横須賀市の久里浜には、幕末に黒船を率いてアメリカから来航したペリー提督ゆかりの公園と記念館があります。
ペリー提督と言えば、1853年にアメリカ艦隊を率いて浦賀沖に現れ、江戸幕府に開港を迫り、日米和親条約を締結したことでも知られます。
ペリー提督が率いたアメリカ艦隊は、黒煙を出す姿を見た日本人から黒船と呼ばれました。
黒船は、浦賀沖に出現した後、久里浜に上陸しました。
浦賀には、多くの日本人が見物のために訪れ、「泰平の眠りを覚ます上喜撰(お茶の銘柄と蒸気船)たつた四杯で夜も眠れず」の狂歌が詠まれました。
ペリー公園
ペリー公園は、横須賀市久里浜にある都市公園です。
公園内の中央には、ペリー来航を記念した上陸記念碑が立っています。
ペリー公園の前には、久里浜の海が広がっています。
ペリー公園の入口から見た久里浜の海です。目の前は久里浜海岸になります。
ペリー記念館の近くにトイレもあります。
横須賀市制施行七十周年を記念した「横須賀風物百選 ペリー上陸記念碑」です。
公園内はこんな感じです。人より鳩のほうが多かったです。
ペリー公園の中央に立つ「北米合衆国水師提督伯理上陸紀念碑」の碑です。碑文は伊藤博文による揮毫です。
ペリー上陸記念碑の裏側に回ってみると、文が刻まれてます。
「北米合衆国水師提督伯理上陸記念碑建設者たる水友協会の意思を継ぎ、本日以後本会に於て該記念碑並構内の維持管理に当たることとなれり、仍(よっ)て茲(ここ)に之を誌す。」
公園の角に「じょうきせんの碑」があります。文字がかすれて所々読みにくいですね。
ペリー上陸記念碑についての解説です。
「この記念碑は、嘉永6年6月9日(1853年7月14日)にペリー提督(Matthew Calbraith Perry)が久里浜に上陸してから48年後の明治34年(1901年)7月14日、米友協会(会長金子堅太郎)により建立された。総高は5.25m、碑前面「北米合衆国水師提督伯理上陸紀念碑」は初代内閣総理大臣伊藤博文(同会名誉会長)の筆による。
建立の経緯は、明治33年(1900年)11月に開かれた米友協会式典で、ペリーとともに久里浜に上陸した退役海軍少将ビアズリーが、上陸の地に日米両国最初の接点を示す光景が無いことを語り聴衆に感銘を与えたことに始まる。早速、米友協会は記念碑建立を計画し、明治憲法起草に関わった法律家で政界にも影響力の大きい金子が尽力して国内だけでなくアメリカからも建設費用を募り、わずか8ヶ月で記念碑落成式を迎えることができた。こうして建立された記念碑によりペリー上陸の意義は伝えられていったが、太平洋戦争中には敵国を讃えているとして引き倒されたことがある。しかし、終戦後の昭和20年(1945年)11月に復元され現在に至っている。
この「ペリー上陸記念碑」は、日本の近代の幕開けを象徴すると同時に日米両国の国際関係の歩みを示す貴重な歴史資料である。」
ペリー提督の出生地であるアメリカのロードアイランド州ニューポート市から贈られたという記念石です。公園というよりペリー提督の博物館みたいです。
一応、公園の奥には遊具施設もあるので、子供も楽しめます。
ペリー記念館
ペリー記念館は、横須賀市80周年を記念して1987年に建てられました。
館内は2階建てになっており、1階にはペリーと黒船のジオラマが、2階には絵巻物などがあって黒船の資料とペリーの生い立ちなどについて知ることができます。
ペリー記念館の外観です。無料で見学できました。
開館時間 | 9:00~16:30 |
入場料 | 無料 |
休館日 | 月曜日(月曜日が祝日の時は翌日)、年末年始 |
ペリー記念館の入口横に立つペリー提督の銅像です。
同じくペリー記念館の入口横に立っている戸田伊豆守の銅像です。
戸田伊豆守は、ペリー来航時の浦賀奉行で、ペリーとの折衝役として日米和親条約も締結しました。
周辺の名所なども紹介されてます。
ペリー公園へのアクセス
所在 | 神奈川県横須賀市久里浜7丁目14 |
交通アクセス | 京浜急行線「久里浜駅」またはJR「久里浜駅」下車、久里浜循環バスで「ペリー記念碑」にて下車 |
今回のまとめ
・横須賀市久里浜のペリー公園にはペリー上陸を記念した碑がある。
・公園内にペリー艦隊の資料を展示したペリー記念館がある。