日:

今まで賃貸に住んでた人が始めて不動産を購入すると、こんなに税金がかかるのかと驚く人がいます。

不動産は身近なのに、不動産に関する法律は専門用語が多いことから、ややこしいと感じる人は多いです。

不動産の価格にも、時価、公示価格、基準地価格があり、また、不動産の税金を計算するときの固定資産課税や路線価といった基準になる価格が複数あることも分かりにくくしています。

 

マイホームを取得した時には税金がかかりますが、一方で軽減措置や控除が受けられることもあります。

軽減措置や控除というと住宅ローン控除(所得税の住宅借入金等特別控除)が有名ですが、耐久性や安全性など住宅機能が一定の基準を満たすことで軽減税率が適用されたりします。

 

不動産の登記をした時にかかる登録免許税

土地や建物の所有権を登記した場合にかかる税金が登録免許税です。

登録免許税は、固定資産課税台帳に登録された評価額(以下不動産価格)に税率をかけて求めます。

登録免許税の原則上の税率は以下のようになっています。

登記の原因 税率
所有権の保存 4/1000
売買・贈与 20/1000
相続 4/1000

また、住宅ローンを借り入れた時にも4/1000の登録免許税がかかりますが、こちらは債権額が課税価格になります。

 

評価額のない建物については、課税標準認定基準をもとに計算します。

横浜地方法務局ホームページ

 

登録免許税の軽減

国税の登録免許税では、令和1年8月現在、軽減税率が適用されています。

令和6年の税制改正により、延長されています。

 

・土地売買による所有権移転登記では、1.5%の税率が適用されます。

・認定長期優良住宅の建物も軽減税率が適用され、一戸建ては0.2%、マンションは0.1%の税率となっています。

・認定低炭素住宅の家屋は、0.1%の軽減税率が適用されます。

・その他の住宅用家屋では、所有権の保存登記が0.15%(本則0.4%)、所有権移転登記が0.3%(本則2.0%)の軽減となっています。

 

不動産が新築されると所有権を取得した人は1か月以内に表題登記が必要(義務)です。

その後、所有権保存が行われ、売買があると移転が行われるといった流れです。

 

・土地の軽減税率は、令和8年3月31日までに登記を受けると適用されます。

・住宅用家屋の軽減税率は、令和9年3月31日までに一定の要件を満たす住宅を新築または購入し、1年以内に登記を受けると適用されます。

 

土地や建物を取得した場合にかかる不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物といった不動産を取得した人にかかる都道府県税です。

不動産取得税の金額は、不動産の価格(課税台帳の評価額)に税率をかけたものです。

原則は4%ですが、土地又は住宅を令和3年3月31日までに取得した場合は軽減の対象です。

不動産取得税の軽減も令和9年3月31日まで延長されてます。

 

原則

不動産の種類 税率
土地 3%
住宅 3%
住宅以外の家屋 4%

また、宅地を令和9年3月31日までに取得した場合は、土地の価格が1/2となる(税金が軽減される)特例措置があります。

 

住宅について不動産取得税が軽減されるための要件

住宅が不動産取得税の軽減の対象になるためには、以下の要件を満たす必要があります。

 

・新築住宅の場合は、床面積が50㎡以上240㎡以下

 

・中古住宅の場合は、床面積が50㎡以上240㎡以下のうえ、以下の要件をどちらも満たすことが必要です。

①昭和57年1月1日以降の築であること、または新耐震基準に適合していることが証明できること(2年以内に調査を行った適合証明書など)

②取得した住宅に取得者が居住すること

 

住宅について不動産取得税が軽減される額

・新築住宅は、不動産価格から1200万円が控除されます。

認定長期優良住宅を令和8年3月31日までに取得した場合は1300万円が控除されます。

 

・中古住宅の場合は、取得した建物を建築した時期に応じて控除される金額が異なります。

建築時期 控除される金額
平成9年4月1日以降 1200万円
平成1年~平成9年3月31日 1000万円
昭和60年7月1日~平成1年3月31日 450万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円

 

土地について不動産取得税が軽減されるための要件

住宅の敷地で不動産取得税が軽減される要件にあてはまる場合に、以下の要件を満たすと土地についても不動産取得税が軽減されます。

・住宅を新築した場合の要件

土地を取得した日から2年(令和8年3月31日までに敷地を取得したときは3年)以内に住宅を新築、または敷地を取得した日より1年前以内に住宅を新築していたときです。

 

・建売住宅や新築分譲マンションを取得した場合の要件

建売住宅や新築の分譲マンションを取得した場合は、「築後1年以内の未使用の住宅と併せて土地を取得した」、または「敷地を取得してから1年以内に新築住宅を取得した」か「敷地取得の前1年以内に新築住宅を取得していた」場合です。

 

・中古住宅の敷地を取得した場合の要件

中古住宅の敷地を取得した場合に不動産取得税が軽減されるには、「敷地と中古住宅を同時に取得した」または「敷地を取得してから1年以内に中古住宅を取得した」または「敷地を取得する日前1年以内に中古住宅を取得していた」といった要件があります。

 

土地について不動産取得税が軽減される金額

上記要件を満たした場合は、以下のいずれかのうち、多い方の額が税額から減額されます。

・45,000円

・土地の1㎡あたりの価格(※) × 住宅の床面積の2倍(200㎡まで) × 3%

 

※なお、令和9年3月31日までに取得した宅地評価土地については、1㎡あたりの価格が1/2になります。

 

参考 神奈川県ホームページ 不動産取得税

 

固定資産税と都市計画税

固定資産税と都市計画税は、1月1日に不動産を所有している人に対して課税される市町村民税です。

 

横浜市における固定資産税と都市計画税の計算式は以下の通りです。

・固定資産税の計算式は、「不動産の価格 × 1.4%」

・都市計画税の計算式は、「不動産の価格 × 0.3%」

 

固定資産税額の軽減

次の場合には固定資産税が軽減されます。

・新築された住宅の軽減

令和8年3月31日までに新築された住宅で、住宅部分の床面積が全体の1/2以上の場合であり、床面積が50㎡以上280㎡以下の場合は、新築後3年または5年、床面積120㎡以下の住宅部分について税額が1/2になります。

認定長期優良住宅は、手続きを経ることで軽減される期間が5年または7年になります。

 

・土地の軽減

住宅の敷地については、価格が1/3(200㎡までは1/6)になります。

併用住宅の場合は、軽減の対象が住宅割合によって異なります。

 

参考 横浜市ホームページ 固定資産税・都市計画税

 

住宅ローン控除(所得税の住宅借入金等特別控除)

住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に利用できるのが住宅ローン控除(所得税の住宅借入金等特別控除)ですが、この住宅ローン控除が最も知られている税金の軽減制度かもしれません。

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームの新築、購入、増改築をした場合に受けることができます。

 

この住宅ローン控除を受けるには、最初の年に確定申告をする必要があります。

サラリーマンやOLといった会社勤めの人は、最初の年に確定申告をすればよく年以降は年末調整で控除が受けられます。

 

令和6年現在、住宅ローン控除は、住宅ローンを使って新築、購入、増改築等をした場合に最大で13年間、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税等から控除する制度です。

以前は1%でしたが、現在は0.7%となっており、住宅ローン控除はよく見直しが行われる制度です。

 

新築・再販買取住宅

長期優良住宅・低炭素住宅 子育て世帯・若者夫婦世帯5000万円、その他4500万円 2025年入居は4500万円
ZEH水準省エネ住宅 子育て世帯・若者夫婦世帯4500万円、その他3500万円 2025年住居はいずれも3500万円
省エネ基準適合住宅 子育て世帯・若者夫婦世帯4000万円、その他3000万円 2025年入居3000万円

上記省エネ基準を満たさない住宅は0円

子育て世帯・若者夫婦世帯は、19歳未満の扶養親族がある者又は40歳未満であって配偶者を有する者、40歳以上であって40歳未満の配偶者を有する者

 

既存住宅

長期優良住宅・低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3000万円
上記基準を満たさない住宅 2000万円

既存住宅の控除期間は10年間

 

住宅ローン控除の主な要件

住宅ローンの主な要件

・住宅取得後6か月以内に入居し、適用を受ける各年の年末まで引き続き住んでいること

・登記簿上の面積が50㎡以上であること(販売図面の面積ではない)

・建物の1/2以上が居住用であること(併用住宅など)

・控除を受ける年分の合計所得が2,000万円以下であること

・住宅ローンを利用していること(個人間の貸し借りでない)

・住宅ローンの返済期間が10年以上で分割返済していること(繰り上げ返済をして10年未満にならない)

・2024年までに建築確認を受けた新築住宅で40㎡以上50㎡未満は合計所得が1,000万円以下

 

中古住宅の場合は、さらに次のいずれかの要件を満たす必要があります。

・1982年1月1日以後に建築されたもの

・建築後使用されたことのあるもので、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、またはこれに準ずると証明されたこと(耐震基準適合証明、既存住宅売買瑕疵担保責任保険の締結した証明書類など)

 

買取再販の場合は、宅地建物取引業者が住宅を取得してからリフォームを行い再販するまでの期間が2年以内であること、新築された日から10年を経過してること、一定のリフォームが行われたことなどの要件を満たす必要があります。

 

住宅ローン減税 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

 

個人住民税

住宅ローン控除の適用を受けた場合に、所得税から控除しきれなかった額は住民税から控除されます。

 

おわりに

新耐震基準は、震度5強の地震があってもほとんど損傷しない、震度6強から7度の地震があっても倒壊、崩壊しないことを目標にしています。

とはいえ、1981年6月1日から対象の新耐震基準も古ければ築40年になり、築20年以内といった築年数の要件がなくなりました。

今では省エネ住宅が基準になりつつあり、この後も建物に関する税制については時代に合わせて変わっていくと思われます。

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ライフプラン

横浜市にある不動産会社ライフプランです。

ファイナンシャルプランナーが常駐してるため、住宅ローンの相談からライフプラン相談まで対応してます。

 

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