先日、ファイナンシャルプランナーのイベントに参加してきました。
10年前は空席が結構あったりしましたが、最近はセミナーも無料相談も予約で満員になることが多くなっています。
参加してみて思うのは、お金のある人もない人もお金に対して何らかの悩みや不安を抱えているということです。
お金に対して不安を抱えているのは9割を超えるといわれており、アメリカではファイナンシャルプランナーが身近な存在らしいです。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家?
テレビや雑誌等では、ファイナンシャルプランナー(FP)は必ずといっていいほど「お金の専門家」と紹介されます。
正直いうとお金の専門家だけではなかなかぴんとこない人も多いと思います。
テレビやラジオなどでは、お金や家計の専門家と紹介されるFPですが、少し専門的な本だと「ライフプランの専門家」と紹介されます。
ライフプランは何かというと、日本語では「人生設計」となります。
日本語に訳すと人生設計になるライフプランですが、ライフプランといった場合は「お金に着目して立てる人生設計」を指すことが一般的です。
ライフプランでお金の流れを把握する
住宅を購入する計画や、子供の進学費用を準備したり、退職までに1,000万円貯める、といった計画を立てることは普通にあると思います。
住宅を購入することについてライフプランを立てた場合は、購入に伴うお金の流れがどのように影響するかを数値化してシミュレーションします。
この時に将来の住宅ローンがどんな影響を与えるかも見るので、今は無理がないように見える住宅ローンの潜在的なリスクを明らかにさせることができます。
子供を中学から私立に進学させるには、いつまでにいくら必要かを知る必要があります。
どのような手段で貯めていくのかも重要なので、ライフプランを立てながら有効な手段を探すことも行います。
日本では、まだまだ馴染みがないライフプランですが、アメリカではライフプランを立てることが当たり前になっています。
まじめに働いた人でも、老後破産になるのが珍しくないのが今の日本ですから、自分のライフプランを立てることは有効です。
ライフプランを立てるには、まず最初に可処分所得の把握をします。
可処分所得とは
可処分所得とは、実際に自由に使えるお金のことをいいます。
通常、サラリーマンの人であれば、毎月会社から受け取る給料が収入になります。
この収入から強制的に差し引かれる社会保険料や所得税、住民税を引いた残りの部分が可処分所得になります。
収入-社会保険料・税金=使えるお金(可処分所得)
可処分所得の考えは、会社員と自営業の人とでは異なりますが、自営業の場合は収入から経費を引いたものが所得になります。
自営業の人の中にはいろいろな経費を算入してるのでちょっと性質が違うかもしれませんが、可処分所得が自分で使える所得を指すのは同じです。
会社員の場合は経費がありませんが、給与所得控除といったみなし経費みたいなものがあり、給料から控除されるのと似ています。
この可処分所得から毎月の生活費や住宅費、電気・水道代といった支出が賄われ、貯金や投資に使えるお金もここから出ることになります。
可処分所得から毎月の支出を引いたものと先月末における資産との合計が合わなければ、使途不明金の可能性があります。
可処分所得と使途不明金は、家計チェックの基本です。
住宅ローンの借入可能額は収入を基準に考えますが、ファイナンシャルプランニングでは可処分所得を基準に考えます。
住宅ローンの借入額の計算では、収入を基準に3分の1までといった考えが使われますが、収入の全部が実際に使えるわけではありません。
借入可能額いっぱいで住宅ローンを借りた人は、将来的にローンがかなりの負担となるはずです。
意外と多い使途不明金
お客さんと話をしていると、収入に関してはほとんどの人が把握していますが、支出については把握しきれてないことが多いです。
収入については、サラリーマンやOLさんであれば源泉徴収票を見れば分かるのでほとんどの人は知っています。
反対に、支出については金額が少額だとわざわざ領収証を管理しない人も多いでしょうし、家計簿をつけていない人も多いです。最近は、レシートを読み込むだけで家計簿がつけられるアプリもあるようですが。
この何に使ったのかわからない支出を使途不明金といいます。
使途不明金の把握
家計簿をつけている人であれば、収入から支出を引いた金額が手元に残るはずですが、必ずしも数字が合わないことはよくあります。
収入と支出の差額と先月の資産を足した金額が実際にある金額と違えば使途不明金になります。
無駄遣いの改善には、使途不明金の把握からといわれています。
使途不明金の把握は、家計の改善にも役に立つといわれています。
おわりに
家計を改善させる第一歩は現状の把握です。
そのためには可処分所得と使途不明金がどれくらいあるかを知ることです。
アメリカでは身近な存在のファイナンシャルプランナーですが、日本では規制が多いのでほとんどのファイナンシャルプランナーが保険会社か証券会社に在籍しています。
ファイナンシャルプランナーとして独立しても、規制が多いことから結局は保険を売ることになるそうです。
アメリカでは評価されているファイナンシャルプランナーですが、日本ではお金の専門家なのに自分が一番お金に困ってると揶揄されています。制限が多いので仕方ないのですが、何だかおかしな話です。